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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
6章「武闘大会」
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4柱の神

 蹴り開けられた扉の向こうには猫のような耳とライオンのように先がふさふさになっている尻尾を持った少女が立っていた。そしてそのまま部屋の中に入ってくる。それを見たデネボラさんは手をお腹の前に合わせて一礼した。


「アダラ様。いらしたのですね」

「うん、さすがにここまでほかの神がいると文句の一つも言ってやらないとね」

「やぁ、アダラ」

「アダラちゃん、お邪魔してるよ」


 アダラが来るとカールとユキさんがあいさつをした。それに対しアダラはもの言いたげにしているが、いったん放置して、部屋の隅に目を向けた。それに従い私たちもそちらに目を向けるとツボを抱えた女性がそこにうずくまっている。アダラはそんな女性の襟首をつかみ私たちのほうに引っ張ってくる。そして私たちの前に放り投げた。


「あたっ!!」

「サビク、来てたんだ。あんな端っこで何してたの?」

「だってここ私の管轄じゃないし、でかい顔していることもできないし」

「本当にサビクは立場をわきまえているね。この3人とは大違い」


 アダラがそう言ってカールとミール、ユキの3人に目を向けた。そこにはデネボラさんに出してもらったお菓子を食べている3柱の神様たちがいた。それを見ると私はため息をつくことになった。そこで気づいたが、3柱とも元の大きさに戻っており椅子に座っていた。


「君たちもう少し遠慮というものをしてくれないかな」

「いいじゃんいいじゃん。アダラにささげられた貢物なんだから同じ神である私たちが食べても問題ないよ」

「そうそう、私たちも神だもんね」


そういうとアダラの額に青筋が浮かぶ。そしてミールに向けて振りかぶる。


「食い物食ったら減るに決まってるだろ」

「アダラストップ」


 そう言ってミールは手に持っているお菓子をすべて口の中に入れてから椅子から飛びあがりアダラの拳を躱した。そしてミールはアダラから顔を反らし私のほうに目を向けた。一方私はミールの顔を見て満面の笑みで返してあげた。それを見たミールの顔からみるみると血の気が引いていく。


「アダラやばいやばい。ここで喧嘩はやばいって」

「あぁ?なんでそんなに慌ててるんだ。それにいつもならお菓子持ったまま躱してるだろう」

「だから今はそれだけはダメなんだって」

「ミール、アダラちゃんちょっと座ろうか」

「はい!!」

「ちゃん付けはやめてくれないかな」

「ならアダラも座ってね」


 私がそう言ってもアダラは座ろうとしないでいた。だが、ミールが頑張って何とか座らせることができた。それからしばらくの間、食べているときに暴れようとしたことによるお説教時間となった。

その際に「私は止めようとしたのに」とミールが嘆いているが関係ない。


ーーーーーーーーしずく視点-----------

 くーねぇがミールとアダラの説教を始めたのでこっちはぼくが確認することにした。


「それで、カールたちはなんでここに?」

「ぱりぱり、それね。以前しずくたちに話したと思うけどある少女を助けてほしいっていったよね?」

「うん、そういえば言ってたね。だから急いでほしいって」

「そうそう、その助けてほしいっていう子がそこのミュセルちゃんってわけ」

「なるほどね、それでそれってカールたちの独断なの?」

「いやいや、そんなことはないよ。これはサビクからお願いされたことだよ。それを受けて時空干渉が得意なぼくたちが偏見のない外界の人たちをこちらに呼び寄せたっていうわけだ。まぁ、それとは別にぼくらはそこのミュセルに物申したいんだけどね」


「なんじゃ?同郷の者が何かやったのか?」

「いやぁ、君の4人衆のせいでくるみたちが2度ほど死にかけてるんだよね」

「そうか、だれがやったかわかるか?」

「パイモンだよ。今では好敵手だから気にしなくていいよ」

「そうか、パイモンのやつがか。それは僥倖じゃな」


 ミュセルがそう言うと笑っている。それを見てカールは少し言いたそうにしていたが、本人が良いならいいかと思ったのか何も反論はしなかった。それとは別に気になったことがあるのでそちらも確認をしてみることにした。


「そういえば、キャンサーで来たときは魔族がもう一人来てるからちびっこのままだって言ってたけどもう大丈夫なの?」

「あぁ、そのことか。それなら大丈夫だよ。3日ほど前にふたご島から外に出ていったから」

「ふむふむ、あ奴らも私探すのに躍起になっているようじゃの」

「だからってあなたは一国の王がそう簡単に長期間家出するもんじゃないよ。それに今魔国は不穏っていう話聞いたわよ」


 ミュセルがしめしめと笑っているとミュセルの横に座っていたミラがミュセルに文句を言う。それに合わせて、サビクが思い出したかのように体を前に乗り出した。


「そう、それなんだよ~。私が今日ここに来た理由は、アダラ、ユキ助けて」

「その話は一旦こっちで預かるよ。今しずくたちに言う前に僕たちの中で検討したほうがいい」

「それにちょうどいい、今後のこともしずくたちに言ってから今晩詳しく聞くことするね」


 サビクがユキとカールに言おうとしたところでカールとユキの二人が真面目な顔でそう伝える。そしてある程度聞くことも終わったのでくーねぇのほうを見てみると説教も大詰めになったのかアダラも正座していた。そして間もなくくーねぇの説教が終わる。そのタイミングで解放されたミールがだらっとカールの膝の上に倒れたのだった。


ーーーーーーーーくるみ視点-----------

 ミールとアダラへの説教が一通り終わり、みんなに夕飯どうするか確認すると、デネボラさんが「私が作りますよ」と言って席を立ったので私もそれに付き添って夕飯を作ることにした。

私とデネボラさんで夕飯を作るために咳を立つとまたお菓子へと手を伸ばそうとしているのが見えたので「夕飯食べれるようにはしておくんだよ」と声を掛けていくことを忘れずにしておく。実際声を掛けたところ、ミールはお菓子に伸ばそうとしていた手をすっと引っ込めていた。

 隣で話している内容を何となく聞きながら夕飯も作り夕食となる。ここは獣人が多い国ということもあり獣肉をメインで使うことが多いようで、がっつりとした夕飯になった。その夕飯時にカールが話し始める。


「さっきしずくと話していたが、無事ミュセルと合流してくれて礼を言わせてもらうよ。そして、さっそくだけど二人にはぼくたちの後継者候補となってもらいたい」

「それ前にも聞いたけど、後継者になるとどうなるの?」

「そうだね、簡単に言うと寿命はほぼなくなる。そして、それぞれが主るものは自由に使うことができるようになるわよ。ミントのようにね」


そう説明してくれたのは、ミントさんの隣に座ってご飯を食べているユキさんだった。そして、それを聞いて私たちは目が点になる。

「まぁ、そういうことだ」

「それで、どうだろうか。候補時点ではまだ寿命が無くなったりといったこともない。候補であるうちは後継者は後で断ってくれても構わないよ」

「ここでその話をしたことは何か意味あるんだよね?」

「もちろん、今日の夜に星座会議を急遽開くことになった。その場にできれば来てほしいんだ」

「その会議に出る資格は現在の神であること。それとその後継者候補以上の存在であることの二つ」

「別に後で撤回していいっていうなら構わないよ。実際もう後継者候補になってるって思ってたし。ねっ、くーねぇ」

「そうだね、ポルックスで直々に鍛えてくれたからもう候補になっていると思ってた」

「そうか、ありがとう」

「なら、今回は私も出席していいか?」

「もちろん、ミントは私の後継者なんだから出る資格は十分よ」


そういう会話をしつつ今日の夕飯は過ぎていった。

次回の4月1日は季節もの短編のみ投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 後継者候補だとは、穏やかではありませんね。
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