アジトへの突撃
人攫いを捕まえた翌日の朝。私たちは東門に到着した。到着するとそこにはミッドさんと到着した時にカルロスたちの家族を呼びに行った門兵さんがいた。
「ミッドさん、どうしてこんなとこに」
「こんなとこって。昨日聞いてなかったのか?」
「いえ、ここが今日の集合場所って聞いたけど。ミッドさんはリーダだから来ないと思ってたけど」
「さすがに今回は部下に任せておけないからな。そういうこともあり俺とミガルが一緒に行くことになる」
「よろしくな」
そう言ってミガルさんは挨拶してくれた。今日は来た時と同じような甲冑ではなく、革鎧を着ており身軽な印象を受ける。そして見える範囲では猿の獣人の様だ。
「よし、自己紹介も終わったし移動しようか。夜に襲撃をかけるから少し急ぐぞ」
そう声をかけてからミッドさんは移動を開始した。私たちは少し急ぎ足でその移動についていく。そして、夕方になるころ、アジトの少し手前にある開けた場所に到着した。
「ここで少し休憩を取ろう」
「俺は少し見てくるよ」
「ぼくも一緒に行くよ」
そう言ってしずくとミガルさんはアジトへ向けて移動を開始した。その間に私は食事の準備を始める。ミッドさんの要望で今日は火を使った食事は作れないので冷製スープで手を打つことにした。そうしているとしずくとミガルさんが戻ってきて、夕食をとることにする。その際にアジトの情報の共有を図る。
「ここから少し行くと、大きな洋館があって、ミガルに確認したらそこがアジトだろうだって」
「遠目に見た限りだが、人は何人かいるようだ。それに裏手に扉があったから正面と裏口のに方向から攻めたほうがいいだろうな」
「そうか、なら予定通り夜まで待って突撃駆けるのが無難か」
しずくたちの話を聞いたミッドさんがそう判断した。そして夕食も終わり、それぞれが仮眠をとる。そして、日も変わろうかという時間。
「よし、十分休んだし、アジトに突撃しようか」
ミッドさんの言葉にしずくとミガルさんは準備万端といった感じで、武器の手入れを終えている。私も武器の準備を整え移動する。
そして、歩いていくとそこにはしずくたちからの報告通り大きな洋館が建っていた。その洋館が見えたところで、私たちは一度足を止める。すると、ミガルさんが木の上に登りきを伝いながら洋館の状態を確認する。そして戻ってきたミガルさんはミッドさんに一度ハンドサインを出したと思うと、ミッドさんが私たちだけに聞こえるように声を発する。
「よし、洋館の中は裏側も灯りが消えているようだ」
「わかりました」
「俺は裏門から行く。お前たちは正面から行ってくれ」
「はい」
ミッドさんはそれだけ言って木の陰に隠れながら屋敷の裏手に周った。その後をミガルさんがついていく。そして私たちは少し時間をおいてから正面から突撃をかけることにした。
正面扉の前に到着するとしずくがダークブレードを発動させて扉を切り刻む。そしてそのまま屋敷の中へと入っていく。
「しずく、中に入るの待って」
「ん?ミラどうかしたの?」
中に入ろうとしたしずくをミラがストップをかける。そして足元を指さした。しずくと私は足元を確認するとそこには鳴子が仕掛けられていた。それを確認したしずくは。シャドーウォークを使って扉の奥に移動する。そして私とミラは鳴子をまたぐ。その時、二階から何かが飛んでくる。私はそれに気づいてセイントシールドを発動させて攻撃を防いだ。
「誰?」
しずくが攻撃が飛んできた方向に顔を向けるとそこには一人の軽装備の男性が建っていた。
「人様の家にこんな夜中の訪問とは礼儀が鳴ってないな」
「ごめんね、ぼくたちは人さらいを捕まえに来たんだけど」
出てきた男に対し、しずくがここにやってきた目的を告げるすると男がふっと消えた。そして私の後ろちょうど鳴子に乗る形で男が現れた。
カランカラン!!
「それなら俺らの敵っていうことか」
「ちっ。これで他のやつらにも気づかれた」
ミラが言った通り1階にある部屋からナイフを持った男と長剣を持った男が2人と出てくる。
「なんだなんだ。敵襲か?」
「そのようだね。コレラ相手はこいつらかい?」
「あぁ、そうだぜ。そしてそこの剣持ってるやつ相当やるようだ」
「あれ、そっちの二人はそうでもないの?」
「まぁ、そこそこやるようだけど俺らからしたらそうでもないだろうな」
そう言って私たちに近づいてきながら話している。そして男たちの評価はあながち間違っていないのもなんとも言えないものだった。その時奥から、ミッドさんたちが到着した。
「こいつら任せていいか?俺は上に言ってくる」
そういうと男たちのうちの一人ナイフを持った男がミッドさんの前へと移動してふさぐ。そこにミガルさんの蹴りが入る。だが、男は腕で受け止める。
「なるほどなるほど。面白いのあの娘だけじゃないってことか。この猿もらって良い?」
「いいよ、エボラにそいつは任せる。俺はそこの姉ちゃんに相手してもらうかな」
そう言って長剣を持った男は私を指さしてきた。そして間もなく私に向けて駆けてくる。その間にしずくが入り闇剣で切りつける、それを男はてに持った長剣で受け止めた。
「俺はお前の相手にしたくないんだけどな」
「仕方ないな。メラノーマはそいつの相手をしろ。俺がこいつらの相手をする」
そう言ってコレラと言われた男は私とミラに攻撃を仕掛けてきた。ミラはそれに気づき短剣を受け止める。その間に私はラビィの召喚と距離をとることにした。そしてその間にミッドさんは2階へ上がり人さらいたちの探索に入っていった。
「ぐっ!」
ミッドさんを見送ってから少ししてから2階からミッドさんの声が聞こえてきた。そして2階からもう一人の男が下りてくる。その手には縛り上げられ首に短剣が刺さった男と漆黒のオオカミの尻尾と耳を持った男が姿を現した。そして2階からミッドさんの声が聞こえてくる。
「なんでお前がここにいる」
「いやぁ、道に迷ってさまよってたら洋館があってね。そこにお邪魔したんだけど、そこにこいつがいたからつい殺っちゃった」
「ヘルペス、相変わらず何考えてるかわからないやつだ」
男、ヘルペスは気楽そう説明してくれたのだった。




