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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
5章「キャンサーからレオ」
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関所での夜

 レオ帝国とキャンサー共和国の間にある関所に到着した私たちは、関所と兼用で備え付けられている宿屋の食堂で今後のことを話すことにした。


「くるみさんたちは明日からどうしますか?」

「特に決めてはいないです」

「ねぇレキたちはここから自分たちの村ってわかる?」

「しずくさんごめんなさい。さすがにわからないです。でも国境の近くなので警備の人に聞けば村の位置ぐらいはわかるかもしれません」


 私がエリックさんに今度の予定を話している間にしずくがカルロスたちに村の位置を聞いていた。カルロスたちは村の位置まではわからないけど国境警備の人に聞けばわかるかもしれないと言っていた。その会話をエリックさんも聞いていたのか、エリックさんも話に参加する。


「そうですか、その村の名前を聞かせてもらっても?」

「アルの村っていう小さな村だよ」

「そうですか、私もあまりこちらに詳しいわけではないので聞いたことがないですね」

「そっかぁ」


 エリックさんからの回答を聞いたエリスちゃんが落ち込んでいた。それとは別にしずくが子どもたちには聞こえないような小声で

「今になって聞くとエリックのその話し方気持ち悪」

 とつぶやいていた。その言葉がエリックさんの耳に入ったのか、少し眉尻がぴくっと動いていた。

エリックさんは追及を避け、この後のことと報酬の話に移る。


「さぁて、しずくが何か言っているけど放置するとして、ここまでの護衛ありがとうございました」

「いえ、私たちもここまでの案内ありがとうございます」

「一応確認だけどエリックさんは敵じゃないんだよね」

「えぇ、そこは安心してください。ただの魔族の商人ですから」


エリックさんは魔族のところだけ声を顰めて宣言する。それを聞いたミラは警戒してはいるが、このことについては追及するのをやめたようだ。


「それで報酬なのですが、このくらいでどうでしょうか」


 エリックさんはそう言って小金貨を1枚渡してくれた。私たちをそれを見て、こんな高額受け取れないというも、

「私のことの信用代と口止め料も入っていますので」

と言われてしまい仕方なく受け取ることになった。

 それを見たエリックさんは嬉しそうにしながら一枚の紙を私の手元に置いて去っていった。その際に「昨日の夕飯のお礼に今日の夕飯の会計は私がしますね」と言ってから去っていった。

 エリックさんが去って行ったあと、みんなで夕飯を食べ終わり私たちは一度部屋に戻った。そしてカルロスとレキに聞いてみると「今日もお願いします」といったので、今日も特訓をやるようだった。


「しずく、今日も気を付けてね」

「うん、くーねぇとミラはどうするの?」

「私たちも近くで見てるよ」

「それじゃ、一緒に行こう」


 しずくがそう言った後に、宿屋の店主に裏庭を利用していいかの確認をとってから使わせてもらうことにした、そしてお互いに準備を整えた後に今日のやることを伝えている。

 今日は二人とも素振りを主体で基礎を学ばせることにしている。実際に昨日の夜しずくに相談されて、基礎はおろそかにできないということで意見が一致した。そしてエリスちゃんのほうだが、しずくの予想通り私に魔法の使い方を教えてほしいと言ってきた。なのでミントさんが教えてくれた手順に従って、エリスちゃんに教えることにした。なのでカルロスとレキから少し離れたところで自分の中の魔力を探っている最中となっている。


「エリスちゃんちゃんと魔力感じ取れるかな」

「わからない、獣人は魔力については極端だから」

「くーねぇ、夕飯の最後にエリックから何か紙もらってたけど何だったの?」

「確認してないんだ。何だろう」


 私が確認をしてみると「今晩そちらに伺います」とだけ書かれていた。

 その文字を見て部屋にいた方がよかったかなと思っていると後ろから声を掛けられる。


「さて、来る途中の話に戻そうか」


 私が驚いて後ろを見てみるとそこにはエリックさんがいた。見た目は今までの見た目と違い頭の横に巻き角が生えている。それを見たしずくがエリックさんに問いかける。


「それが本当の姿かな?」

「あぁ、そうだ。それとサイレンは使っているから気にしなくていいよ」

「その見た目は大丈夫なの?」


 しずくの確認の後にミラがエリックさんに問いかけた。それに対してエリックさんは、周囲から見える姿が異なって見える魔道具をつけていると説明してくれた。どうもこの魔道具も自作の魔道具のようだ。


「それでお昼の話の続きって?」

「あぁ、移動中にオヒューカス帝国も一枚岩じゃないといったと思う」

「はい、言ってましたね」

「それで一枚岩じゃないっていうのはどういうことなの?」

「あぁ、実は今オヒューカス帝国には二つの勢力が出来ているんだ。まずは現女帝であるミュセル様をトップとして慕っている魔人グループ。これはミュセル様の側近四人衆が今は中心となっています」

「四人衆ということはパイモンたちだね」

「えぇ、パイモン様、ガープ様、バラム様、ラウム様の4人が中心となる。4人衆の皆さんはミュセル様のことを慕っているので問題ない。だが、もう一つのグループである、魔物族のグループだ」

「魔人族や魔物族っていうのは?」


 私たちが知らないだけでミラは知っているかと思い確認してみたが、ミラも知らなかったようで私たちを代表して質問した。その質問を聞いたエリックさんは驚きつつも説明してくれる。


「そうか、君たちの間では詳しく分けられていないのか。そうだなまず君たちの認識を教えてくれないか」

「うん、私たちの中では魔人族や魔物族ではなく魔族で統一しています。そして、魔族は人類の敵っていうことぐらいかな」


そこまで詳しい情報はないので、簡単にそう伝えた。その説明を聞いたエリックさんは「そうか」と前置きをしてから説明を開始した。


「順に説明していこう、ミュセル様を含めた俺たちのように角や尻尾、羽といった特徴を持つ人間を魔人族としている。そしてナーガやアラクネ、ハーピィといった魔物の特徴を持った種族を魔物族と呼んでいる。君たちの話を聞いた限りだと魔人族と魔物族をひっくるめて魔族と呼んでいるんだろう」


エリックさんは説明をしてくれた。


「でも、そのミュセルって生きてるんだよね?それならパイモンたちのほうが優勢だと思うけど」

「あぁ、本来はその通りなんだが、いかんせん、ミュセル様の失踪期間が100年を超えてるからな」


エリックさんにそう言われてしまい、私たちもう何も言うことができなくなっていた。


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