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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
1章「冒険の始まりと冒険者登録」
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新しい魔法とかくれんぼ

きりが悪かったので今回長めで

----------くるみ視点-----------

 私はいくつかの方法を思いついてたけど、木相手だったから実戦で使えるか試したいな。

そう思っているとミントさんがこっちに歩いてくる。

「くるみ、そっちはどうだ。いいの思いついたか?」

「ミントさん。はい、いくつかは思いついてます。しずくの方はどうですか」

「しずくは調子いいぞ、20分は私とミラの攻撃をさばき続けることができるようになった」

「それは、すごいですね。じゃあ私の成果ですね。いくつか考えたので実戦で使えるか試していいですか」

「あぁ、かまわない。やってみてくれ」

そうして私は今まで木相手にやっていたことをミントさんに実施していくことにした。

ミントさんは木剣を構え立っていてくれている。

「まず最初は【ライトバインド】」

そういうとミントさんの腰と両腕を覆う形で大きな輪っかが出現してミントさんの動きを封じた。

そのあと魔力量を上げることにより輪の数が2個、3個と増えていく。魔力量を増やせるのは最初の10秒程度で輪1つに付き最大で1分間相手の動きを封じることができる。

「なるほど、これは実用性高いな。だが魔力を放出することで無理やり外せるし、力任せに動くと・・」

ミントさんが身動ぎすると「ビキッ」という音がしてライトバインドの輪っかにひびが入り「パリン」と音がして弾け飛んだ。

「まぁこんな風に一気に拘束時間が少なくできるな。でも時間稼ぎには十分だろう。それともう一つ確認したい。しずく少し来てくれ」

「なに、ミントさん」

「くるみの魔法の実験体になってk・・・」

「是非!!」

しずくがくい気味でミントさんの提案に了承していた。

「内容も聞かずによく即答できるな。まぁいい。くるみさっきのをしずくにかけてくれ。1つでいいぞ」

「わかりました。じゃあしずく行くよ。【ライトバインド】」

ミントさんに言われた通りしずくに1重でライトバインドをかけてみる。一方しずくは焦ることなくミントさんにどうすればいいか聞いている。

「ミントさん私はどうすればいいの?」

「そうだな。適当に闇に干渉するつもりで魔力を放出させてみろ」

「わかった」

そういうとしずくの足元の影から蛇のようなものがにょろにょろと出てきた。

(小さいけどあんまりかわいくない)

どうでもいいことを考えながらライトバインド確認してみると輝きがどんどん薄れていき20秒程度でバインドが消えてしまった。

「おぉ、動けるようになった」

「やっぱりか、光と闇は双方が弱点だからこういった拘束系は後手で使った方が相手に影響を与えやすい。今回の場合しずくも動いていればもって10秒といったところだな」

「ミントさん。基準がわからないのですが。確かミントさんさっき3重バインドを10秒足らずで抜けてましたよね」

「私は、魔力量と魔力操作の慣れの違いだな。光や闇といった形を持たないバインドはそれ事態に魔力を流すことで耐久値を減らすことができる。それに合わせ身体強化した筋力で無理やり壊したわけだ。だがここまでできるのはよほど魔力制御能力が高い奴ぐらいだから、まぁほとんどの種族には大丈夫だろう」

「ぼくにもこのバインドってできるかな」

しずくが思い立ったが吉日的なノリで魔力を流し始めた。すると足元の影から出てた蛇が私やミントさんの体に縛りついてきた。

「ちょっと、しずくなんで私まで」

「おいちょっと待てくるみ、その物言いだと私は別に問題ないみたいじゃないか。あとしずく特に対象指定しないでやったな」

そういいつつミントさんは闇蛇の拘束を破ってしずくに問いただし始める。

「あはは、そんなことできるんだ」

しずくは乾いた笑いを浮かべながら、素直に知らなかったことを告げた。

「魔法を行使する前に誰にかけたいかを意識するとできるよ」

そういいつつ私も範囲を極小にしたフラッシュを使い体に巻きついていた闇蛇をすべて破壊する。

「そうだね、特に誰に使うって考えずに使った。それにしても二人ともあっさりと抜け出したね」

「そこは魔力操作の慣れだ。くるみ他にもあるか?」

「はい、移動手段で一つだけ」

「そうか、見せてもらってもいいか」

「大丈夫です」

そういって私は近くの木の枝に魔力を流し私の手を縛り一気に空中に持ち上げてもらう。

「まぁ予備動作や環境に左右されるが即興で考えたなら仕方ないか」

「移動手段はなかなか思い浮かばなかったんですよね」

「まぁ移動手段は今後も考えて行こう」

これで今日の訓練は終わりかと思ったがふと実践してみたいことを思い浮かんだ。

「ミントさん少し実験に付き合ってくれませんか?」

「いいけど、どんなのだ?」

「バインドの時間を増やせないかと思って」

「ほう。ちょっと気になるな。やってみるといい」

「じゃぁ、行きます。【ライトバインド】」

そういってさっきと同じようにライトバインドを使った。だがさっきと微妙に魔力の使い方を変えてある。

「確かに、これは相手次第では拘束時間は伸びるな」

伸びるといいつつさっきとさほど変わらない時間帯でバインドを抜けていた。

「いい案だったぞ。まさか拘束した相手に魔力を流して阻害してくるとは思ってなかった」

ミントさんの言うとおり変えたのはそこだ。魔力を放出することにより拘束時間を減らすことができるならその量を減らせないかと考えたんだけどミントさんには効果なかったみたい。

「ミントさん、バインド破壊までさっきとほぼ変わらないですね。どうやったんですか」

「単純なことだ。阻害してくる魔力以上の魔力をぶつけて無理やり放出した」

「なんという力技」

「他にないようならしずくの特訓に戻るぞ」

実際にほかには浮かんでいなかったため素直に頷く。

私の頷きを確認してミントさんはしずくに次の訓練ほ鏖法の説明を開始する。

「しずくは次のステップだ。今度は目隠しをしてやってもらう。後ろから攻撃された時の感覚を全方位に使う感じでやるんだ」

「わかった。じゃぁくーねぇもうひと頑張りしてくるね」

さっきまで訓練してた場所へしずくはかけて行く。

それに対し私は端っこで座りながら観戦しつつ移動手段がないか考えていたが一向に思いつかないまま2時間が経過した。

最初の1時間は慣れていなかったのか目の前からの攻撃に対し反応が遅れていたり当たったりしていたが、最後の1時間からはそれがどんど減少していきかれこれ30分間はかわし続けている。

「よし、このぐらいでいいだろう。時間もいい感じだしな」

そういわれて空を見てみると確かに昨日と同じように空がオレンジ色になり始めている。


「くるみもちょっとこっちにこい」

ミントさんに呼ばれたので私はミントさんの方に歩いて行く。いったいどうしたのだろうか。

「なんですか?模擬戦に参加はしませんよ」

「そんなことじゃない。終了にする前にちょっとしたゲームをしようと思ってな。時間も時間だから1回だけだが。ルールはこうだ」

 ミントさんがこれからやるゲームの説明をしてくれた。ルール内容としては全員に刃物を持ち、隠れる側(私、ミントさん、ミラ)が裏庭に見える木の裏に隠れる。その後しずくに対し殺気を放つ際は木の幹に傷をつける。それであとはじっとしていればいい。

それに対ししずくが正面から気配察知を行い裏に人がいた場合、ナイフで木の幹に傷をつける。だけど殺気を感じる木には傷をつけないというシンプルなルールだった。

最後に答え合わせをして敵味方の判別がしっかりできているかを確認するようだ。

「ただしくるみ、お前は殺気出すの禁止な。ゲームといえどそれでしずくに泣かれたら訓練どころじゃなくなる」

「今までの感じなら充分にありうる」

「ミントさんもミラちゃんもそこまでじゃないよ」

そう思いしずくの方を向いてみると

「・・・・・」

「しずくお願いだから否定して。それだと本当のことになりそうじゃない」

そうしずくに言っている間にミントさんがゲーム開始の合図をする。

「始めるぞ。実際にやってみるとわかることだ」

『わかりました』

私たちは各々で返事をしてゲームが開始される。

「よしまずしずくは目隠しな。魔力による強化も禁止だ」

「はーい」

しずくは目をつぶった。その間に私たちは適当な木の裏に隠れることにした。

「しずく、もういいぞ」

「よ~し、見つけていくぞ」

(よし、ものは試しだからちょっと威嚇してみるか)

そう考え私は木の幹に傷をつける。

「まずは、ここだね」

二つ右隣の木に「かっ」という音を立てて幹に傷をつけたようだ。実際そこにはミントさんが隠れているので殺気がなければ正解となる。


そして私のところについたところでしずくの様子が変わった。

「うわぁ~~ん、く~ねぇ・・・怒ってる?(ぐすッ)」

「えっ。怒ってないよ」

そういってすぐに私は木の幹から出てしずくに駆け寄った。

「でも~、くーねぇの・・(ぐす)・匂いしてた木から・・(ぐす)・怒ってるような・・(ぐす)・気がしたから」

そうして泣き出したしずくは私に抱き着いてきた。

「大丈夫だよ。怒ってないよ。最初のルール説明で言ってたしょ。木の幹の裏に傷をつけることによりしずくに殺気を出すって」

「そ~だけど~」

そうしずくに説明していると隠れていたミントさんとミラちゃんが木の裏から呆れた表情で出てきた。

「くるみ、だから言っただろお前は殺気出すのなしだって」

「泣くだけで終わったからまだよかった」

私はゆっくりとしずくの頭をなでながら慰めてあげた。

「もっと・・頭なでて、おねぇちゃん・・ぐす・・」

「いいよ、今回は私が悪かったんだし今日はしずくが気が済むまで頭なでてあげるね」

「うん・・・」

「今日の訓練はここまでだな。さすがにこれ以上はできないし」

「まぁ、あの二人の空気をぶち壊すとあとでどうなるかわからないからね」

ミントさんとミラが今日の訓練はもうできないと悟り訓練の終わりを告げる。

「ミントさんすみませんが今日の夕飯お願いします。もう少ししずくを宥めてから戻るので」

「わかったよ。ミラは念のため魔物が来てもいいように二人を頼む」

「わかった」

私としずくは地面に腰を下ろして座った。しずくはそのまま私の膝を枕にして横なっていた。

膝の上に寝ているしずくの頭をゆっくりなでながらさっきのセリフを思いだしてしずくに伝えた。

「それにしても久しぶりにおねぇちゃんって呼んでくれたね。最近ずっとくーねぇだったから新鮮だったよ」

「っ!?」

膝の上から息をのむような声が聞こえたので見てみるとしずくが私のお腹に顔を押し付けていた。

だけど髪の間から見える耳が真っ赤になっていた。

(はぁ、もうしずくはかわいいな。)

そう和んでいるとミントさんがやってきた。

「ごはん出来たぞ。戻ってこい」

『はーい』

私と耳を赤くしたしずくが立ち上がったところで隣にミラちゃんがやってきて

「ごちそうさまでした」

その言葉を聞いて今度は私も耳まで顔を赤くする晩だった。

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