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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
5章「キャンサーからレオ」
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カニの祠

ダンジョンに挑戦した夜。ミラにしこたま怒られた私は落ち込みながら寝ることになった。

しずくは私のことを気にしてくれたがこれは私が無茶をしたことが一番の原因だから仕方ない。私があそこで気を失わなければダンジョンももっと奥まで行けたんだし。


「くーねぇ、あんまり気にしないでいいよ」

「そういわれてもね・・・・はぁ・・・・」

「溜息は幸せ逃げるよ」

「幸せ逃げてもいいからこういうときぐらい溜息させて」

「溜息するとぼくが逃げr・・・」

「それはダメ」


 私が幸せが逃げてもいいというとしずくがわざわざ言い直してくる。さすがにしずくに逃げられると精神的にも立ち直れなくなるので即座に否定した。宿屋に到着し、落ち込んだ気持ちのまましずくと汗を流す。リアルホラー体験をしたためか服には嫌な汗でぬれたので気分をすっきりしたかった。


「くーねぇ、今日はどうする?」

「いつもみたいに一緒に寝るんじゃないの?」

「う~ん、それでもいいけど、くーねぇ落ち込んでるとき一人で寝ることが多かったから」

「いわれてみれば。でも今日は一緒に寝てくれる?」

「いいよ」


 私はしずくに一緒に寝てくれるかということを聞いてみると快く了承してくれた。しずくの顔を見てみると口元が笑みを浮かべている感じがした。たぶんしずくは私が一緒に寝たいと言っている意味に気づいているんじゃないかな。


その夜はいつもとは逆でしずくを抱き枕にして寝ることにした。


ダンジョン探索をした翌日になり宿を後にする。

今回はギルドには寄らずキャンサーの祠と教会に足を運ぶ。キャンサーの祠は海で遊んだ時に行った崖の上にあったようだ。


「ここだったんだ」

「でもここもどちらかというと街はずれにあるんだね」

「なんでか詳しく聞いてみたほうがいいかもね」


教会の扉にはドアノッカーが付いている。私はこんこんとドアをノックする。


「は~い、どちら様ですか~」


 ノックの音が聞こえたのか教会の中からおっとりとした声が聞こえてきた。そのまま少し待っていると中から何かを蹴っ飛ばしたような音が聞こえてからガチャっと扉が開いた。中から癖っ毛が強いお姉さんが中から出てくる。涙目になっているので何となく何があったのか気づくことができた。


「こんにちは、祠にお参りしたんですけいいですか?」

「えぇ、かまいませんよ~」


そう伝えるとお姉さんは教会の中に案内してくれた。


「私は~、タルフって言います~。ここキャンサーの祠の~、管理人していますよ~」

「よろしくお願いします。ところでタルフさん、この男神の像がキャンサーの神なんですか」

「えぇ~、そ~ですよ~。こちらは~、キャンサーの神である、アルセス様の像になります~」


タルフさんは男神の像を紹介してくれた。男神はぱっと見では普通の20代男性に見えるが、腕にカニの爪のような手甲をつけている。男神に向かって右手の部屋に入っていく。


「こちらが~祠になります~」


 タルフさんに案内された私たちは祠に手を合わせた。私としずくは少し時間を置き顔を上げますが、ミラは10分ほどしてから顔を上げた。


「ミラちゃん、ずいぶん長い間手を合わせてたね」

「うん、いろいろあってね」

「それでは~、教会に戻りましょう~」


 タルフさんを先頭に食堂へと移動した。移動した私たちはタルフさんに言われて思い思いの席に腰を下ろす。


「皆さん~、飲み物は~何がいいですか~?」

「お任せで」

「私も何でもいいですよ」

「同じく」


 私たちはタルフさんに飲み物は何でもよいと伝えると奥の部屋へと入っていく。そして3分もすると奥からお盆とお盆に乗ったカップを人数分もって来た。そして持ってきたお盆を机の上に置く。そしてカップに赤茶を注いでくれた。


「どうぞ~」

『ありがとうございます』


私たちがタルフさんにお礼を言うとタルフさんはミラに話しかけている。


「ミラさんも~無事に終わったみたいですね~」

「うん、何とかねってなんでわかったの?」

「昨晩、アルセス様からお告げがね~。あれ~一昨日だったっけ~?」


 タルフさんのしゃべり方がとてもおっとりしている関係で時間の流れがゆっくりに感じる。そのまま話を聞いているとミラの用事も無事終わったようだった。それにしてもおっとりしすぎていてこの人大丈夫かなと少し心配にはなる。


「それで~、ほかに聞きたいことってあります~」

「あっ、それならなんで町から外れた場所に教会建っているの?」

「それはですね~、この教会のもう一つの役割の関係です~」

「もう一つの役割?」

「はい~、飲み終わったのなら実際に見てもらいたいので~、移動しながらお話ししますよ~」


 そういわれたので残っていた赤茶をすべて飲み干してから食堂から出た。その足で階段を上り上まで上っていく。最上階につくとそこには固定された双眼鏡が一つ置かれていた。


「これって観光名所とかにある双眼鏡?」

「そうだね」

「これはですね~。海を監視するためのものですよ~」

「海ということはこの前のスタンピードには気づけなかった?」

「残念なことにそうなんですよね~。これが反対にもついていれば気づけたのですが~。だから近々陸地のほうも見れるようにしようかな~と」

「でもスタンピードは結構早くに気づくことができていたって聞きましたけど」

「そうなんですか~。それなら海側だけでいいのかな~」


そんな会話をタルフさんと話していると、しずくが双眼鏡を覗いていたみたいで、高いテンションで声をかけてきた。


「くーねぇくーねぇ。あれ」

「しずく、どうかしたの?」

「海から東洋龍が・・・」

「「「はっ(きゅっ)?」」」


しずくの言葉に私とミラ、ラビィは驚いて一言しか発することしかできなかった。そしてその言葉を聞いたにも関わらずタルフさんは驚いた様子がない。


「大丈夫ですよ~。東洋龍はよくわかりませんが~、水龍ならよく姿現してますから~」

「ということは、水龍が出るのはいつものこと?」

「はい~、遠くにいる間は全然気にしなくていいんですよ~。ただ一定以上近づいてきたら気にしなくちゃいけませんけどね~」

「しずく、どうなの?」

「遠くで水平に泳いでる感じかな」

「そうでしょ~、そうでしょ~。水龍は温厚な性格なので~、刺激しなければ大丈夫ですよ~」


タルフさんは説明してくれた。話していると日も上りお昼になっている。


「皆さん~、お昼ってどうしますか~?なんでしたら~作りますよ~」

「それじゃ、お昼いただきます」

「それなら~、食堂で待っててください~」


私たちはお昼の誘いを受けたので相談の結果、お昼をいただくことにした。そして食堂で待っているように言われたが、私はお昼を作るのをてつだうことにした。



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