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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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戦いの終わり

今回短いです

 海に潜る前より一回り大きくなったクラーケンを目にしたグレンさんは即座に行動に移した。グレンさんは、クラーケンへ飛び込み刀に火を纏わせてから触腕を切り裂いく。

だが、切り裂かれた触腕は炭化することなく、再生を始めている。それを確認したカエデはグレンさんに対し苦言を呈した。


「ちょっと、グレン手加減してるんじゃないでしょうね」

「してねぇよ、純粋にこいつの火への耐性が強くなってんだよ」

「そうなんだ。それは厄介だね。更に熱量をあげるかそれとも別な手段を選ぶかだよね」


 グレンさんとカエデが二人で話している。その傍らでアキラさんは残った海賊たちに言葉を投げかけている。


「おいお前ら、死にたくなければ、あのクラーケンを倒すの手伝え」


その言葉を聞いた海賊たちは近くの者たちで相談をしているようだったが、その提案に一人が賛同すると続々と賛同するものが出てくる。その中で海賊の大将と思われる青年が声をあげた。


「お前ら、あのクラーケンはお嬢のペットだ。それに俺たちがクラーケンに手を出したらどうなるかわかっているのか」


 そう言われた海賊たちは顔を青くし、一度はしまったサーベルを再び抜き私たちに斬りかっかってくる。それを確認したアキラさんとミカゲさんが海賊たちを次々と拘束していった。拘束された海賊たちは次々と船内へと連行されていく。


 そして一番の問題となっているクラーケンだが、魔力視で見てみると身体の周囲に薄らと赤い光を放っていた。その光が少しづつエンペラに集まってきている。そしてエンペラが炎に包まれた。

炎に包まれたエンペラを見たエレンさんたちは、エルフの中でも水の魔法を使えるエルフたちがエンペラに向けて水の魔法を放つ。水が当たると蒸気をあげ炎が少し弱くなった。


「魔法隊。水で炎を消してください。木製の船に炎は危険すぎます」

「「わかったよ」」


 ラビィは私が出したセイントシールドを足場として、クラーケンに近づいていく。そしてエンペラへ向けて足に装着した風の刃で切りつけた。だが、切りつけたことによって炎に揺らぎが起きる。

その様子を見つつ、状況の整理に頭を回転させる。


(あの炎は多分魔力でできているだろうし。見た感じだと魔力量がとっても多いんだよね。そして、海賊たちからの協力も得られない。それにお嬢のペットって言ってたから多分あの悪魔の子に従順なんだろうな。でもそれならなんで、海賊たちを襲ったんだろう)


「おい、くるみ。ぼさっとしてるんじゃねぇ」

「あっ、グレンさんごめんなさい」


 私が考え事に没頭しているとグレンさんが襲いかかってくるゲソから守ってくれた。そして私に対し苦言を呈する。そんなグレンさんにさっき考えていたことを話すことにした。


「ミカゲ、近くにいるか?」

「ええ」

「さっきの話は聞いていたな」


 グレンさんがミカゲさんにそう聞くと頷く。それを見たグレンさんはあとのことをミカゲさんに任せ再度指揮を取るために前線に向かっていく。そして、グレンさんに任されたミカゲさんの質問に対し仮説を言ってくれる。


「さっきのくるみの質問に対する仮説だけど、あいつ海賊たちに対し仲間意識がないか怒りで我を忘れてるかかな」

「そういうことですか」


 ミカゲさんと話していると少しづつ考えがまとまってくる。その結果、いくつかの方法が頭に浮かんだ。でもそのためには圧倒的に手が足りない。そう考えていると船が大きく揺れることとなる。

船上に乗っているみんなが驚き周囲を確認すると、少し離れたところで戦っているしずくの方からいくつかの火の玉が飛んでくるのが見える。それを確認した私たちは船を守るチームを新たに作ることとなる。それによって手数は更に減りますます決め手に欠けることとなった。


「くるみ、何かいい案でもある?」

「ひとつあるとしたらこのクラーケンをしずくたちの方に飛ばしたら飛んできてる火の玉で焼けないかなって」

「あなたは、なんでそんな無理やりな方法を」

「でも現状それぐらいしか方法はないですよ」

「確かにそうね。イチかバチかでやってみるしかないか」


 声が聞こえてたのかミラとレイカの二人もこちらにやって来て私に案が浮かんだのかを聞いてきた。


「くるみ、何かいい案でも?」

「ちょっとね」


 私は前置きをしてからミラとレイカの二人にさっき考えた作戦を説明する。それを聞いたミラは面白そうに、レイカは口元を引きつらせながら口を開く。


「確かにできるようだったら何とかなるかも」

「で、でも失敗したら船が・・・」

「そう、だから一発勝負になる」


 話していると炎を纏った触腕が船体めがけ薙ぎ払われた。触腕が当たった船体が大きく揺れる。それと同時に船が少しづつ水中に飲み込れるように沈んでいくことになった。


「エレンさん船が」

「わかっています。船員に伝え海賊船に移るように指示してきます」

「お願いします。さてこっちはこのイカをどうにかしないと」

「そうだね、でもこのままだと海賊船に移っても意味がなくなる」


 私たちはこのあとの行動を相談した後、ミラとレイカの二人がクラーケンの下から竜巻を生成する。生成された竜巻はクラーケン諸共海水巻き上げていく。巻き上げられたクラーケンのエンペラのすぐ下あたりにソーラーウィップを巻きつける。そして一本背負いの要領で一気に投げ飛ばそうとしたのだがクラーケンが重くて投げ飛ばすことができそうになかった。

 そこにグレンさんがソーラウィップのムチ部分を持ち力任せに反対側へと振り抜いた。そしてグレンさんの手から布となどが焼ける匂いがあたりに立ち込める。


「グレンさん、大丈夫ですか」

「あぁ、皮膚が大分焼けたが大丈夫だ」

「ラビィ、グレンさんを回復してあげて」

「きゅっ」


 私がラビィを呼び寄せてからグレンさんの回復をしてもらうことにした。

 グレンさんの協力を得て何とかクラーケンを船の反対側へと投げ飛ばすことができた。投げ飛ばされたクラーケンはそこまで遠くに飛んでいくこともなく海面に落ちる。

そしてそれにしずくがチラっとこちらを見たような気がした。

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