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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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地獄の海戦

第4章がそろそろ終了です。

 船が出港して少しづつ速度を上げていく。最初は警戒のため全員甲板に出ていたがしばらくして各パーティごとに甲板で警戒、他のパーティが自由行動となった。


 そうのんびりと船旅を満喫していた翌日。私としずくが船首、ミラとラビィが船尾の様子を見に行っている。その間に私としずくの二人でなんともない会話をしていた。


「くーねぇ、船って初めてだけど結構気持ちいいね」

「そうだね。警戒を怠ることはできないけど、潮風も気持ちいいし」

「日本に戻ったら、船旅してみたいな」

「それいいかもね。どこいってみたい?」

「う~ん、沖縄とかかな」

「沖縄かぁ。日焼けしないようにしないと」


 そんな会話をしていると「カンカンカン」と警鐘が鳴り響いた。その音を聞いたミラとラビィが私の元に駆けつけくる。その間にも私は遠視を使って周囲を確認してみると東の方角から船が1隻近づいてくる。その船のマストを確認すると、ドクロマークが目に入ったのでしずくとミラに情報を共有する。


「しずく、ミラちゃん。東の方にドクロマストの船が1隻」

「多分それが今回のターゲット」

「おい、さっきの警鐘は何だ」

「グレンさん、エレンさん。東からドクロマストの船が来てます」

「よし、今回の相手だな」

「わかりました、遠距離部隊船へこうg・・・」


 エレンさんが攻撃開始を宣言しようとしたところで私たちの周囲は暗闇に閉ざされる。闇に閉ざされたのを確認し、私はしずくにナイトヴィジョンを使ってくれるようお願いした。


「くーねぇの夢の通りなんだね【ナイトヴィジョン】」

「そうだね、そしてそろそろ」


 私がそう言うとしずくがダークブレードを発動し私への攻撃を防いでくれる。そして闇が晴れる。


「やっぱり君だったか」

「何だ、あの時の雑魚どもか」

「あの時と一緒と思わないでね」


 ミラの予想通り私たちに襲いかかってきた羽を持った敵は、ゴブリンの巣で会った悪魔の少女だった。そしてここまでくるともうひとつの方も実現するはず。

そう思い悪魔の少女が仕掛けてきた方と反対側に目を向ける。すると丁度反対側から2本の白い触腕が伸びてくるところだった。それに気づいた私とミラ、ラビィは船を守るために行動する。

ミラは勢いよく振り下ろされる触腕に対しウィンドカッターを放つ、ウィンドカッターで半ばまで切られた触腕に対しソーラーウィップで切り落とす。もうひとつの触腕は一拍遅れて動き出したカエデとレイカの二人が切り落とした。その後、触腕を海へと沈め、ゲソで船を絡めとろうとしてくる。絡め取ってくるゲソをそれぞれが切り落としていく。その中でもカエデの使う土と風の薙刀が次々と切り落としていった。

 ゲソで絡め取ることもできないと判断したのか海面に全貌を現した。姿を現したのは25m近い大きさのイカの頭部が姿。巨大なイカは以前名前を聞いたところクラーケンという魔物はこれでも小さい部類らしい。クラーケンは再生速度も高く、既にそれぞれが切り落とした触腕も回復していた。

クラーケンの目の中央辺りに青色の魔力が収束しているのが見て取れた。それを確認したレイカが声をあげる。


「船を直ぐに出して。急いで!!」

「レイカ、二人で帆に風ぶつけよう」

「それしかないね、このままだと間に合わない」


 ミラとレイカが言葉を交わすと帆の後ろへと移動していく。そして帆に向けて突風を発生させる魔法を使用した。魔力によって作り出した突風が帆に当たると船がグンっと速度をあげる。急な動き出しに対応ができなかった私はバランスを崩し膝をついてしまった。

 そして船体の半分ほど前進たところで今までいたところに水のレーザーが通り過ぎた。そして少し間が空き触椀を横振り払ってくる。その触腕をグレンさんの持つ炎を纏う刀で切り落としていた。グレンさんはそのまま本体に切りかかろうとしたが残った触腕に飛ばされてしまう。

 吹き飛ばされたグレンさんの背後に風の魔力が集まり風のクッションを作り出し船外へ飛ばされるのを防いでいた。


「おい、グレン。油断してたんじゃないか」

「アキラか助かった。油断してたつもりなはないんだがな」


 そうしていると海賊船の接近が果たされてしまい、海賊が乗り込んでくる。その中でも厄介なのが海賊のほとんどが魔法を使うことができていることで、近づかれる前に海賊船を落とすことができなかったようだ。そのまま乗り込んできた海賊へミカゲとエレンさんたちのパーティで対応している。


そしてこっちは私と、カエデ、ラビィ、グレンでクラーケンを対応している。アキラさんは様子を見つつ要所要所でフォローに回れるように立ち回っている。それにしてもこのサイズの魔物は戦ったことがないので対処がしづらい。そんな中グレンさんとカエデは役割分担をしつつ魔法で攻撃をしている。私のそれに習うことで周囲をラビィに守ってもらい、ソーラーウィップでクラーケンの表皮を焼いていくことにした。

 ラビィは、戦闘開始と同時に足に土でできた棒を精製し、ミラがその棒を覆うように風の刃をつけていた。その刃で船上を走り回りつつゲソを断ち切っていく。触腕はグレンさんが優先的に落としてくれているので何とか戦況は拮抗していると言えた。

拮抗した戦況に崩れが出るのはどちらかが変化をもたらしたとき。そして今回変化が起きたのはクラーケンだった。クラーケンは自身の周りにシャボン玉のようなものを創りだす。そのシャボン玉がふわふわとこちらに近づいてきた。近づいてくるシャボン玉にカエデの放った石弾が当たったところで爆発した。

 海上で爆発した後しばらくすると水柱が船の近くで上がる。船の近くで水柱が上がったことによって船体が激しく揺れた。そのあとも立て続けに船体の左右で水柱が上がっていく。それでも現状船にはダメージが入っていないのでそこまで大事にはなっていない。


「カエデちゃん、水球はこっちで対処するよ」

「くるみさん、すみませんお願いします」

「【ライトショットガン】」


 私は楓に一声掛けてから光の散弾を撒き散らす。撒き散らされた散弾がシャボン玉にあたり次々と爆発していく。そして定期的に海中へも打ち込むと水柱が多数出来上がった。

(このままだときついな)

着実に魔力が消費していく中、戦闘の長期化が見えてくる。そこへ札付きの苦無がクラーケンへと飛んでいく。クラーケンは飛んできた苦無を視認はしたが気づくのが遅れたことによって触腕で弾くことができず、触腕に突き刺さった。そのまま苦無もろとも爆発に巻き込んだ。巻き込まれたゲソは黒くこげており、再生することはなさそうだ。


「ミカゲか助かった。高火力で焼いたら再生の阻害はできるのか。それならやることは簡単だな」

「うん、海賊はアキラに任せた」

「なるほどな」


グレンさんはそれだけ言うと刀の近くから陽炎が出るぐらいまで温度が上昇し、炎が吹き上がる。クラーケンはその熱量に危険を感じたのか炭化した方の触腕を振り下ろす。降りてくる触腕を見たグレンさんはニヤリと獰猛な笑を見せて炭化した触腕の半ばから切り裂いた。切り口は切り裂いたと同時に炭化し再生を阻害させる。

一方クラーケンはグレンさんへ水のレーザを放つ。グレンさんはレーザーに対し高温の刀を振り抜いた。振り抜くと辺りに水蒸気が充満する。それを察知したミラとレイカが風で水蒸気を飛ばしてくれた。

水蒸気がなくなるとクラーケンの姿は消えていた。

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