VSアキラ_2
「なぁ、くるみよ。お前はどうも自分を過小評価している節があるな」
「どういうことですか」
「簡単な話さ。確かにくるみは体を動かすのは苦手なんだろう。今まで動きを見てもそこまできれた動きはできていないからな」
「えぇ、アキラさんの言うとおり、運動は苦手です」
「まぁ、そうだろうな。で、だ。話はここからになる。確かにくるみの運動能力はお前たちのチームで最悪だろう。だがな、だからと言って諦めるとそこで、成長が止まるだろう。実際俺たちのチームでもレイカとカエデは運動能力は低い。だが色々と試行錯誤して俺たちについてきている」
「でも、それは元からそれなりに運動神経がよかったりしたかr・・・」
「だから、それがいけないんだ。確かに見た限りではカエデとレイカの方がまだマシに動けるだろう。だがな、魔法の素質だけで言えばくるみの方が高い。それに普段の移動はまだしも戦闘時はもっと移動しているんだろう」
アキラさんが私に対し説教してくる。それを聞いて私は納得するも運動神経関係なく移動するために使っている木魔法を使うことができないので黙っていると、アキラさんは更に話を進めていく。
「カエデとレイカはそんな中で試行錯誤をしつつ俺たちに必死でついてきているんだ。まぁ本人たちに言っても否定されるだろうがな」
アキラさんはそう言って苦笑した。その話を聞いた私は今まで以上に頑張らなくてはいけないと考えを改める。でも急ごしらえで新しい魔法を使えるようにならない。仕方なく今までの魔法で対抗しようとすると、アキラさんが首を振って声をあげる。
「確かに今まで使ってきた魔法は安牌だ。だがな、それだけでどうしようもできないのが現状だろ。それにこういうタイミングではチャレンジすることもできる。だがな本番ではそんなこともできない。この場をうまく使えるかどうかはお前次第だ。特に俺を倒すつもりじゃないと止めることはできないぞ」
アキラさんがそう言うやいなや私の懐へ飛び込んでくる。そのまま峰打ちで私の脇腹を打ち付ける。その後、再び肩に打ち込もうとしたところでグレンさんが刀を止めてくれた。
「そこまでだ」
「グレン邪魔だ。くるみの自分に対する評価を叩き直さないといけねぇんだ」
「とは言え既に致命傷判定の攻撃を既に当てている」
「グレンさん、ありがとうございます。でもできる範囲でやってみたいです」
「わかった。だが、模擬戦としてはアキラの勝ち。そしてここからは俺も見守らせてもらう」
「あぁ」
「わかりました」
グレンからも了承を得たのでアキラさんに言われたとおり物は試しとして考えることにした。模擬戦も終了したということもあってアキラさんは静かに見守ってくれている。そのまま数分が経過した。それによって木などがないところでも木魔法が使えるようになる必要がある。
「それじゃ試してみよう」
「あぁ、気にせずにやってみてくれ」
私は地面に魔力を流し更に同量の魔力で空気中の光を私の周囲に集めるようにした。そうすると地面から芽ができて瞬く間に森が出来上がる。それを見たあきらさんは満足したように話しかけてきた。
「ほう、やっぱりやれば出来るじゃねぇか。いい感じに盛り上がってきたな」
「はぁはぁ、ありがとうございます」
「はっ、お礼はあとでいい」
そう言うとアキラさんは私との距離を最初の位置まで開けてくれる。そのまま刀を一度鞘へ収め仕切り直しの様相となった。開始当初と違うところではお互いに魔力と体力が現象しているところだろう。
「さぁ、どこからもくるがいい」
「余裕ないので、一気に行きます」
それだけアキラさんに伝えると、周囲の木の枝を腕に巻きつける。腕に巻きつけた枝で遠心力を付け一気に投げ飛ばす。そしてアキラさんの頭上からショットガンを打ち込む。そのショットガンを前に飛ぶことでアキラさんは躱した。それを振り向きながら確認した私は、正面にある木の枝を再度巻きつけ宙ぶらりんの状態となる。
「なるほど、それがくるみの本来の戦い方ということか」
「まぁ、そうですね。森とかじゃないと使えないんですけど」
「だが、魔力次第でできる様になったな」
「教えられたのは不服ですが、ありがとうございます」
私はアキラさんにお礼を言ってから戦闘が再開される。私は木の枝伝いに移動している。
(こういう風に移動していると猿みたいだな)
とどうでもいいことを考えながらランダムに飛んで移動する。アキラさんはウィンドカッターや刀で私の通ったあとの枝を次々と切っていく。
それに対し私はライトショットがンをいたる方向から打ち込んでいく。
一方アキラさんは多方向から来る弾を剣と風の膜によって打ち消していく。
「もう魔力もそろそろ尽きそうだから最後にでかいのやるしかないか」
「おっ、何かやる気だな」
アキラさんは私が何かをやろうとしているのに気づいたのか攻撃をやめ様子を見てくれている。それに対し私は木の枝を1本折り、それを媒体として木の魔力と光の魔力を同量注ぎ地面に向けて投げる。地面に木の枝が刺さると同時に光の柱が雲を割った。
私が作り出した森の中央には魔力だけで作り出した森の木の倍近い木が出来上がっていた。出来上がった木を正面にしてアキラさんが立っている。それを確認して予想以上の大きさになった木に巻き込まれなくてよかったと安心しそのまま意識を失った。
私が気を失う直前に周囲の木が光となって消えていったのが目に入った。
----------しずく視点-----------
ぼくは光となって消えた森の中からアキラさんがくーねぇを背負って出てくるのを目に止め急いでかけよる。
「アキラさん、くーねぇは大丈夫なの」
「あぁ、心配するな。魔力を使いすぎて気を失っただけだ」
アキラさんはそう伝えてくれてからぼくにくーねぇを預けてくれた。ぼくはくーねぇをお姫様だっこで訓練場の脇に移動して膝の上に頭を乗せてあげた。
くーねぇの呼吸が落ち着いているのでほっとしたながら規則的に上下する胸を見たあとにくーねぇの寝顔を見ていた。
その後、渋い顔をしてグレンさんが率直な意見を言ってくる。
「しずく、後でくるみに言っておいて欲しいんだがくるみとしずく二人とも無茶しすぎだ」
「うっ、その自覚はあるけどそうしないと勝てそうになかったし」
「確かに勝ちに執着するのはいい。だがなそのあとに行動できなくなろほど魔力や体力を使うのは控えてくれ。相手を撤退もしくは倒すことができればいいが、できなかったときは足でまといが増える」
「はい」
ぼくは大人しくグレンさんの指摘に素直に返事する。その時、膝の上にいるくーねぇが目を覚ました。くーねぇにさっきのグレンさんからの指摘内容を伝えるとくーねぇも自覚があったのか、乾いた笑みを浮かべてから了承の返事を返した。
「さて、くるみも起きたことだし。お前たちの実力を言ってやる。まずはくるみだがそうだな、平地ならCランク入りたて、森の中だとBランクに足をかけてる感じだ」
「次は私たち、ミラはCランク半ばでラビィちゃんは色々と補っていはいるけどDランクの上位ってところかな」
「最後にしずくだけどBランクの上位ってところかな」
私たちはそれぞれ相手をしてくれた人から評価を聴き、素直に頷くことになった。
グレンたちのパーティの実力は総合でBランク中位。各人の実力はこんな感じです。
グレン→Aランク下位
ミカゲ→Bランク上位(ほぼAランク)
アキラ→Bランク中位
カエデ、レイカ→Cランク上位




