VSミカゲ_2
あけましておめでとうございます。
今年も昨年同様ゆっくりと更新しますのでお付き合いお願いします。
----------しずく視点-----------
ぼくは手に持った闇剣を振るう。ミカゲさんはぼくの振るった闇剣に合わせるように手甲で受け止めた。ミカゲさんは闇剣を受け止めたあと、ヤクザキックをしてくる。
「うぉ」
ぼくは慌てて後ろに飛び、ミカゲさんの蹴りを躱す。地面に着地したところで自分の影から弾が飛んできた。ぼくはその弾丸を闇剣で打ち落とす。その間にミカゲさんが空に向け何かを投げたのが目に入った。影から弾丸がでなくなったところで、後ろから殴りかかってくるミカゲさんの拳を闇剣で迎え討った。何回か拳と剣を交えたところで、ミカゲさんは一度後ろに大きく跳んでいく。
ぼくはミカゲさんと距離をあけたくない。
ミカゲさんの後を追うために前へ突っ込むことにした。その時、空からなにかが降ってくる。
降ってきたのを直感を頼りに身をひねることをによって躱すことができた。
「カンッ」という音がした方を横目に確認してみると、ぼくの影の上に苦無が1本刺さっていた。
(これ当たっているとケガじゃ済まないよね)
そう思考が一瞬それたあと身体が急に動かなくなる。
「えっ?」
「しずくさん、これで終わりですよ。その状態だと影渡りもできませんし」
「そんな」
「気になるなら試しにやってみてもいいですけど」
ミカゲさんが説明しながら歩いて近いづいてくる。ぼくはミカゲさんの言葉を信じず、シャドウウォークを発動しようとした。だが自信の影に違和感があったので即座にやめる。
ミカゲさんがぼくの目の前まで近づいてきていた。ミカゲさんは薄く笑みを浮かべながら攻撃の体制に入った。それを見たぼくは移動中に何度も使った基本中の基本技術である【魔力変換】を使い、大量の水を作り出す。作り出した大量の水によって足元が泥濘む。苦無の刺さりが甘くなり苦無が傾いた。傾いたことによってゆっくりとだが腕が動くようになった。そのまま足元に刺さっている苦無を刀で弾き飛ばすことに成功した。ミカゲさんは魔力変換を使ったタイミングで後ろに飛んでいた。ミカゲさんはぼくの影に刺さった苦無を自力で抜いたのを見て驚きの表情とともに、安全と判断したのか、一気に距離を詰めてくる。ぼくは詰めてくるミカゲさんの脇腹めがけ刀ベースの闇剣を振るう。ミカゲさんは闇剣に蹴りを当てることによってダークブレードを破壊した。闇剣によって蹴り威力が減衰したためか刀に対したダメージはなさそうだった。
「この刀じゃ、下手したら折れるな」
「残念、今のでその1本は折るつもりだったんだけど」
「それはやめてほしいな、最近武器の消費激しいし」
「それは単純にしずくさんの技量の問題なのでは?」
「そうは思いたくないけどな。これでも刀はそれなりに振ってきてるんだし」
「もし、そうだとしても刀がすぐ折れるのが技量が足りない証拠ですよ。そもそも、刀というのは力を変に込めると剣などと違いすぐに折れてしまう武器です。そんな武器を長期間使い続けるためにはそれ相応の技量が必要になってくるというもの。後でグレンに見てもらうといいでしょう。おそらくですが、アドバイスしてくれると思います」
「ありがとう、ミカゲさん。模擬戦に勝ったら聞いてみるよ」
「そう簡単には負けるつもりはないですよ。それに負けたときも聞くようにしてくださいね」
ミカゲさんからぼくの技量について指摘を受けている間に考えをまとめる。結局、普通の刀はしまうことにした。そしてダークブレードを普通の刀サイズまで圧縮させた積水を正眼に構える。
「ふ~」
「やっと本気ということですか」
「・・・・」
ぼくは、無言を肯定としミカゲさんへ駆ける。そのまま闇剣を一息に振り下ろす。ミカゲさんは振り下ろされた闇剣を手甲で防ぐために腕をクロスさせる。だけどそれを気にしないかのように闇剣は手甲だけを切り裂いた。ミカゲさんは闇剣が手甲に当たる直前に手甲を捨てることで難を逃れたようだ。
「さすがですねしずくさん、最後に先輩からひとつだけアドバイスです」
「何?」
「冒険者たるもの奥の手の一つは持っておくといいですよ」
「それはどうい・・・・!?」
ぼくの言葉を紡ぎ終わる前にぼくの周囲に異変が起きる。ぼくの周囲が闇に閉ざされてしまった。そのまま闇はゆっくりと中心部に向けて圧縮されてくる。圧縮してくる闇に触れるもぼくを圧殺を狙っているのか外に出ることはできないさそうだ。水の幕を張っても透過してしまう。
「奥の手か・・・・やっぱり一人であれやるしかないかな」
ぼくは圧縮されている闇の壁に意識を集中させ正確な距離を計る。そして、距離が充分にあることを確認してから闇の中心で闇剣を作る要領で水の剣を作り上げた。ミールとカールに聞いたことを思い出す。
(魔法を合わせるには相性のいい属性同士を同じ魔力量で出して合わせる。強すぎても弱すぎてもダメ。だったよね)
ぼくはさっき作りあげた水の剣といつも使っている闇の剣を重ね合わせていく。剣を作る媒体としては積水を使う。急ごしらえで作った水剣と普段から作っている闇剣で魔力量が違うのかバチバチと火花を発する。なので、火花が収まるように両方の出力を調整していく。それだけでかなりの魔力を消費してしまっている。
(杖としての役割のある積水じゃないとやばかったかな)
そう考えつつ属性の融合は完成した。パッと見は闇剣と同じく黒い刀。だけどよく見ると、水のように剣の表面に揺らぎが見て取れる。作りあげた闇と水複合の剣を迫ってくる闇に向けて振るった。
複合剣は迫ってくる闇をたやすく切り裂き、剣を振るった方向に数滴の水滴を飛ばした。飛んだ水は地面に触れると「ジュッ」という音を出し、地面をとかしている。ミカゲさんはその光景を闇のドームから離れた位置から観察しており当たることはなかった。
「ミカゲさん、さっき宣言したとおりぼくが勝たせてもらうよ」
「残念だけどそれは、できない」
気づくとミカゲさんは普段のように口数が少なくなっている。ぼくはそんなミカゲさんを気にしつつもミカゲさんへ向け駆けようとしたところで、ガクッと足の力が抜けた。
「えっ!?」
「これで模擬戦は終了」
静かに歩いてきたミカゲさんはぼくの首元に苦無を当てて模擬戦の終わりを告げてきたのだった。
「負けました」
「うん、変に悪あがきしないで賢いね」
首に苦無を突きつけられたぼくは大人しく負けを認めることしかできなかった。ぼくが負けを認めたのを確認したミカゲさんは、明らかにほっとしたような顔をぼくの横に腰を下ろした。ミカゲさんに話を聞いてみると最後のあの魔法でミカゲさんも魔力がほぼ底を尽きており、ギリギリで歩くことができる程度だったらしい。ぼくにそれを悟らせないようにするためにも、布で表情を隠し虚勢を張ることにしたようだ。魔力がほぼ底を尽きていたことによってミカゲさんもここでリタイアとなった。
ぼくは何とかくーねぇたちにミカゲさんの手が行くことを防ぐことができたようで少しほっとした。
ぼくとミカゲさんは訓練スペースの端により他の戦いを見てみると訓練場内に森林と土のドームが出来上がっていることに今気づいたのだった。




