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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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ワサトで再開

 朝食を終えた私たちは宿屋を出てギルドへ移動した。ギルドではいつもどおりの常設クエストのみ受けてからメブスタを出発する。ワサトへの道中は何もなくメブスタで受けた常設クエストの対象の魔物のみを討伐し、夕方頃にワサトに到着した。


「無事、ワサトについたね」

「そうだね、海が近いってこともあって潮の香りがするね」

「くるみ、しずく。そういうのはあと、クエストの報告してからゆっくりしよ」

「そうだった、マルクスさんからの依頼もあるんだったね」


 私たちは、ワサトのギルドに向かい移動を開始することにした。ギルドに到着すると私たちと同じようにクエストの報告待ちをしているパーティが多数いたので、ギルドの内に設置されている食堂で空くのを待つことにした。空くまで待っているのは、私たちの用事がすぐに終わらないことをわかっているからの行動でもある。


 そのまま待っていると人が少しづついなくなり、受付の一つが完全に空いたのを見計らい、受付へ移動することにした。


「こんばんは、カストルからの使いで来ました」

「こんばんは、お待ちしてました。では手紙の封蝋を確認させていただきます」


 受付で対応してくれたのは若い女性のギルド員だった。私はギルド員に手紙を2通取り出し渡す。1通はプロプスやメブスタで渡した周知事項の手紙。もう1通が海賊討伐にたいする手紙だ。それぞれ色が異なった封蝋がされており、赤色の封蝋を他のギルド員に渡していた。そしてもう1通の青色の封蝋を切り手紙の内容を確認している。


「こちらの依頼の内容確認しました。依頼通りCランク以上の冒険者を募集しておきます」

「くるみさ~ん!!」


 受付との話がある程度終わると私の首に衝撃が走った。後ろを振り向こうにも首にダメージがありうまく動かすことができない。すると首に飛びついた人が離れる感覚があったので身体の向きごと変えることにした。

首に飛びついた相手を確認してみるとクルートで出会ったカエデちゃんがミカゲさんに襟を掴まれてぶら下がっている状態だった。


「くるみ大丈夫?」

「はい、大丈夫です。それとミカゲさん久しぶりです」

「ん、くるみたちも久しぶり」


 ミカゲさんは相変わらず口数が少なく挨拶してくれた。ミカゲさんの後ろにはグレンさん達のパーティが揃っていた。その後、グレンさんたちは私たちの対応をしていた受付嬢に詳しく話を聞くといい受付嬢を呼び止めている。その間に私たちは2階の食堂で夕飯をたべることにした。


「それにしてもここで会うのも珍しいね。まだクルートで依頼してるのかと思ったよ」

「う~ん、それでも良かったんだけどね。しずくが刀使ってるから私たちの知り合いに取次しておこうと思ってね。それと里帰りも兼ねて」


 レイカがそう説明してくれた。里帰りするにしても現在キャンサー共和国への渡航が禁止となっているため、ここで足止めを食っていたようだ。私たちが和気あいあいと話しているとグレンさんが戻ってきた。そしてひとつの依頼書を見せてきた。


「この依頼を受けようと思う。なんでも報酬の中にキャンサー共和国への入国がある」

「うそ!?」

「前見たときはそんな依頼なかったはず」


 グレンさんのパーティメンバーが驚いている中、依頼書を見せてもらうとさっき私たちが持ってきた手紙に書かれていた海賊の討伐依頼の依頼書だった。それを見てしずくは嬉しそうな顔をしており、それを見たカエデちゃんが何かに気づいたようで問いかけてきた。


「もしかして、この依頼ってしずくさんたちが持ってきた依頼?」

「そうだよ、カストルでキャンサーへの渡航を仲介してもらう条件にこの海賊討伐を提案されたんだ」

「依頼の必須受注ランクはCランクだぞ」

「私たちはDランクだけどそのその助けとしてCランク以上っていう条件みたい」

「ということはお前たちの護衛も半分含まれているということか」


 グレンさんの最後のパーティメンバーであるアキラさんがやれやれといった顔で伝えてきた。その反応にしずくがむすっとした顔をしアキラさんに食ってかかる。


「以前の私たちじゃないよ。猛特訓したんだから」

「はっ、分かれてから半月もたってないのにそんなに変わるわけないだろ」

「おい、アキラやめないか」


 しずくとアキラさんの言い合いを止めようとグレンさんが仲介に入るが、他のメンバーが止めに入っていない。その様子に不思議に思っていると、ミカゲさんが話に入ってくる。


「そこまで言うなら、実力確認したい」

「おいおい、ミカゲまで」

「まぁ、護衛対象の実力を知っておかないといけないのも確かだよね」


 アキラさんの発言にミカゲさんとカエデが賛同の意を示した。それに対し、私とミラは苦笑を浮かべ、ラビィはやれやれとでも言うように腕を広げて首を振っていた。もうここまで来たらグレンさんたちにいまの私たちの実力を確認してもらう必要が出てきそうだった。


「それじゃ、明日ギルドの修練所を使わせてもらって実力を確認するか」


 もともと乗り気じゃなかったグレンさんが諦めたようにそう宣言した。参加メンバーは私たち全員、グレンさんチームは人数合わせのためアキラさん、ミカゲさん、レイカ、カエデちゃんとなった。試合開始時間は明日の昼前にして、昼食を食べながらそれぞれのパーティで反省会という流れになった。


「悪かったな、こんなことに巻き込んじまって」

「いえ、ちょうど良かったです。胸を借りるつもりで明日はやらせてもらいます」

「あぁ、ただし全力でやれよ。じゃないと実力を計る意味が達成できないからな」

「もちろん、それはわかってるよ」


 実際、私たちが今どこまで対抗できるかというのを知りたい気持ちはある。ポルックスではグレンさんたちと同じBランク冒険者と模擬戦していたが、あの時は私たちの実力を知るために手を抜いていたように見えた。それにグレンさんたちはBランクでも上の方のパーティだ。そんなパーティ相手にどこまで対抗出来るかというのも知りたいところだ。それにカストルではAランク上位だったというマルクスさんに完敗だった。そういったこともあり、私たちの実力を計る丁度良い機会と捉えることにした。


「ま、明日のことは明日考えるとして、今日は再会できた祝いということで一緒に飯でもくおうや」

「そうですね、こうして会えるのも何かの縁ですし」


 グレンさんが気持ちを切り替え、夕飯に誘ってくれたので私たちは素直にその誘いに乗ることにした。夕飯が始まるやいなやグレンさんとアキラさんは泡麦茶、ミカゲさんは柑橘系のカクテルを頼んでいた。他のメンバーはソフトドリンクを適当に頼んでいる。飲み物を頼む際にしずくが甘いカクテルを欲しがっていたが、断固として頼まないように説得した。


 グレンさんたちと夕飯を食べ終わったあと、宿屋の部屋で明日の模擬戦の相談をはじめる。今回グレンさんのパーティから模擬戦に参加するのは、甲冑を着たアキラさん、斥候のミカゲさん、ミニスカ陰陽服を着た魔術師のカエデちゃん、巫女服弓術士のレイカの4人。対する私たちはフルメンバーでの模擬戦となる。明日になってみないとわからないが現状では、私たちはそれぞれサポートに回ることはほぼできず、それぞれ一人を抑えることが出来るかどうかだろうということだけだった。

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