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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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今度こそメブスタへ出発

ミルキーさんのところに泊まった翌日。しずくと一緒に台所に行くと既にミルキーさんが朝食を作り始めていた。私はミルキーさんのところに駆け寄り手伝えることがないかきく。


「ミルキーさん、おはようございます。手伝いますよ」

「くるみちゃん、しずくちゃんおはよう。こっちはもう終わるからアレクを起こしてくれるかい」

「わかりました」


 私はミルキーさんに手伝うと言ったがもう終わるとのことだったので、アレク君を起こしてくるように頼まれた。私はミルキーさんからのお願いに従い、アレク君の部屋へ移動する。アレク君の部屋に入ることにした。

コンコンと部屋の扉をノックしたが特に反応がなかった。

(まだ寝てるのかな)

 そう思い扉を開けていみるとベッドの上に眠るアレクくんとそんなアレクくんに抱きつかれて動けないでいるミラがいた。


「くるみ、助けて」

「ミラ、あんまり動かないでね。アレク君が起きちゃうから」

「えっ、アレクを起こしに来たんじゃぁ」


 私がそう言うとミラが絶望したような顔をしていたので、少しかわいそうになったので助けてあげることにした。


「アレク君朝だよ。早く起きないとしずくに朝ごはん全部食べられるよ」

「う~ん、もうちょっと」

「くるみ~」


 アレク君の体を揺すってあげても一向に起きてくる気がしない。なので私はひとつの手段をとることにした。その為に一度廊下へ出てしずくを呼ぶ。


「しずく、例のものを。後、ミラには耳栓つけてあげて」

「ラジャ」


 私がそう言うと影からぱっぱと出していく。そして自分とミラの耳に耳栓を付けた。ミラは意味が分かっていないようできょとんとしている。私はそんなミラを気にせずにフライパンとお玉を打ち鳴らした。


 その音に台所にいたミルキーさんも顔を出してきた。30秒ほど打ち鳴らすとアレクくんも起きたようで顔を顰めていた。私が打ち鳴らし終わったのを確認した後、しずくとミラは耳栓を外す。一方私は、ミルキーさんに説明をした。


「しずく、あれなんだったの?」

「くーねぇの寝坊助への秘技。フライパン打ち鳴らし。ぼくも何度か食らってるから効き目はよくわかってるよ。それに優しく起こしている時に起きない方が悪い」

「それって起きれていない時の自分にも言ってるよね」

「もち。アレされた時の寝起きは最悪」

「あぁ、アレク君見ればそれはわかるよ」


 アレク君も何とか起きたようで着替えようと服に手をかけた。それを見た私達は部屋を出る。ミラは私たちの使っていた部屋で着替えたあと居間に集合する。そこには既にケインさんも起きてきており挨拶をしてくれた。



『一晩お世話になりました』

「いいや、なんもお構いもできないで」

「今回は無理言って泊めさせてもらったので仕方ないですよ」

「それじゃ、またプロプス来た時に寄らせてもらいます」

「いつでもいらっしゃい」


 私たちは、ミルキーさんたちに挨拶をしてからギルドへ向かった。ギルドに到着すると昨日より時間が遅いということもあり人も少なめだった。ギルドの掲示板を見ていると周囲の弱い魔物の常設がメインだったのでいつもどおりそれを受けることにした。他は森の奥に進んだりして時間が掛かりそうなクエストだったので受けることができなかった。


「あぁ、いつもどおりだね」

「まぁ仕方ないね」

「それじゃ、これからメブスタに向かうので」

「はい、メイルさんへは伝えておきます。予定より遅れてるので寄り道はしないようにしてください」

「わかりました」


私たちはクエストの受注処理をしてくれたシイルさんに挨拶をしてからプロプスをあとにした。


 街をでて街道を歩いていると本当になにもなかった。私たちは、森の中に入り必要数の魔物を狩ってからメブスタを目指し移動している。最初に魔物を飼ったこともあってメブスタまで3割進んだところでお昼となったので開けた場所を探すことにした。


「しずく、調べてこれる?」

「いいよ」


しずくはそう言ってするすると木を登っていく。そのまま少し待っていると時間がかからずに降りてきた。


「ない」

「そっか、ならここで適当に火を使わない形で食べるしかないか」


 しずくの率直な答えを聞き、お昼は保存食のものを食べることになった。まぁそれだけだと味気ないので、水に醤油を入れてそこに野菜を入れることで冷静スープを作ったりはしたけど。


「やっぱり保存食だと味気ないね」

「そうだね」

「くるみの作ったのを温かいうちにしずくに格納してもらえば」

『それだ!!』


 ミラの発言に、なんで今まで気づかなったんだろうという簡単なものだった。たしかに普段から作り置きしておいてこういう時に出せば、いつでも温かい食べ物を食べることができる。それに冷めても美味しいものにしておけば何日かにわたっても大丈夫だろうし。


「よし、今度日持ちする料理作っておくか」

「おねがい。乾パンとかあんまり美味しくないから長く続いて欲しくないし」


ミラの機転もあり今後の料理の方針が決まった。

 昼食後はまっすぐメブスタへと向かい移動する。その道中で行商人を追い抜いたりたりしたがこれといってトラブルが起きることもなく、夕方前にメブスタに到着したのだった。


「メブスタ到着。ここで報告したら、次はワサトだよね」

「そうだよ。その前にギルドで報告しようね」

「うん」


 私たちは、メブスタへ到着したあとその足でギルドへ向け歩き始めた。ギルドの場所は他の街と同じように街の中央にあるようで、わかりやすくて助かっている。

 ギルドの扉を開けるとプロプスより飲んだくれていている冒険者が多くいた。そんな冒険者を気にせずに受付へと行く。


「こんにちは、マルクスさんの使いできました」

「おや、いいタイミングできてくれたね」

「えっ?なんか嫌な予感がするんですけど」

「いや、気にしないでいいよ。それで使いっていうのは手紙かい」

「はい、こちらです」


 私はあらかじめしずくから受け取っていた手紙を恰幅のいいおばちゃんに渡した。おばちゃんは封蝋を確認すると、封を切り始めてしまった。


「ちょ、それギルドの支部長さんに見せるんじゃないの?」

「ん?あぁ、そういえば自己紹介忘れてたね。私はここメブスタのギルドの支部長しているシリルだ。よろしくね」

「えぇ、支部長がなんで受付に」

「それはあそこに居座っているのんだくれの監視っていうのもあるけど腕のある若者は自分の目で見たくてね」


 メルさんは私に説明してくれた。その説明を聞き半分納得し半分納得がいかなかった。なので私は飲んだくれ達に聞こえないように声量を抑えメルさんに聞いてみることにした。


「なんで監視なんて」

「あそこの奴ら、時たま問題を起こすからね。何か起こさないか心配なんだよ」

「そういうことでしたか」


 私はシリルさんにしか聞こえないように返事をした。その後は宿屋を聞いたあと、ギルドをあとにしたのだった。

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