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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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熊鍋

寒い日が多くなってきましたが風邪には気をつけましょう。

鍋が恋しい季節の始まりだ。

 しずくに熊肉を少しと熊の手を一つ出してもらい今日の夕飯の調理開始です。しずくはアレク君と遊んでてもらうことにした。


「それじゃ先生お願いします」

「はいよ。熊肉だけじゃなくて熊の手もあるのかい。これは豪勢になりそうだね。でも熊の手は本来5日間ほどかけて臭みを取るから今回は奥の手で行くよ」

「私も手伝う」


 今日は街の中で夕飯を作るということで、ミラも手伝ってくれることになった。ミラには熊肉を柔らかくするために包丁の背で熊肉を叩いてもらう。ミラが下ごしらえをしている間に私はミルキーさんから熊の手の臭い取りの方法を教えてもらうことにした。


「さっきも言ったように熊の手は獣の匂いがさらに強い。その関係で本来はお酢などに付けて長期間にわたり臭みを取る必要があるんだよ。でも、今回みたいなことが絶対ないわけではないから一応方法はあるんだよ」

「ということは今回はその方法も教えてくれるんですね」

「あぁ、教えるよ。特にくるみちゃんたちは冒険者なんだから、私たちより使う機会は多いだろうからね」


 ミルキーさんはそう言って順をおって説明してくれる。まず最初にやることは、ほかの熊肉と同じように包丁の背で熊肉を叩き、はちみつを塗りこむようだ。私はその支持に従い実施する。その後は、比較的香りの強い香草二つと水を鍋に入れ、熊の手を入れて煮詰めていった。その際に出てきた灰汁は丁寧にお玉で取り除く。そうすることで、香草の匂いが熊の手に染み込みくさみが多少緩和される。その後は、煮詰めるのに使った香草を細かく切り熊の手に塗りこむ。そのまま少し時間を置くと匂いが気にならない程度に取れるようだ。

 私はミルキーさんから説明を受けつつ準備を進めていき、無事熊の手の下ごしらえが完了した。熊肉の下ごしらえ完了した後は、普段通りの鍋作りになる。今回のメインとなる具材が熊肉だから少し香草類を多めにする。その上で香草の匂いが邪魔をしないように注意しなければならない。そういうこともあり、熊の手を似た際に使った水をそのまま利用する。その熊肉を似たことによる出汁と秘伝の醤油を使って味を整えていく。

 ミルキーさんは、醤油を初めて見たのか訝しげな顔をしているが気にしない。味がある程度整ったところで、野菜を入れてしんなりしてきたところでミラが準備した熊肉に火を通す。そして最後に火が通り終わった熊の手を入れて熊鍋の完成である。

完成した熊鍋をミルキーさんの案内のもと運び終えるとしずくがアレクくんがちゃんばらで遊んでいた。その光景を見て何やってるのか聞きたかったが夕飯を食べながらでいいだろう。


「今日の夕飯できたよ」

「「はーい」」

「香草の匂いがきついということ言うことは熊の手を使ったか」


 私が声をかけるとしずくとアレク君が返事し、ケインさんが的確な答えを返してきた。やっぱり香草の匂いが強いか。そう思いつつも夕飯が始まった。


「熊の肉なんて初めて食べたけど香草の匂いが少し強くてなんとも言えない感じ」

「しずく、ごめんね。熊肉自体は新鮮だったんだけど調理の方が本来時間がかっかるのを急ごしらえでやったから」

「くーねぇ、大丈夫だよ。ちゃんと美味しいから」

「ありがとうお世辞でも嬉しいよ。でも次の機会のために下ごしらえした状態で持ち歩こうかな」

「その時は言ってねあらかじめ出しておくから」

「よろしくね」


 そんな会話をしずくとしながら食事を勧めていたが、ミルキーさんとしては十分合格点だったようだ。やっぱり急ごしらえだったのがダメだっただけで、ほかの味付けとかは問題ないという認識だったのだろう。


「それで、しずくはアレク君と何やってたの?ちゃんばらしてるように見えたけど」

「ん?ん~んー」

「飲み込んでからでいいからね」

「んく。まぁその通りだよ。アレク君が強くなりたいって言うから適当に採取してた木の枝使って遊んでた」

「しずくおねえちゃん強すぎだった」


 アレク君の様子をみてみると怪我していたりということもないので、本当に受けながら教えていただけなんだろう。その光景を近くで見ていたのかケインさんがしずくの動きを賞賛していた。雰囲気を見るにケインさんの了承の元やっていたっことだったようで、ケインさんがアレク君に助言を言っていた。


「しずくちゃんに攻撃を入れたかったらまず魔力運用を覚えないとな。とは言っても今回はしずくちゃんも魔力強化はしていなかったみたいだけど」

「もちろんだよ。教える相手と同じ状況じゃないと意味ないでしょ。実際に動かす際に無理なことも魔力使えばなんとかなるんだし」

「まぁ、確かにそうだな。特に動体視力や移動速度とかは特にそうか」

「うんうん、それとアレクくんは真正面から突っ込んでくるだけだったからもう少し足を使えばそれなり的になるんじゃないかな。後は体力作り」


 そんな感じで夕飯中のしずくたちの会話がす進んでいた。当のアレク君に今回の(ちゃんばら)を詳しく聞いてみたところ、どうしても気になってしまい森に入ったようだ。その森の中でホーンラビットやハウンドに見つかってしまい、逃げていたところしずくに助けられたという。その関係で「ひとりでもホーンラビットやハウンドの相手をできるようになりたい」ということで今回のお願いをしたようだ。

それを知っていたしずくが快く受けてくれてちゃんばらということになった模様だった。


「まぁ何でそうなったかの流れはわかったよ。それと、戦闘するしないにかかわらず魔力操作はできるようになっていていいと思うな」

「でもこの年ではまだ早い。後1年はまたないと魔力が安定しない」

「あぁ。そんなこと最初にミントさん言ってたね」

「しずく忘れてたの?」

「うん」


 私も半分忘れていたけど、この世界での常識のようで5歳や6歳から魔力の練習をしないのが習わしとなっていた。

 今日起きたことの話をしながらも熊鍋は全てなくなっていた。醤油ベースであってもちゃんと受け入れられてほっと一安心だ。


 夕食も終わると後は寝るだけというという状態になる。そうするとまたひとつの問題が発生した。それは誰がどこで寝るかという問題。空き部屋はひとつあってそこに私たち3人で寝ると主張したが、それに対し、アレク君がお姉ちゃん達と一緒がいいと行ったことだった。それを聞いたしずくが断固として拒否したので今の状況となってしまっている。


「しずく、どうしてもダメ?」

「うん、(私たちの寝方は子どもには刺激強すぎるよ)」」

「(まぁね、でも今日は服着て寝れば)」

「(それが嫌なの)」


私としずくが小声で話しているとミラが察したのかアレク君に提案した。


「私でよければアレク君の部屋で一緒に寝ようか」

「本当?ミラお姉ちゃん」

「うん、大丈夫だよ」


 このミラの移動によって誰と一緒に寝たい問題が解決した。その後、ミラから周りに聞こえないように人様の家なんだから変なことしないでよ。と釘を刺されてしまった。その夜はしずくも大人しく(?)寝てくれたので特に問題も起きることがなかったのだった。まぁ翌日誰か来る前に起きて着替える必要が出てくるのはこの際諦めるしかないだろう。しずくもそこは納得しているようで私が起きた時間帯に一緒に起きてくれたのだった。

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