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勇者創世記  作者: 白夜いくと
第一章
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トレイラージ神殿 地下2階

 階段を降りると、松明が四本ゆらゆらとゆれていています。灯りを頼りに進むと、それぞれ五つの色の土でできた扉が横に並んでいるのを発見しました。右から、赤色の女性の横顔が描かれたもの、黄色の瞳が描かれたもの、青色の女性の胸が描かれたもの、白色の手のひらが描かれたもの、黒色の足首が描かれたものがあります。


 そして、その反対側の隅に、さらに地下へと繋がる階段がありました。しかし、行ってみようとするも、そこにも赤い結界があって先に進むことは出来ません。調べてみると、結界の横にある石碑に、こんな言葉が記されていました。



 乙女の土をこじ開けろ



「もー! なんなの、今度は謎解き? ベルーザ、隠れてないで正々堂々戦いなさいよ!」


 フィーネがイライラした様子で、どこにいるかもわからない魔女に向かって毒を吐きます。アズトールは、「まぁまぁ」と彼女を落ち着かせるために説法をときますが、それもフィーネの怒りを増幅させるだけで逆効果でした。


「まぁ、こういう謎解きの場合、目の前の扉と関係あるんだろうね。どうだい、バーン君。片っ端から開けてみるかい?」


 バーンは考えます。乙女の土、という事は、「乙女の姿を完成させること」なのではないかと。顔、瞳、胸、手、足と、順番どおりに扉を開ければ……そう思った彼は、とにかく右の扉に入ることにしました。中には宝箱があります。恐る恐る空けてみたところ、中は空です。それは、どの扉も同じで、結界が解ける様子は微塵もしません。どうやらバーンの考えは間違っているようでした。再び考えをめぐらせます。そもそもなぜこの扉たちは土でできているのでしょう。何か意味があるのかもしれません。次に、バーンは文字を分解してみることにしました。


「オトメ」「ツチ」「こじ開けろ」……


 次に「オトメ」に対する当て字を考えてみます。「音目」、そして「土」……


 そこでバーンはハッとしました。それらは足すと「瞳」という漢字になることがわかったからです。少し得意になった彼は、早速その事をみんなに報告しました。


「なるほど、ではこじ開けるべき宝箱は乙女の瞳の扉のところだけなのでしょう。やりましたね、バーンさん」


 瞳の扉以外の宝箱を元の状態に戻すとき、複数匹の魔物が突如として現われ、バーンたちを襲いましたが、幸い深手を負うこともなく倒せます。少々体力を消耗してしまいましたが……そして、無事に地下の階段の結界が解かれました。するとまた、女性の声がします。



 ――私はこの先にいる。待っているぞ……



 どうやら魔女ベルーザはこの先にいるようです。バーンたちは気を引き締めて、階段を降りていきました。

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