なんですかこれ。チートですか
「勇者様!お願いします!この世界を救って下さい!」
突然出たきた扉からは王族らしい衣装を着た美少女と魔法使いらしき風貌の人が八人、護衛らしき人二人が入ってきた
なんでだろう。なんか知らないけどこの子なんか『嘘くさい』んだよな
この中で唯一の男である葵に甘ったるい声で話しかけてるし。勇者様方って言ってるけどけどこっちには見向きもしてないし
葵ちょっと鬱陶しそうだな・・・
てか蕾氏はやっ!もうみくつ氏の影に隠れてるし
みつくちゃんは何が何だかわかってなくてあたふたしてるし
りっちゃんは・・・いつも通りだな
「とりあえず、あなたは誰で、ここは何処か状況を説明してくれませんか?」
葵の外面モード発動
放送委員や部活で培った経験を活かし、人好きのいい笑みを浮かべ、イケボを惜しみなく発揮している
向こうも葵目当てみたいだしここはこいつに任せるか
「も、申し訳ありません!私カルタゴ帝国第二王女のアンリ・クリスティーナ・カルタゴです。気軽にアンリとお呼びください」
アンリと名乗った少女は見た目14,5歳くらいの美少女で金髪に縦ロール、男子受けするような可愛い顔立ちをしており、レースをふんだんに使ったキラキラしたドレスがとても似合っている可愛らしい子だ
だが、入って来て早々に女性陣には目もくれず、すぐさま男である葵にロックオンしていた
あれ、獣を狩る肉食動物の目だったな・・・
やるだけ無駄で、葵には効かないんだけどね
「王女様、ですか」
「はい、そしてここは勇者様方の世界とは違う世界、〈オムド〉の〈ウーマペソア〉にある、カルタゴ帝国です」
「異世界…俺たちは異世界召喚されたってことでいいんですか?」
「そういうことになります。さすがご理解が早いですね!」
めっちゃきらきらした目で葵のことみてる・・・
葵ご愁傷さまです
「どうする?ガチで異世界召喚されたみたいなんだけど…」
王女との会話を切り上げてこちらに話しかけてくる葵
心なしか少しげっそりしてる
「とりあえずは王女さまの話を聞かないとだな。まずはこの世界がどういう風なのか少しでも情報が欲しいし」
「谺ちゃんがそう言うんだったらそうしよっか」
「なー」
「え?え??」
「じゃそうしとくか」
・・・さっきから思ってたんだが
「うちのこと信用しすぎじゃない?みくつちゃん以外なんか妙に落ち着いているし」
ついでにみくつちゃんはうちの腕に抱きついている。
何この可愛い生き物ありがとうございますっ!
「だってこういうことは谺ちゃんが一番詳しいし」
「うんうん」
「それにこれくらいじゃ動じないだろ。こいつ以外」
「ふつう動じないほうがおかしいし谺氏が一番おかしいからね!人数とか把握してる余裕あるし!」
「まあ、そうなんだけどね・・・」
さすがWO☆TA☆KUでTYU☆NI☆BYO☆DETHネ
肝が据わってらっしゃいます
「でもあんまり信用しすぎないでね。うちも絶対とは言えないんだから」
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今現在うちらは王女サマに連れられて、謁見の間に移動しているところです。
謁見の間で帝王と対面した後魔力の測定をするらしい
案の定この世界には魔法があり、異世界人は基本的に魔力が高いらしい
…まさかここまでテンプレ通りだとはな
そういえば、ここにはステータスはあるのだろうか
そう思い、頭の中で“ステータス”と念じると頭の中に自分のステータスと思われるものが浮かんできた
さてさてさーて、どうなっているのかなーっと
・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_・_
コダマ・ヤマツミ
性別:女
職業:???
Lv1
HP:500/500
MP:850/850
攻撃力:370
防御力:200
素早さ:120
知能:600
魔防力:640
回復力:880
魔法属性:無(特殊魔法)
魔法:創造
こ・・・は‥・・・・・・が・・えない…・魔法・物質、・・など・創造・・・・・できる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くぁⓌ背drftgyフジ子lパzsxdfghンgmポイshjcbxjhkfhjkfンdhvdふぇjkfhdふぉえじぇhふぃえjldmっフォエjfldj冷え家へbgcjlvmd芸fjぇ;fン©毛f毛jdmvんでょえ;fkぢpjふぃhふぇwjmンヒルgkfmン一二夫kfmんふぃえうふぇf系f
魔法創造 物質製作 道具製作
称号・技能:異世界から呼ばれしもの 番長 回復・再生拒絶体質 後継者 ドS (外見が)豹変したもの 創造する者 ダークマター製造者 憑りつかれた者 ???? 毒耐性Ⅷ 威圧Ⅹ 結界Ⅸ 隠密Ⅵ 気配察知Ⅷ 魔力自動回復Ⅸ 魔力隠蔽Ⅶ 魔力察知Ⅳ 速読
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い ろ い ろ つ っ こ み た い ん だ が
…まあいい。時にはスルースキルも重要だからな
後でつっこんどこう
とりあえず魔法だ、魔法
虫食いだらけだしなんかバグってるけど・・・どうやらいろいろと創れるみたいだな
ていうかこれって完全にチートだよね?!魔法創れるってチート以外の何物でもないんだけど
チートで俺TUEEEEEEEEEEEEE!ができるってこと?!
まあ、生物を創れなくてよっかたな・・・魔法創るだけでも怖いってのに生物も創れるとなると、なあ
っと、なんか思考が飛ぶな。まあいつものことだけど
魔法創造ねえ・・・なんかココの人たち『嘘くさい』人が多いから嘘発見器みたいな魔法、創ってみようかな
確か呼吸、脈拍、血液、発汗とかの生理現象で判断するんだっけ。それと、嘘を吐く時の人の行動パターンを組み込んで…ああそうだ『動揺すると魔力が乱れる』んだっけ。それもいれとこ
嘘をついたり動揺したら色で分かるようにしてっと
効果範囲は、使用者の半径10メートル以内にいる対象者でいっか
うし、できた。
さーてこれを王女サマ以下にかけて・・・ばれるかな?なんか王宮魔法使いみたいなのが八人もいるし。魔力隠蔽ってのがあるから大丈夫だと思うが・・・まあ、なるようになるか
頭の中で《嘘発見》と唱えると体が軽い倦怠感を覚えたが、すぐにそれはなくなる
今ステータスを見ながら魔法を唱えたんだけど、魔力が150くらいなくなったのに目に見える速さで元に戻ってるんだけど。魔力自動回復Ⅸマジパねえ
どうやらりっちゃんが何か感じたみたいでちらっとこっち見たけどそれ以外誰にも気づかれていないみたいだ
これ魔力隠蔽Ⅶがすごいのかこの宮廷魔法使い(仮)が無能なのか
さっさとこの世界の基準が知りたいな
王女サマ以下魔法をかけられた人たちの横に四角い枠のようなものがフヨフヨと浮いている。どうやらこれが魔法の効果のようで、今は正常を表す緑色をしている。動揺をした場合はオレンジに、嘘を吐いた場合は赤になるよう設定している
まあちゃんと機能するか怪しいし、これが正確なのかはわからんがなぁ!
「にゃー?」
「んー?どしたの?りっちゃん」
「いや、何かしたように感じたからさ」
りっちゃんが周りに聞こえないように小声で話しかけてきた
りっちゃんは魔力とか感じ取りやすいのか?魔法使いとか魔導士とかそういう職業かな?
なんかイメージにピッタリなんだけどww
「へー、よくわかったね。…あとで話す」
「にゃー」
「みなさん」
そうこうしている間に謁見の間についたらしい
少し試してみたかったんだが…まあ仕方ないか
「ここに父様―――帝王がいらっしゃいます」
ひときわ大きく、豪華な扉に少し圧倒される
重厚な扉が開かれていく
その奥には王と思われる初老の、しかし王らしい威厳を感じさせるたたずまいで王座に座っている男と、その周りと取り囲んでいる大臣と思われる男たちがいた
謁見の間の足を入れるや否やここにいた人たち全員に《嘘発見》をかける
これで準備は整った
「よく来てくれた、異世界の勇者たちよ!」
さて、うちらをどうしたいか知らないけど、ホイホイと使われるほど甘くないですからね?
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「異世界からの勇者たちよ、まずは我らの召喚に応じてくれて感謝する」
しょっぱなから赤いんですけど
歓迎する気全くないってことですよね、これ。いいように使おうってことですね
ていうか、召喚に“応じて”はいないんですがね
「申し遅れた。儂はこのカルタゴ帝国第百十五代目のクズミン・ルイ・カルタゴだ」
みんなより一歩前に出て帝王たちの注目を集める
「山祇 谺です。私たちの故郷では姓を先に名乗るので、姓が山祇、名が谺です。」
その行動にみんなが少し驚いていたが、すぐに我に返りうちに続く
「俺は静野 葵、同じく葵が名前です」
「同じく、闇堂 蕾です」
「群青 六花です」
「ぼ、僕は山岸 みくつです!」
「ふむ、コダマにアオイ、ライ、リッカ、ミクツじゃな」
帝王がうちらの名前を言ったときにりっちゃんが何かに反応したようで、ピクッと動いた
ちょっと安易に名前を教えちゃったか?・・・まだ何もやられてはいないと思うが、うちが気づいていないのかまだ魔法が完成していないのか
『多分後者だろう』少し警戒を上げとくか
「さて、お主らがこの世界に呼ばれた理由だが。単刀直入に言う、この世界を魔王の脅威から救ってほしい」
ふむ、ここまでテンプレ道理とは
一応嘘はついていないが…なーんか引っかかるんだよな
帝王の世界の基準がちゃんとした世界かはたまた『帝国だけをさしているのか』微妙なんだよな
ほかのみんなはこの場はうちに任せて傍観する姿勢をとっている
あ、ちょっと気持ち悪くなってきた…
「先ほども魔王から救ってほしいと王女様から聞きましたが、もう少しいろいろと詳しく教えてくれませんか?いきなり魔王を倒せと言われても状況がわからなければどうもしようがないので」
「それならば僭越ですが私目が」
「ならば宰相、頼む」
宰相と呼ばれた知的インテリメガネが前に出てきた
なんか腹黒そうな見た目してんな
「ことの発端は魔王がウーマペソアにいきなり侵略してきたことから始まります」
「すいません、もっと地理や歴史的なこととかも入れて説明してくれませんか?」
「はい?」
おいこの宰相無能じゃねえの?何こんな常識もわからないんですか?みたいな顔してんじゃねえよ
「私たちはこの世界に来て間もない、しいて言うなら赤子のようなものです。あなたたちの常識やこの世界のことをまだ知りません。それにいきなりこの世界の呼び出されたのでまだ不安なのです。今は少しでも情報が欲しい。なのでお手数ですがそのあたりも交えて説明してくれませんか?」
「それもそうじゃったな。すまん、配慮が足りていなかった」
「…わかりました」
なんかものすごくいやそうなんだけど、この国ほんとに大丈夫か?
「まずこの世界は〈オムド〉といい、あなたたちの世界とは別の世界です。」
〈オムド〉には三つの大陸があり、それぞれ彼ら人間族が治める〈ウーマペソア〉、獣人族が治める〈パイダスファラズ〉、そして魔族が治める〈ディアボ〉だ。この三種族は五百年程前に互いの大陸に侵略しないという条約を結んでいた
ことの発端は数年前魔族の王である魔王システルがこの世界を征服しようと獣人国に攻め込んだ。その後バイダスファラスを侵略した魔王軍はこのウーマペソアまで侵略し始めた
魔族は数は少ないが身体能力・魔力ともにこの世界の人種で一番高く、幹部ほどになると、大国の一個師団に匹敵するそうだ。さらに今代の魔王は特に戦闘能力が高く好戦的でその戦闘力は計り知れない
そのため各国の抵抗もむなしく、現在このカルタゴ帝国以外の国が侵略されてしまった
唯一残った帝国は一縷の望みをかけ王国の秘術である異世界からの勇者召喚を行い、魔王を討伐してもらおうとした
それで召喚されたのがうちららしい
が、おいおいちょっと待て
ほとんど真っ赤じゃねーか
この魔法どうやらかなり優秀なようで、どの部分が嘘をついているのか教えてくれる
この魔法からはそもそも魔王軍は征服しようとしていない、一切侵略していないということがわかる
…本当にきな臭くなってきたな
『帝国、俺らの時と何ら変わってねーじゃねーか』
『これが時代は巡るってもんかねぇ』
『なんにせよ、なるべく早くここから離れたほうがいいな』
『幸いこいつ頭は悪くないみたいだし、食いつぶされないと思うが用心に越したことはないか』