さぁヒロイン達よ、True Endへたどり着く準備は万全か!
せっかくヒロインに生まれ変われたのに!!!の教育係の一人が語る暴露。
ヒロイン達は恋愛できません。
『宇宙は女王陛下の愛で満ちている』というシミュレーションゲームを知っているだろうか。
主人公はとある名門女学院に通う少女。
彼女は一般入試枠でその学院に入り、特別授業を受けているわけではないごくごく普通の少女。
そんな少女が新しい女王候補の一人として選ばれた所からゲームは始まる。
ゲームは難易度が三段階あり、イージーモードとノーマルモード、そしてハードモードに別れ、選んだ難易度で見ることが出来るENDが変わる。
イージーは最も簡単。
候補の一人から候補に確定したところから始まり、女王にはなれない。
ただ女王の側近の男性達との甘い駆け引きを楽しみたいだけなら、この難易度で十分で、ここだけをプレイしていると恋愛シミュレーションに思える。
ノーマルは普通。
候補の一人から候補になるまでと、女王として相応しいとライバル達と切磋琢磨できる。
恋と世界とどちらを取るのかと言った甘く切ないイベントもある。
ハードは真打ち登場。
貴女が女王になればいいのでは?と思えるライバルの一人が全力で立ちふさがる。
そんなラスボス感溢れる彼女と友情を育み、認められ、女王に選ばれたときに真のENDへとたどり着く……
ハードモードで発覚するイージーモードの裏側。
ノーマルモードでのライバル達の意地悪は、ハードモードで良い成績をたたき出すための助言。
ハードモードで立ちふさがる最大のライバルは、ヒロインが女王になれるだけの才覚を磨き上げ、女王になることを決意し受け入れることを最も望む最良のパートナー。
しかしハードモードの真ENDにたどり着かなければ判らない様々な事実。
恋愛ゲームでないのにイージーモードの甘甘っぷりに乙女ゲーとして購入した人が多かった。
そしてノーマル・ハードでの候補者として選ばれるまでの課程が面倒で、イージーしかプレイしたことがないという女性ライトユーザーも多数だった。
さて、この世界は不思議に満ちています。
女王陛下のお力が弱まる頃、代わりというようにその力の片鱗を宿した少女達が生まれます。
彼女たちは美しく、優秀に育ちます。
環境や本人の資質もありますが、人に注目される好意を寄せられやすい少女になります。
しかしその能力は一定年齢になると消え失せるため、能力に胡座をかいていた場合ものすっごく残念なことになります。
悲惨な末路とも言うのでしょうか……出来たはずのことが出来ない、有ったはずの物がなくなっている、昨日までとはまるで別人のようになります。
しかしながらそれでも女王陛下に成れたはずの存在、全宇宙を上げて探し出し、候補生として選出し、最低限の説明を施して選択を促します。
このまま元の場所に戻って自分を磨くか、女王候補となって宇宙を支える一員となるか。
面白いことに女王陛下の力が衰えると代わりのように生まれる彼女たち、しかし時代の女王が決まるとぱたりと生まれてこなくなります。
それどころか候補生になることを選ばなかった者達は、その力をぱったりと失います。
女王陛下のお力は、新しき女王の元へ。
世界は陛下の愛によって支えられる。
崩壊も、争いも、災厄も、疫病も極限まで抑えられ、そのための知恵を求められます。
私が私として自意識を持ったのは四歳ほどのころ。
今自分がしている勉強が、普通ではないと理解し、どうして普通ではないのか納得できてしまった。
私としての知識が普通ではないと訴え、元々のわたしが一族の人間が施される教育としては基準だと納得していた。
私の記憶とわたしの記憶の摺り合わせを行い、私はこの世界がゲームに非常に良く似た異世界だろうとあたりを付けた。
何故って、私が本家の跡取りであり、ゲームでの最大ライバルに成るはずの少女が末端の、それこそ一族にかろうじて引っかかる程度の家だという事で。
あの、彼女が女王になったら素晴らしい統治をするだろうと期待され、そもそも試験など必要ないと女王陛下にお仕えする者たちが意思統一して、彼女女王として選ばれるのと期待していたという裏設定のある彼女が、私のヴィクトリア様が末端の末端だなんてあり得ない!
初めてお会いした瞬間、つい跪いて「私のご主人様」と言ってしまったのは良い思い出です。
周りの大人は阿鼻叫喚でしたが、彼女の優秀さを知ったら納得されました。
我が一族は主を選びます。
主を押し上げます。
故に数多の支配者層から絶大な支持がありますが、心酔した相手にしか中々全力で支えると言うことはしないので、こうして初対面でいきなりということはごくごく偶にですがあるので……ただ彼女が一族の末端で、私が本家の跡取りだったために驚愕されたようですが。
私が彼女を主と仰ぎ、そして彼女が望みを口にしたとき、それは一族の悲願でもあったため環境も教育も整えられました。
我が一族の悲願は女王陛下への献身。
しかしながらここ数代、女王に選ばれるか完全排除されることが続き女王陛下にお仕えすることが出来ていません。
女王陛下の守護者や執政官の秘書や補佐には望まれてなっているので、間接的にお支えすることは出来ていますが、直接そしておそばにいることが出来る地位に就けなくなっています。
若干優秀過ぎるのが危機感を煽るのかとも思いますが、我々は主と見定めた存在以外に膝を屈することはないので、どれほど甘言を囁かれても靡かないので片腕としてお勧めなんですけどね。
特に女王陛下の側近に。
陛下の周りには見目麗しく優秀な男性が数多く存在するので、彼らに近づくために陛下を利用しようとする女性や陛下の身内の存在は無くならない。
そもそも、周りの男達に心動かされるような少女では女王陛下にはなれない。
宇宙を愛で満たせる能力。
女王としてあるための努力を惜しまぬ事。
陛下のお力に陰りが見え始めたのだと発覚するのは、その能力の片鱗を宿した子供が生まれ始めたとき。
そのときから世界は、宇宙は次期女王選出に向けて動き出します。
我が一族もそれは同じ。
力の片鱗を宿した少女達。
しかし私はその少女達の中から自分の主を見つけ、主になった少女は女王陛下のお側近くで仕えたいと望んだ。
元々女王陛下の為にと一族上げて切磋琢磨していた。
次期当主が選んだ主の望みは、一族の望みだった。
では一族を上げて、女王候補者達の教育を行うことが決定された。
現女王に次期筆頭補佐官になるべく教育を施されている者として私の主が紹介され、我が一族の提案は受け入れられた。
現女王陛下は我が一族の出身。
彼女自身もまた、それは願っていて叶えられなかった望みであったからだ。
女王陛下のために、と懸命に努力し、知識を蓄え、経験を積む。
興味があることもないことも、もしかしたら何かの役に立つかもしれないと精一杯。
ただただ、いつか自分がお仕えするであろう主のために。
そしてそれが女王陛下に繋がるように。
盲信というか、偏愛と言うべきか、かつて宇宙の片隅の惑星から出てきた新参者を受け入れ、目に掛けてくださったかつての女王陛下のために。
おそらくは磨り潰され、見捨てられた辺境惑星からの新参者を拾い上げてくださった女王陛下に対する感謝の気持ちの一つとして。
何かできることはないか、その一念で磨き上げた特異な才覚。
主によって開花するか否かと言った才能。
しかし歴代の女王陛下はその才を愛で、慈しんでくださった。
陛下にお仕えする五聖達もまた、その才覚は自分たちにも必要だと受け入れてくださった。
我が一族の者は喜んで、全力で、頑張った。
それはもう頑張りすぎた
ココ数代女王の座につくのが内の一族出身者ばかりになるくらい。
こうして我が一族は悲嘆に暮れていた。
しかし考え方を変えることにした、
居ないなら作ればいいと。
こうして女王陛下主導の元、新たなる女王育成計画が発動されることに。
候補者達は一堂に集められて切磋琢磨し、女王に相応しい存在へと教育される。
恋愛に現を抜かされないために、彼女たちには女官か既婚者の老齢の男性の侍従とのみの接触。
適齢期とされる前後十年あまりの男性達は、彼女たちが居る施設周辺への立ち入りは禁止。
五聖と呼ばれる者達や、その周辺の男性補佐官達は結婚を促し隙を減らすという徹底を行った。
後は新たな女王の誕生を待つだけ。
女王陛下も、五聖も、そして彼らに仕える者達も皆新たな女王の誕生を待っている。
というわけでヒロインさん達、あなた方以外全ての者が望むTrue Endへたどり着くために頑張ってください。
多分きっと五聖もこの一族出身者多いと思います。
素晴らしい女王陛下にお仕えするという幸せを、一族皆で分かち合いたい模様。
ヒロインガンバレ。
マジガンバレ。
とりあえず語っている人は幸せ。
ステキなご主人様に全力でお仕えできるし、その献身を受け入れられているから。
ただ一寸羨ましいとこぼされるので、ご主人様のために一族上げて新たなる女王陛下育成に乗り出した。
優秀な部下達が居るので、女王陛下は基本彼らを信頼して仕事を任せるだけですむ感じになっていると思われる。