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第二十二話 王城

俺達は今、王城に向かって歩いている。

遊園地に着く前の子供の様に俺達を急かすトーマスとそのトーマスが俺を拉致るかの勢いで手を引っ張って部屋から出て行く俺らを追っかける形で着いてきたドロシー、それと俺だ。


「ちょっと、こんな時間にどういう事ですか!?病人ですよ!?」

駆け足のままドロシーがトーマスに問い詰めている。

説明無く護衛対象の主人、しかも色々あって不安定な状態の子供を勝手に連れだされたら焦るだろうが、説明するわけにもいかないし…


「いや、ちょっと用事が合ってな…」


「さっき説明しましたよね!変な事はしないでくださいと!」

ドロシーさんは曖昧のかわすトーマスにキレ気味のご様子。

怒るのは分かるんだがトーマスに口止めされていて説明出来ないのが申し訳ない。

言ったら俺に対する目が変わりそうだし、それには同意なので黙っておくが。


急ぎ足で屋敷の門から出ると左方向にある時計台の方へ向かう。


「所でどこに向かっているんですか?」

俺達が目的を話さないので諦めたのかどこに行くつもりなのか聞いてくる。


「はぁ、着いてくるんだろ?ちょっと城にな」


「はぁ!?こんなこんな夜遅くに社会見学でもするんですか?」

「はぁ」と溜息をつきたいのは私だと言いたげに見た目は別として色々と穏やかそうなドロシーが嫌味をたっぷり込めて言う。トーマスは普段からこんな事言われるような事をしているんだろうか?


「あの、ところでお城ってどこらへんにあるんですか?」

さっきから黙って喧嘩を聞いているのも居心地悪いので流れを変えようと質問をする。


「ここですよ」

そう気乗りしなさそうにドロシーが指を指したのはさっきまで居た我が家のすぐ真横、聞いていなければ通り過ぎように鳴るくらい近くにある町に入る時も見た時計台のある建物だった。


王城と言うと某国のガラスの靴の姫の名前を冠した城や、ノイシュバンシュタイン城の様な派手なのだと思っていたが我が家と同じ様な城というよりは豪邸といった様子の時計塔が特徴的な真っ白な建材の三階建ての建物だった。


入り口まで付いていくと門の前に居た分厚そうな小麦色をした制服を着て槍と杖を合体させた様な武器を持った警備員がこっちを見るなり表情を変えないまま門を開け、杖か槍か分かんないものを胸の辺りで斜めに構える。敬礼みたいな物なのだろうか?

そして相変わらず我が家と同じで門から建物までが遠い。


門の所に二人、建物の入り口に二人、夜中だからか警備員が少ない。まぁ緊張感が薄れていいのだけれど警備員少なくないだろうか?王城の兵士長とかすっ飛ばして司書に合っちゃったがこれ一般人に合わしてくれるのだろうか。


建物の中に入ったらこの建物もまたさっきの我が家と同じく広いエントランス、それと真ん中に二階への大きな階段がある。その他は全体的に白くザラついた触ったら手に粉が尽きそうな材質の壁であるという所だろう。


「それじゃあリリー付いてきてくれ、機密の話だからドロシーは適当に待っていてくれ」

適当に待っていてくれって言えるのは結構来てるってことか?


「何で機密の話がウチのお嬢様に関係あるんですかねぇ…あと念を押しておきますが病人ですからね」

わかってんだろうなという風にひと睨みをしてトーマスに釘を刺す。さっきからキャラが違う気がするんだがドロシーはトーマスに恨みでもあるんだろうか?


はいはい、とわかっているのかわかっていないのか分からないような事を言いつつ先導して正面の階段を登っていく。


「所で…私はどこに連れて行かれるんですか?」

ドロシーに聞こえない位まで離れた所で聞いてみる。一人称私は未だに慣れない。


「さっき言った王様の所だよ。もしその世界の事で覚えている事があったら話をしてやって欲しいんだ。今まで寂しがってたからね」

ふむ、俺は読めるとだけ言ったんだがバレちゃってるのかな。


廊下とかの内装は王城なだけあってやはり豪華で居心地は良い。二階に上がって前に少し進んだ所を左に曲がって少し進んだ所で木製のドアの前に着く。


「起きてるかー?子供じゃないし起きてるよなー王女様を連れてきたぞー」

トーマスがドアをガンガン叩きながらドアの向こうへからかい気味に言う。

王様に対してそれでいいのだろうか…てか王女様って俺の事言ってんのか?


「王女って誰だよ…今日はもう疲れたんだけど」

ドアの向こうの人物がゆっくりとドアの前に足音か近づいてドアの鍵を開けドアを開きながら言う。


ドアの向こうからのそっと姿を表した眠そうな男は20代後半の様に見える少し長めの黒髪、黒目の黄色人、と言うかついこの前まで見慣れていた日本人という印象で普段着の様な服装を見るとそこらに居そうなおっさんという印象だ。とは言えこの世界では見かけてないが。


「ハルトマン家のリリーちゃんだ。ロリコンのお前にピッタリだろ?そしてコイツがこの国の王様だ」

ニヤケながらトーマスが俺らお互いを紹介したので初めましてと挨拶をする。


「いやロリコンじゃねーよ。えっと俺覚えて無いのか…(それより身内以外でその話し方はやめてくれ)」

後半は俺に聞こえない様に小声で言った様だが周りが完全に静かなのでもろ聞こえている。


「それでどうしたんだ?こんな時間に」

部屋に俺らを入れると改まってそう聞いてきた。


「朗報だ。このリリーちゃんが地球の言葉が読めるらしい」

さっきから話したくてウズウズしている様子だったトーマスが嬉しそうにそう答えた。

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