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第一話 悪夢
あ、これは夢だ。
そう感じたのは初めてだった。
覚えていないだけでよくあることかもしれないけれど。
夢の中で俺は何かよくわからないものから逃げていた。
おそらく海外、たぶんヨーロッパの郊外のような場所。
道の脇には腰くらいの塀があり、そこから腰くらいの高さの木が均等に植えられている。その真中にまっすぐと進む砂利道を走っている。謎の舞台設定から始まり、意味がわからないのは夢ではよくあることだろう。
何か恐ろしい物から逃げたい、ただその一心で足を早める。その先に少しだけ明かりの付いた屋敷が立っていた。あそこまで逃げられるか?何物かとの距離を図ろうと後ろを振り向く。後ろからは痩せた男が追いかけていた。知っている顔だが思い出せない。今にも吐きそうなくらい憔悴した様子で、正体を知った所為か恐怖心は無くなり、顔を見ると何故か不安感、恐怖感も消えたので声をかけてみた。
「大丈夫ですか?」
と出した声は自分の物ではなく、
声が高い少女のような声だった。
出来ればアドバイス、読みづらい点の指摘を願いします。