第十六話 夕食
道を進むと進むほど人が増え、賑やかになってくる。
左右どちらの店も大繁盛しているようで、まるでお祭り騒ぎだ。
「今日何かお祭りでもやっているんですか?」
そう横を歩いているドロシーに聞いてみる。
「何時もこんな感じですよ、お食事時はみんなここに集まりますから」
そう言うとはぐれない様にか手を握ってきた。なんだか子供扱いの様に思えて不服だが今は子供なんだし仕方ない。それに周りを見た感じ子供は今のところ見かけない。食事時と言っていたが結構遅い時刻で子供が外を歩くのは危険なのかもしれない。
人達の格好はファッション重視というよりは機能性重視といったポケットやベルト、バッグを持ってる人を多く見かけ、飾りまくった服装の人間を見かけない。帝都のメインストリートだと言うのに貴族らしい人が居ないというのは貴族はここには来ないということなのか?それとも今の俺らの様がそうであるように普段から着飾った服を着ていないだけなのか?
建物の中には宿場と書かれた店もあるのだが一階部分が酒場になっているようで、外も中もこんな騒ぎではゆっくり寝られないだろう。そんな事を考えながら観光気分で町を歩きつつ、空いている店があったのでそこに決め、店に入る。店のシステムがよくわからない。例えば先に券売機で買ってテーブルに座るのか、入り口で店員の案内を待てばいいのか、…まぁドロシーに任せて後ろから付いて行けばいいか。
前を歩いて居た俺が入り口前でどうしようかとウロウロしているとドロシーが開いている席を見つけ、そこに案内された。どうやら勝手に座って注文するタイプらしい。店のメニューはシンプルでピザ数種類と水や酒など飲み物が置いてある。もちろん写真なんて付いているはずが無いが軽い説明文があって大体の事が想像できる。その中からその店のメインらしい読みづらいのを一つと水を頼み、料金は前払いだそうでお金を持っていない俺の代わりに保護者枠のドロシーが出してくれた。席代も入ってるようで、水にも金がかかる事に新鮮さを感じながら注文を終える。まぁ払うの俺じゃないんだけど貧乏癖故に金がかかるとなると躊躇してしまう。
「それでお嬢様。後もう少しでお嬢様の生家ですが気をつけて欲しい事があります」
そうだ。どんな人達が居るか聞いていなかった。それに礼儀作法も知らない今、記憶喪失だと言っても印象は悪いだろう。
「はい?何ですか?」
「まず、今帝都のお屋敷には人が少なくなっていますし、とても大きい建物ですので覚えてないのですから気をつけないと迷ってしまうかも知れません。」
港町にあった家はちょっと金持ちみたいな家だったのだがこっちは本格的にでかいらしい
「それと私達は従者なのですから敬語を使うのはやめてください」
知らない人に対して敬語を使うという習慣の所為か親しい人以外に使わないというのは抵抗がある。敬語を使うなと言われても友人同士では無いのでタメ口というか砕けた言い方というか…失礼ではないかと思
ってしまうのは俺が小心者だからだろうか。
「えぇっとドロシー…わか…ったよ」
ドロシー”さん”と言いそうになったり、分かりましたといってしまいそうになる。どうしても友人以外に”さん”を付けずに呼んだり、敬語を使わないのは慣れない。まだ固かったのかドロシーはむーっとした表情をしている。
「う~ん…なんだかお嬢様らしく無いですね。なんというか昔のお嬢様はなんというかこう…もっと元気でプライドが高く、ワガママだったのですが全くキャラが違うと言いますか…本当にリリーお嬢様ですか?」
「えっ」
ドロシーの冗談風に言った事にギクリとしてしまいそのまま声に出してしまった。
「あ!いや冗談ですよ!」
こちらに気を使ってか強調する。
しばらく話をしていたら料理が届いた。
わざわざ注文の後に焼いているのか、なかなか時間がかかったが本場のピザと言った感じでとても美味しい。材料とか見る限り、前世と変わらないようで安心した半分、何かを期待していたが裏切られた感もあった。
間の行数を増やしてみましたが読みやすくなったでしょうか?




