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第十三話

応接間に案内され部屋の入り口から見て奥のソファーに座る。

「お茶をお持ちしますので少々お待ちください」

そう微笑みながら一礼すると部屋を出て行った。


しかし話とはなんだろうか…?朝食の際話をした時はメイドさんと話があるとは聞いていないんだが…メイドさんに俺が吸血鬼になったってことを話してその対応とかだろうか?それとも俺の知りようがない昨日以前の事なのだろうか?


それ以上の考察は広まらず、おとなしく応接間の飾り付けとかを眺めながら時間を潰してメイドさんが戻ってくるのを待つ。シカの頭部の剥製飾りが3つほど飾り付けられていて、それを見ながら目は腐り落ちるだろうし何使ってるんだろう?などどうでもいい事を考えていた。

「お待たせしました」

メイドさんが戻ってそう言うと、持ってきたティーポッドとティーカップ、あとクッキーをテーブルに置いてカップに紅茶を注いでくれた。…作法とか気にすることは多分無いよな?と顔に出さないように警戒する。


まぁいいか、礼儀正しくと気をつけてれば問題あるまい、朝食時も問題なかったし。

紅茶に手をつける前に話に聞いてみる。というかそっちが本題だ。

「それで話って何ですか?」

「吸血鬼についてお教えできることを話して欲しいと聞いたのですが…オカルトに興味を?」

この世界のオカルトの基準がわからねぇ…まぁそれはいいとして、吸血鬼になったということを話してもいいのだろうか?信頼できる人なのかもわからないし、父親が俺の事を話さなかったのは意図があるのか?まぁいいか、正直に話しても父親の反応を見る限り大丈夫だろう。そう思い間を開けるのが怖く、早めに返答する。

「えっと父に吸血鬼だと診断されまして」

しまった変な言い方だった…

話し方を崩さないと正体バレるかもと「あ、やばっ」という表情を出してしまいそれをを見られたか、メイドさんは少し困った様に笑いを浮かべている。

「お嬢様。吸血鬼は作り話ですよ?」


別な方向に勘違いしてくれて助かった。

自分の姿を見てないからか、自分の見かけ的に説得力の無さがわからなかったが子供に物語上存在である吸血鬼ですって言われてもごっこ遊びとしか思わんだろう。バーローの気持ちが少しわかったぜ…まぁ大人に言われても信じる奴いないだろうが。


まぁそれはともかく、何で父は言わなかったのだろうか?信じないと思ったから言わなかったのだろうか?それじゃあ正直に言ったのは失敗だったか。それじゃあ適当に話を合わせて聞いてみるか。

「あはは…冗談です。面白そうだなーと思って父に聞いてみたら、よく知ってる人を紹介してくれると聞いたので」

もっと砕けた言い方のほうが子供っぽかっただろうけど…なりきって言うにはこれが羞恥心の限界だ。何より間が開くと変に思われるだろうしとっさに出た返しなのだ。変に思ったのかメイドさんが目をじーっと見てくる。目を合わし続けられず目を逸らす。この会話二度目の疑われポイントを作ってしまったのだ。変に思われてもおかしくない。でも俺だったら何かあったのかな?くらいにしか思わないだろう。うん、大丈夫だ。人格が違うなんて疑う奴は居ない。


「朝からその調子ですけど、何かあったのですか?」

気にした様子はなかったので何時もこんな調子だろうと思っていてさっきまでうまくかわせていたと思ってたがバレてたようだ。

「なんでもないですよ」

焦ってとっさに答えてしまったが朝から雰囲気が違うということはバレている。追求はされないだろうがシラを切るのは難しいだろう。

「お嬢様、心配事があるようですね。お聞きしますよ?」

焦ったのは顔に出ていたのか。

強気のようだしシラを切ったら空気も悪くなる。それに現状維持も無理だろう。


正直、この二日でかなり疲れている。この調子で演技を続けるにはもうバレてるし長くは続かない…いやもう無理だろう。吸血鬼になったショックで…と言うには知ったのは昼だ、それに父には通じないだろう。そうなると演技力に自信が無いし、記憶喪失を偽ったら楽だろう。あとでじっくり考えた方が良い案が浮かぶかと思うが記憶喪失を偽るのはいい手だと思う。何も考えなくても向こうが何かを考えてくれるから。

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