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第十話 メイドさん、吸血鬼 (後)

とりあえず吸血鬼としての基本的な所だけを知れる状況になりました。

吸血鬼は弱点だらけなので厳しい生活になりそうです。

食堂にある席で入り口から一番近い席に父が座っていて、腕組みをしながら何やら考え事をしている様子で顔が怖い。だが食堂に入ってきた俺に気づくと心配させないようにしているのか笑って話しかけてきた。

「お、来たか。すこし遅かったからまた倒れてないか心配したぞ~」

と冗談風に言ってきた。マジで死ぬかと思ったんだぞ冗談にならんだろ。

まぁ、あの様子を見ると俺が朝倒れてた原因はわかってる様子なので心配させない為なのかも知れない。


「大丈夫ですよ~」

バレないように言葉少なに返してテーブルを挟んだ向かいの椅子に座る。

席が決まってたりしないだろうか?と不安に思うが特にその様子もないし、座った後に気づいたのでまぁいいや。


座ってすぐにさっきのメイドさんらしき人がフランスパンだろうパンを切った物を小さなかごに入れてあるものと、漫画肉ならぬ漫画チーズと言うような特徴的な穴の開いたチーズが乗った皿を二組、計4皿を器用に持ってきて俺と父の前に一組づつ置いたら一礼して下がっていった。


実物を見たことはなかった穴の開いたチーズを興味深く観察していると声がかかる。

「それでさっきの事なんだが…食べながら話すか?」

俺が興味深げに見ていたからかそう言ってきた。

と言うか朝食を食べながら重大そうな話していいのか?と思ったが、別にいいか。

「お願いします」

しかしさっきから敬語で返していても特に気にする様子はないので普段からこんな感じだったのだろうか?


「わかった…まぁ心して聞いてくれ。吸血鬼って覚えてるか?あの昔話した伝説とかに出てくる」

吸血鬼といえばWRYなお方とかイギリスの国教騎士団の旦那さんだったりうー☆なお嬢様?

まぁイメージ的には血を吸う夜行性の化け物でいいんだろうか?イメージに違いがありそうだし、とりあえず知らないということで

「えぇと…あまり覚えてないです」

「覚えてないか、吸血鬼っていうのは夜に人を襲って血を吸ったり、日光を浴びると灰になったりするって言われてるモンスターなんだが。物語上の化け物って言われてるけど、昔の父さんの知り合いに一人居るんだ」

魔法がある世界で物語上って言われても説得力無いもんなぁ…居てもおかしくないだろ。

「それでな、その吸血鬼が言っていた特徴が今のお前にすごく当てはまるんだ」

「はぁ・・・」

お前吸血鬼になったんだぞ的な事を言われても全く実感が無いし、この世界での扱いもわからないのでので生返事しかしようがない。それに父親も朝食を食いながら話していて、特に悲観的にも見えないしイマイチ緊張感がない。


そう思いつつパンとチーズを頬張る。パンは特に変わった様子もないパンで、チーズはプリっとした歯ごたえでゴムの様な味がして、なかなか癖になる味だ。


「あの…吸血鬼だと言われてもどうすれば…」

イマイチ緊張感が無いので、その事を聞いてみる。

「父さんも詳しいわけでは無いけれど…吸血鬼は簡単に言えば魔力を使って動く死体みたいな物で、体が生きてないから魔力が回復しない。それで、人から血を吸って魔力を取らないと動けなくなるらしい。まぁ意思のあるグールみたいな物だよ。それに太陽を気をつけて、血を取って魔力補給しておけば大丈夫だろうからあのまま死んでしまうよりはよかったんじゃないか?」

グールというのは昨日の本にも書かれていたけど、魔法を使って動かしている死体…つまり魔力を燃料に動くゾンビらしい。なんかゾンビと例えられるのは嫌だな。あと娘が吸血鬼になったっていうのに父親がやたら脳天気な思考回路に思えるのは気の所為だろうか?それともそういった世界なのだろうか?

あと吸血鬼って流れる水を渡れないとか、にんにくが苦手とか無かったか?よく知らないようだし父親が知らないだけかもしれない。


「とりあえず、父さんは詳しく分からないからその吸血鬼の知り合いに連絡してみるよ。とにかく日光に当たらないよう気をつけて魔法も使わないようにしなさい」

「分かりました」

とりあえず日光を気をつける様にしよう。

悲観的じゃない所が気になるが、彼が言うには問題が無さそうだしいいか。

よくわからない事だらけだが、とりあえず食事を終えたら自室に戻って魔法や歴史の本を呼んで勉強でもしておこう。

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