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君たちの時代にいたい  作者: たかゆき宗也
2章 番外編
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野花

「お墓ですか?」

「ん、あぁ、そうだ」


 ベローニャの双塔で私の歓迎会をした後。

 アルヴァ一等兵が2つの土の山の上に花を置いているのを見かけました。

 

「2つだけ……?」

「この塔に居た敵は2人だけだったんだよ」


 突然話しかけても、アルヴァ一等兵が悪態をついてくることはありませんでした。

 

「軍服も前線で見る物とは違いましたし、本当この人達は一体何なんでしょうか」

「俺らが考えても仕方ねぇだろ」

「……そうですね」


「アルヴァー! 今ならガーラン大尉が煙草一本吸わせてくれるって!」

「まじか!」


 クラム一等兵の呼び声にアルヴァ一等兵は立ち上がりました。


「そうだ、ガーラン大尉が女は右の塔、男は左の塔で寝泊まりだってよ」

「分かりました」


 そのまま別れると思っていましたが。


「お前、何時もの馬鹿みたいな言動忘れるなよ」

「はい?」

「前線じゃ一人一人弔ってやれないんだからな」


 振り返った思えば、突然何なんでしょうこの男は。


 敵兵の死体を見て私が気落ちしてるのは事実です。

 元気な声でも無いでしょう。


 いつもの私に戻れと、この人は言ってのけました。


 どんなに真似しても私はシユではないんです。

 シユの代わりにもなり得ない。

 

 あーもう。

 何も知らない癖に、なんだかムカついてきました。


「ソルジア上等兵にでも慰めて貰え、明日その顔すんな。士気が下がる」


 …………。


「素直に慰めたい、とでも言ったらどうですか」

「お前口悪ぃな」

「冗談ですよー! 明日も早いので、私もう寝ますね!」

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