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コンプレックスガール  作者: ぴよ ピヨ子
第十章:桃色の青春のために
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第195話:お手伝い

 自分たちのクラスの準備を済ませた私と眞鍋さんは、体育館へと向かっていた。実行委員としての仕事の一つに当日そこで行われる催しの手伝いがあり、それの前準備と確認作業のために先行しているはずの先輩たちに合流しようとなったのである。


「やっぱり、絵の展示方法はもうちょっとだけ工夫すべきだったかなぁ~」


 廊下を進みながら、教室に残してきたともちゃんたちの姿を思い浮かべ私は呟く。


「いや、仕方なかったんじゃない?壁に飾るのもスペースの問題で難しかったし、全員分の額縁なんて勿論買えないしさ」


 私の呟きに対し、眞鍋さんはそう答える。


「終わったことを考えてても仕方ないし、切り替えていこうよ!!ね?」

「う、うん・・・」


 ルンルンと擬音が付きそうなくらいに、眞鍋さんは機嫌がいい。


「あぁ、鈴木君・・・」

「・・・・・」

「うふふふ・・・」

「・・・・・」


 そうして廊下を進み、辿り着いた体育館。そこには既に先輩たちの姿があり、だがしかし、自分たちのクラスの準備で忙しいのだろう鈴木君の姿はまだなくて・・・。


「はぁ・・・」


 デカい溜息を零す眞鍋さんの尻を叩きながら、私は先輩たちの元へと向かう。ほら眞鍋さん!もうちょっとシャキっとして!!


「あれ?夏姫ちゃん?」

「はい、夏姫です。クラスの準備が終わったので、こちらに来ました」


 私たちの視線の先には、二年生の文化祭実行委員が揃っていた。


「え、もう終わったの?早くない?」

「いや、その・・・」


 机を並べ替えて、それに絵を飾るだけだったんで・・・。そう口に出したら、どんな顔をされるだろうか?


「事前に色々と準備してたので、早く終わったんです。他の皆も部活の準備とかあるでしょうし、そっちにも時間使えるようにって・・・」

「へぇ~?そっかそっかぁ~。夏姫ちゃんたち、まだ一年生なのに凄いねぇ~?」

「「・・・・・」」


 嘘ではない。これは決して嘘ではないのだ・・・。

 私たちが準備した画用紙を皆に配って絵は早めに仕上げてもらっていたし、ウチのクラスは大半が部活に入ってるし・・・。


「そんなわけなので、本当に全然全く大丈夫です?!」

「そうですそうです!なので、何か手伝えることはありますか?!」


 私同様気マズそうな眞鍋さんと共に、私は押し切る。このままこの話題を続けることは、とてもマズい気がするから?!


「そうだねぇ~。なら、ちょっと手伝ってもらおうかな」


 そう言って先輩が視線を向けた先にあったのは、明日の演劇で使うのだろう小道具の山・・・。


「もしかしてですけど、アレを全部?」

「そう、アレを全部。当日の会場は椅子で埋まってるからさ、今のうちに舞台袖に運んどかないと」


 先輩に先導され、ソレの元へと私たちは進む。


「凄い・・・」

「でしょ?これは三年生が使うやつなんだけど、気合入ってるよねぇ~?」


 段ボールと色紙と、他にも色々と・・・。休み時間を使って空き教室で制作され、保管されていたらしいソレ・・・。


「とりあえずコレを運んで、終わったら椅子を設置して・・・」


 えっちらおっちらと、皆で協力しながらそれらを運び・・・。


「あっ、鈴木君・・・」


 途中で他の実行委員たちも合流し・・・。


「ふぃ~。終わったぁ~~!!」


 あっと言う間に、時間は過ぎていった。

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