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コンプレックスガール  作者: ぴよ ピヨ子
第九章:とある恋の結末
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第173話:夏休みの一幕

「うおりゃあ~~!!」


 部屋の中に、私の声が響き渡る。


「これでどうだぁ~~!!」


 普段は大きな声など出さない私が、腹の底から大きな声を上げている。


「うるさい」

「痛い?!」


 突如隣から放たれたガチめのチョップに、私は涙目になる。


「近所迷惑になるから、もっと静かにしなさい」

「はぁ~い」


 私は今、陽介と共にゲームに興じていた。私はさっきから、ゲームで陽介にボコボコにされていた。


「もうちょっとだけ手加減してくれてもいいんだよ?」

「いや、もう十分過ぎるほど手を抜いているんだが?」

「・・・・・」

「・・・・・」


 マジで?!


「マジで・・・」


 そっか、そっかぁ・・・。


「別のやるか?」

「う、うぅ~ん・・・」

「夏姫、アクション系のゲーム苦手だろ?」

「むむぅ・・・」


 でも、負けたままってのもなぁ~。


「「・・・・・」」


 チラ、チラッ?


「・・・・・。もう一回だけだぞ?」

「わぁ~~い!!」

「・・・・・」

「次は絶対に勝つから!!」


 そうして私は、再度陽介にボッコボコにされる。


「「・・・・・」」


 ねえ、陽介?手、抜いてくれてもいいんだよ?


「・・・・・」


 よ、陽介?


「やっぱ、別のゲームにするか」

「・・・・・」

「これなら、夏姫にもワンチャン」

「・・・・・」


 陽介が取り出したのは、勝敗に運が大きく絡むゲーム・・・。サイコロを振り、出た目の分だけ進みゴールを目指す、オーソドックスなゲーム・・・。


「次は、勝つから・・・」

「お、おう・・・。ガンバレよ?」


 そして、三度ボコボコにされる私。


「「・・・・・」」


 何故・・・。


「夏姫は、運も悪いからなぁ・・・」

「・・・・・」


 陽介の憐れむような視線が、私の心臓を射抜く。


「どうすっかなぁ~」

「・・・・・」

「これなら・・・、いや、こっちなら・・・」

「・・・・・」


 そうしてまた、私の連敗記録は塗り替えられていくのであった。

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