閑話 側近の集い
短いですが、本編の内容に関わるお話です。
どうぞご覧ください。
~side側近~
キース視点
俺はローウェルにアースと殿下の仲を、どう思うかについて聞かれた。ローウェルは殿下とアースが私的に会う場面に、初めて出くわしたのだ。二人の仲のよさに驚いても、不思議ではないな。
俺は、仲がいいのもそうだが、互いに気を使わなくていいんだろうと伝えた。
前に、アースが俺に「対等な友人がジルしかいない」と、言ってきたことがあった。だから、側近の俺たちにもプライベートの時は対等でいてほしいといっているのであろう。殿下も、アースと同じ境遇なんだと思う。互いに、王族、空間属性、と縁を持たれたがる性質をもっているからな。
俺がこのことを伝えると、ミラルも同意してきた。
「そうだね、最初に会ったときに、そのことで意気投合したのかもね。」
「なるほど。主も殿下も、人を集めやすいからな。似た者同士なのかもしれないな。」
俺たちがアースと殿下の中について話していると、不意に殿下の側近に話しかけられた。
「なぁ、アースの側近たち。」
こいつアースのこと呼び捨てにしているな。確かに公爵同士で同格ではあるが……。そこまで、親しくはないだろうに。俺は貴族スマイルを浮かべて、オーサックの続きを促した。
「アースは強いのか? あいつと戦ったことはあるか?」
は? もっと最初に話すことがあるだろう? なぜいきなりアースの強さの話になるのだろうか、殿下の側近だから、危険な人物ではないと思うが……。
「えぇ、私とミラルは普段から共に訓練をしているので。」
「私は、側近になりたての頃瞬殺されました。」
俺がそう答えると、ローウェルも口をはさんできた。オーサックは、俺たち騎士に話しかけているんだぞ? ローウェル、お前は少し静かにしていろ。
「文官に用はない。それで、強いのか?」
「え……。」
やっぱりな。ローウェルの軽さはこういう時には、仇となるな。昔から本当に変わらない。
「えぇ。お強いですよ、アース様は。我々もまだ、全力を引き出せてはいませんね。」
「そうなのか……。俺は強い奴と戦いたい。アースは勝負を受けてくると思うか?」
は? 何でアースと戦いたいんだ? 強い奴と戦いたいといったな、ただの戦闘狂かなにかなのだろうか? こいつは危険だ。俺はアースがどう答えるかは、わからないと答えた。すると、オーサックは不敵な笑みを浮かべた。
「そうか。じゃあこの後、勝負を仕掛けるとしよう。」
何を言っているんだこいつは? アースの側近として、俺が止めないとな。
「オーサック様、アース様のご迷惑となるようなことはおやめください。アース様の側近としては、看過出来かねます。」
「ほー、お前が俺の相手をしてくれるのか? 」
「アース様の邪魔をするならば、ぜひ。」
俺たちが一食触発の雰囲気を醸し出していると、オーサックの弟が割って入ってきた。
「兄さん、それまでだよ。アース様の側近の方々がお困りだ。兄が失礼をしました、謝罪を受け入れてくださいますか?」
「えぇ、もちろんです。」
よかった、弟のほうは話が通じそうだ。これで二人とも似たような感じだったら、殿下のところへ来るのが億劫になっていたところだな。
「ウォーザット。俺はアースと戦いたい、邪魔をするな。」
「兄さんは本当に戦うことしか考えていないんだから……。」
ウォーザット様はため息をつきながらも、戦闘狂の兄にアドバイスをし始めた。
いきなり勝負を仕掛けるのではなく、日にちと場所を決めて、勝負をお願いしてみれば、アースが勝負を受けてくれるかもしれない、という内容だった。
「俺は、勝負ができれば何でもいい。」
「そう、なら勝負を受けてもらえるような誘い方を考えておくといいよ。」
アースは勝負を受けるだろうか? アースはそれ程、好戦的な性格をしていない。必要があるときに戦っている感じだ。俺は、アースは勝負を受けないと思うのだが……。二人は、どう思っているのだろうか? 俺は二人に聞いてみることにした。
『俺は、殿下の口添えがあって、勝負を受けるに一票。』
『私も、その可能性が高いと思う。』
なるほど、俺は考え付かなかったな。確かに、殿下が面白がって、話に入ってくる可能性は高い。
さて、どうなるかな。




