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キースから、この魔刀について尋ねられた。まあ、当然の疑問だよな。



キースには、以前決めていた通り、この魔刀は俺の空間属性で偶然生まれたものであると説明した。



「この刀は属性付与を施すことができます。キース様がこの魔刀に属性付与を行い、その感覚で自身に属性付与を行い、身体強化の感覚をつかみましょう。」



「わかりました。お願いします。」



「では魔刀を握って、雷属性を纏わせてみてください。」



俺が魔刀を手渡すと、キースはふっと笑った。



「は、はい。きれいな剣ですね……。」



 魔刀は、属性付与する前は無色透明である。





「ありがとうございます。では、自分の魔力を雷に変換するイメージで。」




お、順調に魔力を雷に性質変化できているな。あともう少しだな。



「その調子です、キース様。」



「はい。……。これでどうでしょうか?」




キースが属性付与を行った魔刀は、きれいに発光していた。属性付与がうまくいった、証拠である。





「お見事です、キース様。グートン先生が期待されるのもわかります。」



「あ、ありがとうございます。」




ようやく、表情が緩んだな。あとは、身体強化ができれば自信につながるだろう。




「では、次で最後です。その属性付与を自分自身に行ってみましょう。その際に、雷の魔力で自身が高速で移動する姿、そして対象を貫通するイメージを強く意識しください。」



俺がそういうと、キースはすぐに身体強化をして見せた。




す、すごいな。言われたことをすぐに実行している。見た感じ、魔力量は決して多くはない。しかし、騎士としてはかなりの逸材であろう。




「できました。どうでしょうか?」



「お見事です、キース様! あとは実戦で試すだけですね。」





この実力なら、ぜひ俺の側近になってほしい。しかし、キースならほかの道でも生きていけるだろう。俺の側近に縛られる必要はないよな……。






「キース様、私の側近の話ですが、断っていただいても構いません。その実力ならどこへ行っても、活躍することができるでしょう。」





心からそう思う。彼の身体強化を見ているだけで、強敵感が伝わってくる。身体強化が施せなくても、剣術は磨いてきたのだろう。その剣術に、この身体強化を合わせたら……。彼には自由に自分の道を選んでほしい。



俺がそういうと、キースは頭を下げた。




「アース・サンドール様。私は、あなたの側近になることを望みます。いえ、側近にならせていただきたい!」




「キース様頭をお上げください! キース様自身が、私が主でいいなら、私は大歓迎です。」




キースが俺を選んでくれた……。本当にうれしいいな。俺が悦に浸っていると、キースから申し出があった。






「あ、ありがとうございます。しかし、その前に一つお願いがあります。失礼をお許しください。叶うならば、私と剣の勝負をしていただけますか? 私は、自分より弱い人間の下につく気はございません。」





なんだ、最高じゃないか! 俺もそのことには、大賛成だ。




「ははっ! 私もそれには同感です。わかりました。その勝負、お受けいたします。というか、キース様は、自身の身体強化を早く試したいという気持ちもあるのでは?」



「……。」




俺がそういうと、キースはそっぽを向いてしまった。なんだ、少年らしいところもあるんじゃないか。




「では、訓練場へまいりましょうか。」










ーー









俺たちは、グートン先生に立会人をお願いした。



「それにしても、お前は勝負が好きなのか? 最近、やたらとジルベルト殿下とも勝負をしている気がするが……。」



先生、俺を戦闘狂かなにかと勘違いしていないか? 確かにジルとの訓練は俺が提案したが……。あれから、勝負を仕掛けてくるのはジルのほうだ。今回も、俺が仕掛けたわけではない。




まぁ、いちいち反論するのも面倒くさいから、必殺の貴族スマイルでも浮かべて流しておこう。





俺の必殺の貴族スマイルが功を奏したのか、先生は何事もなかったかのように、試合の準備を始めた。








ーー










『それでは、始め!』



相手は雷属性だ。対する俺の属性は、氷一択だな。




『咲け 白薔薇姫』



俺が魔刀を起動すると、キースは目を見開いた。



「こ、これが魔刀本来の力……。」


「質問は後で受け付ける。」


「わかりました、行きます!」








 キンッ! キンッ! キンッ!











くっ! 速いし、一撃が鋭い。ただ、対処できないレベルではい。相手は身体強化を覚えたばかりだ。それに、同じ師に教わっている。




しかし、キースにはここから先、俺の右腕として強くなってもらいたい。ここは完膚なきまでに叩きのめして、這い上がってきてもらいたい。だからこそ、ここは小窓や能力は使わずに戦おう。







全魔力を魔刀にこめ、一撃で決める!





「流石です、アース様。しかし、俺もまだまだこれからです!」




「キース様も流石です。しかし、まだ私には勝てない。いくぞ、白薔薇姫!」




ドンッ!






キースの体が、後方へと吹き飛ばされた。そして、立ち上がることはなかった。気絶したようだ。










ーー











「目が覚めましたか、キース様。お加減はいかがですか?」



俺がそういうと、キースは目をそらしてしまった。




「わ、私は負けたのですね……。」




すると、グートン先生が急に大声で笑いだして、キースの肩をたたいた。





「ははははははっ! キース、惨敗だったな! アースはただ力をぶつけただけだぞ! 空間や魔刀の能力を一切使っていない。本気のほの字も出ていなかったぞ!」




「ち、父上……。申し訳ございませんでした。」




「いいや、謝ることはないぞ! それよりも雷属性の身体強化、見事だったぞ! 俺の見込んだとおりだな。これからもっと強くなれよ。」




「ありがとうございます、父上……。」



キース少年本当にうれしそうだな。これでたまっていたものが、吐き出せただろう。


俺がそんなことを考えていると、キースがおもむろに立ち上がった。





「キース様、まだ立たれない方が……。」



キースが私の前に跪き、そして、剣を差し出した。これは……、忠誠の儀か。

俺は黙って、キースの動向を見守った。



「私キース・ツーベルクは、アース・サンドール様への忠誠をここに誓います。どうかあなたに、この剣を受け取っていただきたい。」




俺は忠誠の儀の作法通り、差し出された剣をキースの首元にあてる。




「私、アース・サンドールはキース・ツーベルク、あなたの忠誠を確と受け取ります。これからよろしくな、キース。」





「はい、こちらこそよろしくお願いいたします。アース様。」





これで一人目の側近ゲットだな。あと三人ほど側近が欲しいな。






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