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俺とジルが、俺の側近について話していると、グートン先生から、自分の息子はどうだと勧められた。




「グートン先生のご子息ですか?」


「あぁ、そうだ。お前さんの誕生会に、やけに静かなのがいただろ? あれだ。」




あぁ、いたいた。他の子供たちが接待大会を開催する中、一人だけ話しかけてこなかった男子がいたな。逆に目立っていたから覚えている。




「はい、覚えています。先生のご子息なら、安心ですね。」


「まだまだ、未熟ものだけどな。今度連れてくるよ。」




「側近候補が見つかりそうでよかったな、アース。」


「あぁ、ありがとう。」



そうして俺が、グートン先生の息子について思いをはせていると、ジルから目の覚めるような発言があった



「それにしても、さっきの戦いでお前光魔法全く使わなかったな。確か、光属性も持っていたよな?」



くっ……、俺の黒歴史をほじくりやがって! あ、そうだ。この前ジルにつけたあだ名を、ここで披露しようか!



「うるさい、マダムキラー!」



「は? なんだよ、それ!!」










ーー













「マクウェル兄上、オールテット学園への合格おめでとうございます!」


「アース、ありがとう。みんなのおかげだよ。」




 しかもマクウェル兄上は、我が国の首席で合格したらしい。本当に尊敬するな。




「マクウェルは、我がサンドール家の誇りだ。」

「本当ね。マクウェルが精一杯頑張った結果よ。私も本当にうれしいわ!」



と、父上と母上がマクウェル兄上の頭を撫でまわしながら言った。マクウェル兄上は、犬か?




「父上、母上も本当にありがとうございます。学園へ行っても、精進します。」





更に話を聞くと、マクウェル兄上は第一王子の側近になったらしい。本当に優秀だな。




俺たちが、マクウェル兄上の合格を祝っていると、父上からグートン先生の息子さんの件を尋ねられた。



「ところで、アースの側近についていただが、ツーベルク殿からご子息をお前の側近に、という話があったそうだな?」


「まぁ! ツーベルク様のご子息なら安心だわ。たしかアースと同い年でしたよね?」




「はい、そう聞いております。一度お会いして、仮側近期間を設けたいと考えております。」




「わかった。私から、伝えておこう。」



さてどんな感じの子が来るのかな。俺の中身は大人だからな。寛容な態度で臨むとしよう。










ーー








今日はいよいよ、側近候補の少年と会う日である。


「おう、アース。俺の所の次男のキースを連れてきたぞ。キースご挨拶を。」



グートン先生のあとを受けて、少年が前に出た。



「空間と時の女神の祝福を受け、類いまれなる出会いに感謝をすることをお許しください。お初にお目にかかります。ツーベルク侯爵家次男、キース・ツーベルクです。本日は、よろしくお願いいたします。」





おー! すごい懐かしい! 黒髪に黒目だ。日本人の血が騒ぐな。しかも、切れ長の目のイケメンだな。日本にいたら、芸能人になれるな。






「許します。お話しするのは初めてですね。アース・サンドールです。よろしくお願いいたします。今日来ていただいたということは、側近の話を前向きに考えていただいているということでしょうか?」





俺がそういうと、キースは下を向き、そして首を振った。




「その件ですが、私はアース様の側近には力不足だと考えます。」




「それは、どういうことでしょうか?」




「……。」




大人がいると話しにくそうだな。ここは二人きりで話すことにしよう。何か理由があるなら、解決して、側近の話を前向きに考えてほしい。なぜなら、俺のことを「よいしょ」しない、貴重な人材だからだ。





「申し訳ございません。キース様と少し二人きりでお話しさせていただいてもよろしでしょうか?」




俺がそういうと、グートン先生は気を遣ってくださり、許してくれた。




「ではキース様、私の自室でお話ししましょう。」











ーー















 俺が人払いをと命じると、侍従たちが速やかに部屋を出ていく。



「さて、キース様。詳しく理由を聞かせ願えますか?」




俺がそういうと、キースはぽつぽつと理由を話し始めた。




「は、はい。私は雷属性なので、弱いのです。護衛騎士団団長の息子なのに……。」



雷属性が弱いだと? 俺にはそうは思えないが……。さらに詳しく話を聞いてみよう。



「父や兄上、そして姉上は火属性を持ち、火の身体強化で騎士として活躍しているのです。火属性は最も火力が出せ、身体能力も高められるため、身体強化の魔法と相性がいいのです。それに比べて私の属性は雷です……。父上たちのような火力が出せないのです。」




そういうことか。火属性の家系なのに、キースだけ雷属性というわけか。




それは何というか……。雷属性が弱いというよりは、雷属性で戦うイメージができていないだけではないだろうか?




「雷属性も、身体強化と相性がいいと私は考えます。それに、グートン先生はキース様に期待なさっているとも思います。」




 すると、キースが大きな音を立てて、立ち上がった。




「そ、そんなはずはありません! 実際父上との訓練時間がここ最近減っています! 私は、見限られているのでしょう! 」





「それは、私の家庭教師の仕事が新たに増えたからではないですか? 私が訓練の時間の延長をお願いしたからだと思います……。キース様の訓練時間を奪っていたとは……。申し訳ございませんでした。」




すると、キースが俺をにらんできた。




「は、はぁ、なるほど。父上は私より、アース様を鍛える方を優先しているということですね。やはり、私は当に見限られているんですね……。」



「それは違うと思います! 第一見限った息子を……。」





俺がそういうと、俺の首元を掴む勢いでキースが詰め寄ってきた。




「あなたに何がわかるのですか! 空間属性を始めとした四属性を賜り、魔力量も高い。魔導士を目指すのかと思ったら、剣術の才能もあるではないですか! そんな恵まれた方に、とやかく言われたくはありません!」





あぁ、なるほど。俺に対してこういう感情を持っていたのか。だから誕生会でも、話しかけてこなかったのか。そうであるならば……。






「……。キース様。私の話を聞いてくださいますか?」






「……。」





その無言は、続きを話してみろということかな? ならば、要望通りたくさん話そうじゃないか。






「確かに私は四属性持ちですが、光属性の攻撃魔法と補助魔法が使えません。そして、光属性には防御魔法がありません。つまり、私の光属性は死に属性というわけです。みっともないでしょう?」



「え……。」


俺が告白をすると、キースから、怒気が消えた。





「それに私の空間属性は多方面から狙われる可能性を孕んでいます。だからこそ、私は自分自身と私の周りの人たちを護るために、強くならなければならないのです。」




すると、しばらくの沈黙が流れた。俺がキースの反応をうかがっていると、下を向いて俯いていたキースが、悲痛な顔で頭を下げた。




「も、申し訳ございませんでした。何も知らずに、アース様のことを一方的に責めてしまい……。」







「頭をお上げください。気にしていませんよ。客観的に見れば私は、恵まれているのでしょう。しかし、これは周りの皆さんのサポートがあってのことなのですよ。私自身の力だけではありません。グートン先生は剣術を教えるのが本当にお上手ですからね。感謝してもしきれません」と、俺は先生のことへと話を流した。


俺は暗い話をしたいわけではないからな。少しでも可能性があるのなら、キースには側近の件を前向きに考えてもらいたい。




「は、はい! 父上の指導は厳しいけれど、わかりやすくて……。申し訳ございません、急に大きな声を出してしまい……。」


「いえいえ。キース様は本当にグートン先生のことを尊敬しているのですね。」



「はい! ですが、父上は私のことを……。」




そしてそれは、キースの誤解だと思う。




「それは誤解だと思います。よく考えてみてください。仮に見限った自分の息子を、教え子であり、公爵家の人間でもある私の側近へと推薦すると本当に思いますか? 」



「た、確かに……。父上は出来損ないを人様の側近に推薦するようなことはしないと私も思います……。」



「はい、私もそう思いますよ。だから私の側近の話を前向きに……。」



「で、でも! 私は雷属性で、身体強化が……。」



その認識をまずは、改めなければならないな。俺の考えが正しければ、雷属性は火属性にも引けを取らないレベルの、身体強化ができる可能性を秘めていると思う。



「キース様。雷属性は確かに火力だけならば、火属性に劣るでしょう。しかし、雷属性は貫通力が高い点や、直線の移動速度が群を抜いている点など火属性よりも優れている点があります。この点を身体強化として利用し、騎士としての力を発揮すれば……。本当に火属性持ちの騎士に、劣ると思いますか?」





俺がそういうと、キースは泣きそうな顔をした。




「お、思いません……。しかし、私は身体強化をしたことがなく、ましてや雷属性でなんて……。父上たちと違うので、イメージができません!」




身体強化のイメージ練習なら、俺の魔刀がうってつけだ。





「身体強化は一種の属性付与です。私の刀を使って、そのイメージをしてみましょう。」




「そ、その剣は何ですか……?」


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