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あとがきに、第七章の予告を載せておきました。気になる方は、是非チェックしてみてください!


では、本編をお楽しみください。



「エリック、耳に穴をあけるための、細い針みたいなものはあるか? あと、そこの炉も貸してもらってもいいか?」



「針は……、これがいいですかね。炉ももちろん大丈夫です!」



俺はエリックから受け取った針を、氷の魔力で凍らせた。




「アース、なんで凍らせたの?」と、ミラルが聞いてきた。そうか、この世界には、殺菌とかそういう概念がないからな……。



「簡単に言うと針の表面をきれいにするためだな。耳に穴をあけるわけだから、清潔にしないとな」と、俺が言うとみんなは何となく頷いたようだった。まあきれいにするということが伝われば、大丈夫かな?




「穴をあける係だが、エリック頼むな。針の熱し具合とか、一番知識があるだろ?」




「……わかりました、自分がやります」と、緊張した面持ちで、エリックは引き受けてくれた。




「ありがとう。最初に俺が、と言いたいところだが、回復魔法を自分にかけながら耳に穴をあけるには少しイメージ力が足りないから、最初は他の人の耳をみながら、イメージを固めたい。だから、先に誰かやってくれるか?」と、俺が見渡すと、キースが名乗り出た。



うん、なんとなく、キースが最初に名乗り出る気はしてたな。






『癒せ 清流の衣』



「そ、それは……」と、俺の清流の衣を見たエリックが驚きの声を上げた。



「これも内緒な。これが俺の回復魔法なんだ」と、俺は人差し指を口元にあてて言った。





「わ、わかりました。それでは、いきますよ。」





エリックが、刺した瞬間に俺は、回復魔法をかけた。




……うん、うまくいったみたいだな。きれいに穴が開き、その周りは治癒している。




「キース、どうだった? 大丈夫そうか?」



「あぁ、確かに刺した瞬間は多少痛いが、その痛みも一瞬だ。よほどの痛がりでもなければ、誰でも大丈夫だと思う」と、ローウェルを見ながら言った。



「……わかった。じゃあ、反対もいくな。」




なるほど、注射みたいなものか。確かに注射って、刺した瞬間は痛いが、その後は特に何ともないよな。まあ、腫れることはあるが、そこは回復魔法がある。しかも、こっちでは回復魔法がついているから、痛みを感じる時間は更に短いだろうな。









そうして、最初は怖がっていたローウェルも、終わってしまえば、「もう、終わりですか?」、と聞いてくるくらいには痛みが一瞬だったらしい。




これで、全員が終わったのだが、俺の場合は自分に回復魔法をかけるとかなり痛いのも相まって、側近たちよりは痛かった。しかし、片耳だけだったから、何とか我慢できた。







「じゃあ、今日はありがとな、エリック。次は来週に鞘を取りに来るときに会えるな。」


「はい! こちらこそ、楽しい時間でした! ありがとうございました。」



「あぁ。あ、そうだ。エリックもピアスをつけたくなったら、いつでも言ってくれよ。穴を開ける作業を手伝うからさ。」



「はい、その時はぜひよろしくお願いします!」と、エリックは笑って見送ってくれた。


















ーー














俺は屋敷に着いた後、側近たちにピアスの動作確認をするように伝えた。

それから各自、アイテムボックスや思念伝達のチェックをし始めた。




結果は、全員問題なく使うことができた。


「よし、皆大丈夫そうだな。それにしても、お前ら、似合っているぞ! 顔が言い分、ピアスが映えるよな。」



「アースも似合っているよ、銀髪にぴったりだね」と、俺よりもピアスが似合っているミラルが、言ってくれた。



「それにしても主、これは絶対流行りますよ。後期からの学園ではどうするんですか?」



たしかにな……。貴族は新しいものが大好きだから、絶対聞かれるだろうな……。うーん……、そうだ!




「「熱した針で耳に穴を開けることが必要で、とても痛い」という内容を、聞かれたときに答えるのはどうだ?」と、俺が提案するとみんなは頷いた。




「言葉で聞くとインパクトがありますからね、それで、あきらめる人もいるでしょうね。」



「そうだな、あとは「このピアスは高い」、とでも言っておけばいいだろ」と、キースが付け加えた。



「なるほど、「ルーン石」は確かに高いな。噓を言うのはよくないものな。それでいうと、確かに「このピアス」は高いな。」




「明日殿下にも相談してみようよ」と、ミラルが提案した。



「そうだな。じゃあ、今日は解散な。」





明日は、第二王子たちとの茶会の報告をしにジルのもとへ行く予定である。











ーー














次の日。



「なぁ、お前ら、双子に魔刀を渡そうと思うんだけど、どう思う?」と、出発まえに側近たちに聞いてみた。



俺は、ジルのガードを固めるために、双子に魔刀を渡すことを考えていた。しかし、その前に側近たちの意見を聞きたいと思ったのだ。




『私はいいと思うよ、あの変な連中が襲ってきたら、正直魔刀なしだときついと思うよ。』


『確かにね、偽魔剣を相手にするなら、魔刀は必須でしょうね。』


『自分もそう思いますね、殿下を確実に守るためには必要でしょう。」』



と、三人は賛成してくれた。しかし、キースの発言で俺は、少し魔刀を渡すことをためらってしまった。



それは、「俺も必要だとは思うが……オーサックが面倒くさそうだな」という発言だった。



魔刀を手に入れた、戦闘狂のオーサックがどうなるかは、想像に難くないな。だが……、それは目を瞑るしかないな。しょうがない……。オーサックとかかわる機会の多い、騎士組にはぜひ頑張ってほしい。


俺はエールを込めて、騎士組にグッドサインを送っておいた。











ーー








俺がジルの部屋に着くと、早速俺の話が聞きたいということになった。

側近たちには部屋の外で待機してもらっており、今はジルと二人だけである。



「さて、その耳についているものも気になるが、先に兄上とヴァイオレット様とのお茶会の件について聞かせてもらってもいいか?」



俺は、俺自身が再び側近に誘われたことや、俺の側近が引き抜きにあった事を伝えた。そして……。



「俺自身も、攻撃対象になり得るか……。そういえば、司教やデーブンと戦った時も、「邪魔な第三王子を排除できる」、的なことを言っていたよな?」



「あぁ、確かに言っていたな。だとすると、もともと攻撃対象で、さらに攻撃する理由が増えたということか?」



「そういうことだな。前までは、「第三王子」が邪魔で、今回からは「第三王子かつジルベルト自身」も邪魔になったということだな」といいながら、ジルは腕を組んだ。



「……どういうことだ?」



「前までは、王太子候補であった第三王子としての俺が邪魔だったが、最近になって、アースの主としての俺も、邪魔になったということだ。」



……なるほど、そういうことか。

だとすると、「第三王子」としてのジルを狙う連中と、「俺の主」としてのジルを狙う連中で分かれているのか? それとも、同じ連中なのだろうか? どちらにしても、ジルが狙われやすくなったことには変わりはない。





「どちらにしろ、俺もさらに警戒を強める必要があるな。まだ、魔刀を使った戦闘に出会っていないのが不幸中の幸いなのかもな。まぁ、これからは、そういう戦闘もあるということだな」と、ジルは魔刀を触りながら言った。



「それなんだが、双子にも魔刀を渡そうと思うんだが、いいか?」



「お前がいいなら、俺に異存はないぞ。むしろ、礼を言うよ。それにしても、俺自身の件もだが、お前やキースたちに対する態度もひどいものだな。アース、よく我慢できたな?」と、挑発的な笑みを浮かべてきた。



白薔薇姫を発動しそうになったり、魔女の森を氷漬けにしたりしたとかいえないよな……。よし、黙っておこう。




「……何とか我慢できた。側近たちが、合間で声をかけてくれたからな。」



「それならよかった。傷ついたりしていないか?」と、俺自身への心配もしてくれた。こういうところが、本当にやさしいな。



「ムカつきはしたが、傷ついてはいないから大丈夫だよ。」



「わかった、安心したよ。それじゃあ、その耳につけているものについて教えてくれよ!」



第七章 傷だらけの王子編



「俺が空間属性持ちであることを、開示しようと思うんだ。」



「運び屋――――! 今すぐ、俺様のもとへ来い!」





「ドゥアンジョンきたーーーーーーー!!」


「時にアース、明日のトーナメントは優勝できそうか?」


明日は魔闘演舞の第一学年トーナメントだ。つまり、俺が一番手というわけである。対戦は一対一で行わる、トーナメント方式である。俺は、自分で言うのもなんだが、同学年の相手には負けないと考えている。






『合技 双龍の咆哮』



『咲き誇れ、溶岩の花よ 大輪花』



「ローウェルとアスタに仕事だ。先ほどの立会人の素性を調べてくれ、特に出身国をな。」



『蠢け』





「……、誰かに許されたいか?」







第七章ぜひともお楽しみに!! 火曜日はお休みをいただきまして、水曜日から開始です!

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