『俺』の始まり
そこは暗かった暗い、暗いとても暗いまるで海の底のようだ
だけど少しづつ少しづつ光が差し込む
そして...
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「あ..?」
一瞬だった、ガヤガヤとした雑音が途切れ
「ああああ!!やった!意識が!戻りました!!」
「やったぞ!速く!速く社長と画面を繋げ!目を覚ましたぞ!!」
「あああああ神様ああああ!!!」
「よかった!!.......本当に良かった……っ!!」
歓喜の雄たけびを上げた
その声の圧に少しくらくらする
何事か把握できずにいると
薄い黒いガラスのようなものが運ばれ
そこから光が出た
『おーい!つながっているかー。おー我が息子よ!』
光に写った体中にチューブを付けた具合の悪そうな男性がこちらに呼びかけた
「........」
『おいおいノーコメントかよ。奇跡の再開なのにさすがに傷つくぜ..あのことをまだ引きずっているのか?..あー悪かった、悪かったよ。エルタナ校の推薦のことで怒鳴ったりして、お前もお前なりに考えていたんだよな。あんなふうにいきなり否定することは、間違っていたと知っ』
「すっすいません!」
『ん?なんだ』
ずっと気になっていたことを言う
ずっと困惑していたことを言う
「あなたは、誰?」
俺はそう見覚えのない男性に聞いた
読んでくれてありがとう