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異世界大森林ライフ  俺って森か??   作者: 森林浴
森とゆかいな住人達
9/88

五百年後の世界 前編



 我は目覚めた・・・


ぽわんと顕現する。


「クックックッ・・・フハハハハハ ワーハッハッハッ!」


「我この世界に目覚めし魔王なり、この世界を蹂躙し魔界に落とすために復活したのだ!!ワーハッハッハッ!!」


 「貴方、起きてすぐの言葉がそれなの?何、中二病を発症してるのよ・・・」


「おわっっ!!吃驚した・・・」


俺は恥ずかしくなってきた。子供の頃に思った言葉を言ってみたかったのに、まさか人が居るとは思わなかった・・・


 「貴方、幾つなのよ!子供なんだから、キュリアちゃん如何してるかなとか?思わないの?」


キュリアはご機嫌斜めである・・・


椅子に腰を下ろし卓に頬杖を付きながら此方を見ている、顔は完全に呆れている。


「お・おはよう、キュリアさん居たのですか、如何して此処に?」


俺は少し焦りながら言った。


 「おはよう! 如何してって、貴方が暇だったら遊びに来てって言ってたじゃない。」


「確かに言ったけど・・・俺寝てたよね? まさか襲いに来たとか・・・俺の貞操は大丈夫なのか・・・」


 「もう!バカな事言わないで!第一貴方は、分身(肉体)が無いじゃないの!」


「ああ、そうか・・・ってもし分身が有ったらヤバかったって事か?ブルブル」


 「そんな訳ないでしょーーーー・・・多分・・・」


「そこは自信を持ってくれよ・・・」


 「そんな事より、監視に戻しなさいよ!エナジーはもう十分溜まってるから分身を作れるわよ。」


 監視!!光った時に止める。外から鳥のさえずりが聞こえてきた。窓から見ると朝霧が出ている様だ。


 俺達二人は、扉を開いて外に出た。目の前に森の景色が広がる。


 森の木々は霧の中に隠れており、雲が広がっているように見える、森其の物が、雲海の中にあった。何処までも続く雲の景色と陽の光のコントラストが森を幻想的に見せている。


 「綺麗だな」「綺麗ね」俺達は同時に呟いた。キュリアは顔を真赤にしている。


あれ?ここで何か赤くなる要素って有ったか?女性って本当によくわからないな・・・


  「もう!バカ!鈍感!!」キュリアは怒ってる・・・


 段々朝霧が晴れてくると、全く知らない世界が広がっていた。


 何時の間にかラヴォージェの木の周りには小さな広場が出来ており、周りの木にはツリーハウスが彼方此方に出来ていた。そして広場には人の姿が見えている。


「ラヴォージェさん、なんでこんな事に成っているのですか?」


 「お早う御座います。ケミン様良く御休みに成られましたか?お二人で仲睦まじく、羨ましい限りですなフォ・フォ・フォ」


「お前何邪推してるんだよ!俺達は何でもないよ!!なぁキュリア?」


 『何でもないのか・・・』


なんでそこでショボンとするんだよ・・・


「そんな事より、これ如何なってるの?こんなの聞いてないけど?」


 『そんな事・・・』


今にも泣きそうである・・・どうして打ちひしがれてるんだよ・・・


 「これは、私の子供達が来たのですよ。」


「えぇ?ラボージェの子供?子供産んだのか?」


 『ケミンとの子供・・・ほしい・・・』


キュリア何言ってるんだよ・・・こいつは放っておこう・・・


 『いやーーーー!放って措かないで!今までずーっと放っておかれたんだから―!』


「判ったから・・・一緒に静かに聞いてよ・・・」


 『わかったわよ』


 「仲がお宜しいですなフォ・フォ・フォ」


「それで子供ってどういう事なの?」


 「此の者達は、エルフ族です。エルフ族は精霊の子供と言われているのですよ。しかし、私が産んだのではなく、私の周りに自然と発生するのです。」


 『エルフ族なら私も知ってるわよ。長寿命で耳が長く尖っていて、果物が好き。特に林檎が好きなのよね?それにエナジーは人型の中で一番多く放出するわ。人間の約百倍、つまりエルフ百人で人間一万人分になるの。』


「林檎が好きなのか、俺と一緒だな。自然発生って今どのくらい居るんだ?」


 『ケミンは林檎が好きなのか・・・ケミンの秘密、知っちゃった♡』


別に秘密じゃないから・・・


 「エルフが発生し始めてから二百年程経っていますから六十人位は、居ると思います。」


「発生って事は、性別はないのか?」


 「いえいえ、性別もありますよ。子供もちゃんと生みますよ、何なら呼んでみますか?」


「話がしてみたいな。呼んでもらえるかな?」


ヒューン・ヒューンっとラボージェの木から音がすると二人のエルフがふわふわと漂うように飛んできた。どこから音を出してるんだよ・・・


 二人のエルフは、性別に殆ど差が無いように思える。服装も綿の素材でふわりと上からかぶせた様な布であるギリシャ神話で出てくる服の様だ。男女とも同じである。違いと言えば、男性のエルフは、百八十センチはあろう長身で深緑の髪色でウェーブのかかったセミロング、目は大きく瞳の色は紫で、少し痩せ型だが、何処から見てもイケメンである。女性のエルフもまた美女で、身長は男性より若干低く百七十センチ位、深緑の髪色でストレートのロングヘア―前髪は綺麗に切り揃えられており、切れ長の目で紫の瞳、ボディーラインは女性なのか?と思うほど凹凸が少ない?


 あれ?これは、どこかで見たような・・・


「あーー!すずちゃんだ!!」


俺はそう叫んでいた。エルフ達は不思議そうな顔をしている。


 『なんで私なのよー!!私はここに居るじゃない!!』


「だって瓜二つなんだもん・・・」


 『全然違うじゃない!!まったくもう!!』


女性のエルフの隣に行き、全然違うアピールをしているが・・・俺は顕現体ゲンブツを知っているのだ。思わず笑いそうになるのを必死で堪えた。


キュリアはぷりぷり怒っているが・・・少し宥めよう・・・


「うんうん。キュリアはグラマーだよ可愛いよ。」


 『えー♡可愛いかなぁ♡』


こんなチョロいのか!これは良いや、これからこの手で行こう・・・


「さて、ラヴォージェから聞いていると思うけど俺は、この森の意思だよ。ケミンと呼んで欲しいな」


俺はエルフ達に話しかけてみた。


 「ケミン様、私たち夫婦は、エルフ族の長をしております。ハイエルフと申します。改めて此処に居住する許可を頂きたいのですが。よろしいでしょうか?」


「俺が寝ている間は、ラヴォージェに任せていたからね。それにラヴォージェの子供なんだろ?許可は必要ないから安心していいよ。」


 「有難う御座います。これからもよろしくお願い致します。」


「硬いよ。普通に話してくれて良いからね?」


「それと、近いうちに種族の長を集めて会議をしようと思うんだ。それにも出席してね。」


「「分りました。夫婦で参加します」」


綺麗にハモった。!夫婦すげえ!


ハイエルフの夫婦は嬉しそうに顔を見合わせていた。キュリアは何故かそれを羨ましそうに見ていた。


 『会議するなら私も出るー!』


「なんで家の森の会議にキュリアが出るんだよ・・・」


また我侭が始まったか?


 『我侭じゃないもの・・・だって女王蜂も来るんでしょ?だったら私も出ないと駄目じゃない!!ケミン取られ・・・ぅ」


 「あらあら♡。キュリア様は、そう言う事ですの♡でしたら一緒に出て頂かないとだめですわねぇ?アナタ?」


 「そうだな、私からも進言いたします。会議にキュリア様も一緒に出て頂きたく。」


ハイエルフの夫婦が、何故かキュリアの味方に付いた。夫婦揃ってキュリアを見ながら微笑んでいる。


  「ワタシも味方に付きますよ。ケミン様、イリュージョン♪」っと言ってラヴォージェは、カサブランカの花を咲かせた。なんだー?何の意味が有るんだよ・・・てか謡うなって・・・


「判ったから・・・じゃーキュリアも出席ね。」


 『やったー、日付が決まったら絶対連絡してね!』


「はいはい、みんなキュリアには甘いなーー」


 「キュリア様、ラヴォージェが、必ずお伝えしますから安心してください。」


 『ラボージェ有難う!!』


何だか良く解らないけど仕方ないか・・・




そんな話をしている内に空は夕焼けに染まってきている。


「では、我々はこれで暇致します。」そう言ってハイエルフの夫婦は、地上に降りて行った。




「ラヴォージェ、俺が寝てから何年経ってるんだ?」


俺はふと気になって聞いてみた。


 「約五百十年位でしょうか。」


 『今は、精霊暦618年4月19日よ。あなたが寝る時に国が出来たでしょ?それで暦が決まったのよ。あなたはこの世界で六百年強、寝てた事になるわね。』


キュリアは、したり顔で言った。


「精霊暦ってなんだ?」


 キュリアは、頬を薄っすら染めながら俯き加減で言う。


 『精霊が起こした国、って意味で付けられたみたいよ・・・』


成程、それで恥ずかしそうに言ったのか・・・


 『もう!五月蠅いわね!』


 「本当に仲が良ろしいですな」


ラヴォージェは楽しそうだな!




 夜の帳が降りてきている。俺は、久しぶりに上空に昇る。キュリアも後を追ってきた。


 「貴方、寝てる時に夢を見てたでしょ?」


突然そんなことを言ってきた。


「なんで?突然・・・多分見てたと思うけど」


 「貴方の表情が沢山変わってたから、どんな夢を見てるのかなって思ったのよ」


「どんな夢?夢だったのかな・・・昔の後輩と話してたよ。」


 「あーぁなるほどー・・・・で?如何だったの?」


「懐かしかったかな・・・」


 「そうなの、良かったわね・・・」


 俺とキュリアは空を見上げた。満天の星が輝き、天の川も綺麗に映っている・・・


「キュリアは如何してたんだ?」


 「国の行く末を見てたのよ、時々貴方を見に行ったけど・・・」


 (本当は、ずっと貴方の側に居たけど・・・これはヒミツ)


そんな話をしているうちに夜は更けていった。

新たに3人のブックマーク登録を頂きました有難う御座います<m(_ _)m>

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