大森林の点検
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<m(_ _)m>
ルミナの結婚式が終わり日常が帰って来た。
俺は今も午後からは、青空学校と保育園の手伝いをしている。子供達と遊びながらふと思い立った。
「あれ?エナジー移送装置を設置してから森の点検してないよね?」
俺は誰とはなく問いかける様に言った。
「ここは貴方の中なんだから貴方が行かなければ誰も行かないわよ?」
キュリアが当たり前じゃないみたいな顔をして言った。
当たり前なのかよー。てかキュリアとかベルとか自分の湖や山脈を点検しないのか?
「点検しない事も無いけど貴方ほどエナジーが溜まってないもの、癌化の心配もないし100年に1回でも十分よ!」
「左様で御座いますか!じゃー設備点検と巡回行ってくるよ!」
俺は一寸ムッとしたように言うとぽわんっと顕現体になりぴゅーッと飛び上がった。
うーん先ずは、エナジー移送装置の稼働状況の点検だな!
排出装置の稼働は3台だよね。グーの場所から見に行くか!俺は東の平原の境界まで移動する。
グーの排出装置に着くと俺は唖然とした。其処には、鳥居と社があったのだ。
グーは神社にしたのかよ!マニアックだな!
社からは、淡い仄かな青い光がフワフワと出ていた。これちょっと不気味じゃないか?それとも神聖なのか?神がかってるとか?今一趣旨が解らねぇ・・・
然も賽銭箱まで設置して有るし、注連縄まであるし・・・
どんだけ拘ってるんだよ!
これって賽銭入れる人いるのか?この世界の人だと賽銭の意味わからねーだろ!
社の扉を開けて中に入ると神様ならぬ魔法石が鎮座していた。
おいおい!御神酒まで飾ってあるぞ!まさか口噛み酒じゃねーだろうな。フォルリさんの口噛み酒とか?此処まで拘ってるとグーなら遣りそう・・・
てか隕石降ってきたりしないよね!男子と女子が夢の中で入れ替わるとかないよね!
それはさておき、魔法石はしっかり稼働しているようで常に淡い仄かな青い光が漂っている。社の中は、エナジーで充満している様だ。これってもう少し風通しが良い方がいいんじゃないかな?
このままだと社の中で高エナジー結晶が出来るかもしれない。
これは要検討課題としてグーに言っておこうかな。
御神体の裏に回ると地下道に降りる穴が開いている。きちんと扉が付いてるな。これなら地下道に動物など侵入しないだろう。
俺は扉を開けて地下道に入って行く。俺は体を発光させて移動する。一応ミスリルワイヤーの点検もするが、エナジーが排出されていたから切れてる事は無いだろうな。
地下道を進んでいくとエナジー吸収装置に着く。これで屋敷の地下に戻ってきたことになるな。
此処に3台ある吸収装置も異常なく動いていた。自動化出来たので良かったよ。
毎日手動で動かしてたら本当に大変だったと思う。多分3日で動かさなくなるな!キュリアなんて1回で終わりそうだな!
今度は、キュリアとベルの地下道を行く。途中で川の下を通るが、水漏れなしだ。撥水の魔法も効いている様だな。
ベル行きの分岐を過ぎるとキュリアの排出装置がある。地下道から外に出てみると其処にはガゼボがあった。
ガゼボの中央に円卓と椅子が有りそこの下に魔法石が設置してあった。足元から淡い仄かな青い光が出てくる演出だな。
分身に戻り椅子に座ってみると足元が仄かに光っている。おおー!わりとオシャレじゃん!
湖を眺めてみると小波が立つ湖面に陽の光を浴びてキラキラと光っているのが見える。水の色は濃いブルーでなんとも幻想的な風景である。キュリアがお気に入りの場所だからな。
私、綺麗でしょ!とかいいそうだな!
キュリアの装置も異常なしだった。最後にベルの装置に行こうか。
俺はまた顕現体に戻ると地下道に降りて行く。そしてベルの分岐まで戻るとベルの地下道に入って行った。
ベルの地下道はかなり長い。山脈の麓までは距離があるからねぇ。
途中まで進んだ所で、床に光る異物が落ちていた。高エナジー結晶が落ちていたのだ。
此処は地下だから出来て当たり前?でも床に落ちていたって事は、吸収されないって事か?
これは相談案件だな。独りで考えても解らん!
その後も数個の高エナジー結晶を拾った。
そしてベルの排出装置に着くと其処は山小屋だった・・・
いやいや!いくらアレクサンベール山脈だって言っても此処は麓の森だから!
小屋って言えば小屋だけどさ!然もここだと人なんか来ないだろ・・・
みんなツッコミどころ満載だな!
まぁ設備が保護されていればいいけどな。
ベルの所もきちんと地下道の降り口には扉が有った。これも大丈夫そうだな。
排出装置もきちんと稼働しているし、問題無いだろう。
設備の点検が終わると森の点検と言う名のモフモフ探しになる。今日は新種のモフモフが居ないか確認しようと思っている。
分身体に戻り北の方から順に空を飛びながら点検だ。
北の方には、初めて見る鹿が居たよ。
平たい角に巨大な体、鹿のサイズじゃないよ!毛並みは本当にモフモフだ!此れはヘラジカだな!
勿論近寄ってぱふんと抱きつく。あああこりゃ堪らん!
毛足長めのモフモフだよ!森の中央では、無い感触!手がモフンと毛の中に埋まっていく。
俺が抱きついても意に介せず草を食べている。全く持って動じなかった!俺が抱きついている事すら判らないのか。
一頻り背中でモフモフを堪能すると次のモフモフ探しに向かう!
東を経由して南に向かうと狼達がいる。これはコックローチの時にラヴォージェの所に来た集団だ。何時ものメンバー!其れとレッドグリズリーの親子、子供もだいぶ成長してた。まぁ楽しそうに遊んでいたけどねぇ。
南には虎さんですー!此れも何時ものメンバーだな!虎さんには抱きつく。俺のお気に入りなのだ!
俺が見えたのかその場でコロンと横になった。ちゃんと受け入れ態勢をとってくれるのだ。
お腹に顔をスリスリとしながら虎さんに聞く
「この辺で新しい動物を見てないかい?」
「木からぶら下がってる変な生き物が居ましたねぇ。もう少し南の方ですよ」
「有難う行ってみるよ」
俺は虎さんに挨拶をすると森の中を南に進んでいくマリ川を超えたあたりで熱帯雨林の様なジャングルに変わってくる。
その中で発見した!枝にぶら下がって動かないやつがいた!なーまーけーもーのー!
まぁよく見つかったな。虎さんに言われなかったら絶対に見逃していたやつだな!
かなり小さい。捕まえて抱いてみた!おおー。思ったよりごわごわ。其れに軽いな・・・
俺の服に鉤爪をひっかけて必死に抱きついてる。これはこれで可愛いな!
眠いのか顔を埋めてくる。寝てる所を捕まえてしまったようだ。
可哀想なので元の枝に戻してやった。
そして南の端まで点検したところで夕闇が迫っていた。
一通り確認しても地上に高エナジー結晶は見られなかったな。地下に数個あっただけだ。
まぁ、エナジーの移行は上手く行ってるようだし、グーの社の改善だけ伝えればいいか。
そんな事を考えながら中央に戻り、いつものお約束の時間になったのだった。
新種の動物が居ました(笑)
アマゾンらしき場所にはもっといるのでしょうが、ケミンには見つかりません(笑)




