ベルの出産とグーの奥さん達
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会議が、終わりに近づいた時、急にベルが苦しみだした。
「ケミン君、僕、陣痛が・・・イタタタ」
「えーーー、キュリア頼めるか?」
俺はアワアワしながらキュリアに確認した。
「任せなさい!何時産まれても良いように準備は万端よ!」
「歩かせて大丈夫なのか?俺が連れていこうか?」
「まだ陣痛が始まったばかりだもの大丈夫よ!一寸経てば収まるからその時に移動しましょう」
痛がっているベルの手を握り腰を擦ってやる。
「ベル大丈夫かい?」
「イタタ・・・大丈夫だよ少ししたら収まるから、ケミン君は本当に心配性なんだから、元気な赤ちゃん産むから待っててね」
「お産には男がいてもぉあんまり役にぃ立たないからねぇ」
グーが、のんびりした口調で話す。その言葉に俺は苦笑いした。確かに腰を擦るくらいしか出来ないよな・・・
「グーは奥さん達にお産の部屋に来るように伝えて頂戴、お産を経験させた方が良いから」
キュリアが、グーに指示を出す。
「解ったよぉ、会議はお開きだねぇ、今から伝えて来るよぉ」
グーはヒラヒラと手を振りながら出ていった。
入れ替わりにヒュパさんとメリトさんが入ってきた。
「「落ち着いたら移動を手伝います」」
俺の奥さん達は連係バッチリだな!
暫く腰を擦ってあげていると少し痛みが、落ち着いた様でベルが言う
「ケミン君有難う、だいぶおさまったから移動するよ。頑張ってくるよ」
キュリアとヒュパさんに支えられてベルが立った、メリトさんが先導してドアを開けて部屋を出ていった。
俺もそれに続いて付いて行く。ゆっくり歩くベルの後を心配しながら付いて行く。
分娩室に改装された部屋の前でキュリアからストップがかかる。
「ケミン、ここまでよ!外で待ってて頂戴!」
メリトさんが扉を開けベルが入って行った。
「ベル頑張ってね」
俺が声を掛けるとベルは薄く笑って頑張るよと言った。
陣痛の頻度は、まだ間隔が長い様で直ぐに生まれる事は無い様だ。
グーが奥さん達を連れて分娩室の前まで来た。
ドアをノックするとメリトさんがドアを開けてくれて奥さん達が、はいっていった。
「うちの奥さん達は、大丈夫かねぇ?」
「たぶん見学だけだと思うよ。子供が生まれる瞬間を見せたいんだろうな」
「そうだよねぇ、素人が手伝っても邪魔になるだけだものねぇ」
グーが納得したように言った。
分娩室の中では、ベルが待機ベッドに寝ておりキュリアが付いていた。
「まだ、陣痛の間隔が長いわね。結構時間が掛かりそう?」
「そうだね、出産予定日から1週間も遅れたから早く出て来て欲しいけどね」
キュリアとベルがそんな話をしている所にグーの奥さん達がやって来た。
フォルリさんが不思議そうに尋ねた。
「お産ってそないに時間のかかる物なんどすか?何時頃生まれるのやろう?」
「人それぞれよ。陣痛が始まってから1日以上かかる人も居るし、数時間でポンと生まれることもあるわ。でも子宮口が完全に開かないと母子ともに危険だからなるべくギリギリ迄待つのよ、たいがいその時に破水するからそれが合図だと思って良いわ」
キュリアが、私達もうベテランだから、みたいなしたり顔で答えた。
「ギリギリになって分娩台に移動するのがきついんだよね」
「はぁ、お産は大変どすなぁ」
「私はポンと産んじゃうわ!数時間でポンよ!」
またもやシャルさんの強気発言、まだ妊娠もしてないでしょうに・・・
キュリアとベルは、生温かい顔でシャルさんを見ていた。フォルリさんは我関せずの顔をしていた。
5~6時間経つと陣痛の間隔が10分くらいになってきたようだ。ベルの呼吸が乱れて来た。
「ベル!まだいきんじゃ駄目よ!ヒッヒッフーとフー・フーよ!」
「うん・・・頑張る」
「これでもまだなんどすかぁ?」
「もう少し短くなるのよ」
シャルさんは手に汗を握りムムムな顔をしている。言葉も出ない様だ。てかシャルさんがいきんでどうするのよ・・・
更に数時間後、陣痛の間隔は、5分程度になる。
「そろそろ移動しましょうか、破水する前に移動したいわ!みんな手伝って!」
ベルをベッドから起こすとゆっくり分娩台に移動する。分娩台までは数メートルの距離なのだが、この移動が一番辛いとベルは言っていた。
分娩台に移動すると支脚器をセットする。
「そろそろ破水するはずよ、ベル頑張って破水したらいきむのよ!」
「ヒュパさん受け取りお願いね。メリトさんはお湯とタオルの準備をお願い」
「二人は邪魔にならない様に見てて」
「僕、これ恥ずかしいよ」
「仕方ないでしょ、めぐり合わせよ!女性ばかりだから気にしないの!」
此処で破水が起こった。
「さあベルいきんで!」
「フー・ンーーーーー!」
ケミンとグーは、隣の待機室で待っていた。ケミンはソワソワ・ウロウロしていた。
「まだかな・・・心配だな・・・」
「お産は時間が掛かるだろうぅ、それにしても分娩室なんてあったんだねぇ、吃驚したよぉ」
「勿論この屋敷を作った時は無かったよ、子供が沢山生まれるから子供部屋の増築と一緒に作ったんだよ」
「たくさん生まれるてぇ?沢山仕込んだからだろうぅ?」
「だから!仕込む言うなよ!愛の結晶だから!製品じゃ無いから!」
[仕込み]と言われると如何しても反応缶を思い出してしまう。反応監視カメラに映る溶液の攪拌されている製品たちが子供か?
ホラーだろーー!
「ケミンはぁ、バカな事考えてるねぇ・・・グフフフ」
「変な笑い方するなよ!」
「普通、攪拌される子どもなんてぇ、想像しないよぉ、ハハハハ」
今度は普通に笑われた。確かにそうだけど・・・ガクン
「まあ落ち着いてきたろぅ?ウロウロしないで座ってまってなよぉ」
「解ったよ、お茶でも飲もうか」
俺が座ってそう言うと直ぐにメイドさん達が、お茶の準備を始めて入れてくれた。
今日のお菓子はクッキーの様だ。紅茶を飲みながらクッキーを抓んで食べながら生まれるのを待った。
そして数時間後、隣の部屋から元気な赤ん坊の泣き声が聞こえてきたのだった。
「う・生まれたーーー!」
「ケミンおめでとうぅぅ」
俺とグーは、ばっと立ち上がり手を取り合う。そして大きく縦に振った。
分娩室のドアの前に行くとドアをノックする。
「もう少し待ってて大丈夫になったら開けるわ」
キュリアの声が聞えて来た。
数分後にドアが開いて中に入るとベッドにベルと生まれたばかりの赤ちゃんが寝ていた。
「ベルよく頑張ったね。おめでとう」
「有難うケミン君、今回は女の子だよ。」
隣でスヤスヤと寝ている赤ちゃんを見る。やはりほんのり光っている。
「精霊の子供はぁ光っているのかぁ?」
グーが不思議そうに言った。
「そうそう、グーの奥さんから生まれる守護精霊達もほんのり光ってる子が生まれてくるよ」
「なるほどねぇ・・・」
「次はグー達の番だよ。頑張って子作り励みなよ!」
「私は直ぐに出来ますわ!」
シャルさん平常運転だなぁ・・・
「ほんまに神秘的な出産でしたなぁ、光る子出てくるとこは幻想的どしたぁ」
フォルリさんは、出産に感動してるな、それが普通だよねぇ・・・
「さあ、少しベルを休ませてあげましょ!皆行きましょう」
「ベル、ゆっくり休んでね」
出産シーンて書いていなかったと思い
急遽入れました(笑)




