探査の後始末とエナジー移行計画
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「いくら何でもぉ、此れはやり過ぎだよぉー、永久氷土にでもする心算なのぉ?君はエ○リアじゃないよねぇ、ハハハ・・・」
グーが呆れた顔をしていたが、同時に
(コイツ怒らせたら怖いなぁ・・・)
と思っていた。
たった1匹の黒猪に全力攻撃で辺り一面が、氷の世界になってる。横にいるケミンをそっと見るとゼイゼイと息をし乍も眼鏡の奥の眼光は鋭く額に青筋立っていた。
私は、ケミンの肩を軽く叩く
「気持ちは解るけどねぇ・・・」
ハッとした様に此方を向くケミンの顔からは険が抜けていた。
「ヤバいな、此はどうしよう・・・」
2日続けて氷の世界は、流石に不味い。
「とりあえず、エナジー回復しなよぉ。この辺のエナジーが濃すぎてまた結晶が出来るよぉ?」
グーが苦笑いし乍ら言った。
俺は、胸に手を当てるとエナジーを回復していく。光の粒子が俺に集まってきてエナジーが回復されていった。
「さて氷を溶かさないとな。熱波!!」
熱波とは、所謂、遠赤外線放射である。広域に熱の波を行き渡らせることが出来るのだ。
グーと二人掛かりで辺り一面の氷を溶かして行った。
「アハハハハ、冷やしたり温めたり忙しいねぇ」
「仕方ないだろう?火魔法なんて森の中じゃ使えないもの。みんな燃やす訳にはいかないだろ?」
「確かにそうだよねぇ、平原なら火焔!!を使っちゃうけどねぇ、猪だったら丁度いい具合に丸焼けになるよねぇ、調理しなくて済むよぉ」
「一石二鳥ってかい?豚の丸焼き食べてみたいな。ハハハ」
白い湯気が濛々と上がり周辺の氷は溶けていった。すべての氷が解け終わる頃には、夜の帳が降りていた。然し、結局、ドワーフの鉱山都市に雪が降ったのだった。あれだけの水蒸気が発生したら雪くらい降るよね・・・ガクン
次の日、全ての高エナジー結晶を回収したグーは、平原で結晶を分解する為に一時的に戻って行った。
因みに奥さん達は、園児の世話の為、留守番である。「習うより慣れろ!」とのキュリアのスパルタ方針で子供達の世話を強制されていた。本人達も子供の相手の方が好きなのだろう。異議を唱える事は無った。
「それじゃぁ、行ってくるからねぇ、なるべく早くぅ帰ってくるよぉ」
「旦那様、行ってらっしゃいませ。お早いお帰りをお待ちしとりますぅ」
はんなりとした口調で話すフォルリさんそこにシャルさんが割り込んでくる。
「行ってらっしゃいませですわ!わたくし心待ちしておりますわ!」
「はいはい、行ってきますねぇ」
グーは、シャルさんの頭をポンポンと優しく叩くと真っ赤な顔をしてシャルさんは俯いた。
そんな遣り取りをしてグーは飛んで行った。二人はグーが見えなくなるまでずっと見送っていた。
グーが戻ってきたのは、3日後の事だった。今度は、獅子に乗って帰って来た。
「ただいまぁ、寂しそうにしていたから連れて来たよぉ。此の子の塒も作って欲しいなぁ」
「塒って小屋で良いのかな?ベルのワイバーンの隣に建てるけど?」
「有難う、其れで大丈夫だよぉ、出来るまでは広場に居ていいかなぁ?子供達の相手させるけどぉ?」
「宜しく頼むよ、ハニー獅子の小屋の建築頼むね」
「解りましたわ。ケミン様、直ぐに手配いたします」
俺がそう言うとハニーとラヴォージェがてきぱきと動き出す。グーの獅子は、ゆっくりと保育園児の方に歩いていき、ゴロンと横になった。その周りで子供達が遊んでいる。撫でたり抱きついたりしていた。
そして2日後には、獅子の小屋が出来上がったのだった。
さてさて問題は、このままの状態ならば、また地上で高エナジー結晶が出来てしまう事にある。
これを解決するべく大精霊4人とラヴォージェとミラの6人で話し合う事に為った。
「今までの出来事で地上で高エナジー結晶が出来てしまうほど、この森のエナジーが生産過剰なのは解ったけれど?そもそも地下で出来た高エナジー結晶ってその後如何なるの?」
「ルポルテ母さんのエナジーになるんだよ?母さんが消費する量よりも地上のエナジー生産が早いから地上で結晶化するのだもの」
ベルが、このデータも送ったけどなぁみたいな顔でジト目で見て言った。
流石長女のベル色々知っている。俺が転送データをナナメ読みして色々抜けている所があるのが丸わかりである。俺は頭を掻き乍ら言う。
「えーと?他の地域にエナジーを移送するのって?如何したら良いの?此れはデータに載って無かったよね?」
「無いから話し合うんでしょ!どんな物を使ってどんな装置を作ったらいいのかそれを今から考えるんじゃない!ケミンしかりしてよ!」
キュリアの短気が爆発しそうだ・・・机を指でトントンと叩きながら苛立ちを隠さなくなってきた。
「エナジー吸収装置と移送用の線とエナジー放射装置だろ?魔法石とミスリルワイヤーが有ればできると思うけど?自動で吸収と放射の方法がまだわからないんだよね」
「何よ!もう構想は出来てるんじゃない!そこから話しなさいよ全く!」
「まぁまぁまぁ、キュリア落ち着こうよぉ、そんなにイライラしないのぉ」
グーの、のんびりした話し方で毒気を抜かれた様な顔をしてキュリアが溜息をついた。
「まぁそうね悪かったわ」
「それでラヴォージェとミラに聞きたいのだけど自動で魔法石にエナジーを出し入れするのには如何した良いのかな?」
ラヴォージェは顎に手を当てて目を瞑り考えながら言葉に出す。
「そうですなぁ、基本的に魔法石には我々が直接エナジーを送り込む物ですから自動でとなると厳しいのではないでしょうか?先ずは手動で魔法石にエナジーを込めてミスリルワイヤーで伝達してそれぞれの地域の精霊たちに受け取ってもらうのでは如何でしょうか?」
「物はミラが作るよ。大きな魔法石ならドワーフの鉱山都市に頼めば、作ってくれるよ」
ミラが手をひょいと上げて嬉しそうに言った。
「それなら上手く行きそうだねぇ、それぞれの地域の装置は各自が動かすのでいいのかなぁ?」
グーが、自分達で動かすのか聞いて来た。
「僕も自分で動かすのが良いと思うな、エナジーを自分に変換してから自分の地域に送る方が向こうで効率的に使えそうだからね」
「そうね、向こうで変換するよりは、私達のエナジーを送った方が良さそうね」
其々が自分でエナジーを送る事が決まった。
話し合いが進んで大まかな仕様が決まった。
先ず、大型の魔法石をドワーフの都市で3対6個作って貰う。
中央の広場にエナジー移送用の施設を建設する。
其々の地域に向けて魔法石とミスリルワイヤーを接続する。
其々の都市に放出用の施設を作る。
守護精霊又は補助精霊に施設て受け取ったエナジーを放出してもらう。
此れで、エナジーの過剰を調整する事に為ったのだった。




