探査と回収 前編
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この動物達のモフモフ攻撃はある意味やばいわ!窒息しそうになっても気持ち良過ぎる!
小熊や子虎達が、モフモフしてくるのだ。親よりも毛皮が柔らかいため肌触りが、何とも言えず心地よい、フワフワのモフモフ高級グースダウンに埋もれているような感じになる。
『【悲報】ケミカリーナ大精霊様モフモフ昇天!』とかネット記事になりそうだ。
インターネットなんてこの世界に無いけどな!
そんなバカな事を考えながらも脱出しないと拙い。一頻りモフモフを堪能したら動物達に話しかけた。
「解ったから、もう敵はいないから自分たちの塒に帰っていいよ。もし高エナジー結晶を見つけても食べちゃダメだよ」
俺は動物達にそう言い聞かせた。
動物達は、俺に挨拶をすると各々の塒に帰って行った。森の広場にはいつもの静けさが戻ってきたが、ラヴォージェは、まだ解剖していた。てかさ、まだ生きてるのは何故だ?
「ラヴォージェなんで此奴はまだ生きてるんだ?あれからだいぶ時間がたってるよな?」
「死んだら解剖できないではないですか。直ぐに吸収されてしまったでしょう?なのでコックローチは時間を止めてあります」
「時間止めてるのに足は動いてるぞ?」
うねうねと足が動いている。頭には逃げられない様に巨大サイズの待ち針で止めている。巨大な昆虫標本かよ!
「時間しか止めてませんから。体の運動能力迄止めたら器官の動きが解らないでしょう?」
「そんな器用な事が出来るのかよ!」
「ケミン様は、時間だけ進めている事が有るではないですか?何を今更仰ってるのやら」
「解除と監視の事か?ああ、確かに俺の行動制限は無かったな。あれって時間だけ進めてたのか」
「はい、この魔法は時間停止です。因みに全てを停止する場合は、固定停止ですよ」
そこでグーが横からニヤニヤ笑いながらちょっかいを出す。
「この前、ベルが送ってくれたデータの中に入ってたよぉ?ちゃんと見てなかったのかなぁ?」
「あんなの覚えきれないよ。データ量が多過ぎだろ?」
俺はバツが悪そうな顔をして答えた。
「魔法だけの項目でも全部見ておいた方が良いよぉ。かなり使える魔法が有るからねぇ」
「善処します・・・」
グーは大笑いしながら此奴、覚える気が無いな。みたいな顔をしていた。
ラヴォージェは、解剖が終わったのか時間解除した。その瞬間コックローチは、バラバラに崩れ地面に吸収されていった。
俺は話を逸らすように言った。
「結局、高エナジー結晶を食べた突然変異ってのは解ったけど。今後起こらないようにするには如何したら良いの?」
「そうですな。今の状態は高エナジー結晶が地上で出来るほどの栄養過多状態、ケミン様の前世の記憶では、糖尿病が近いのではないでしょうか?そしてコックローチは、癌細胞ですかね」
「それって俺が病気って事じゃん!」
「ケミンは、糖尿病なのかぁ、其れなら私は栄養失調かもねぇ、ハハハハ」
グーよ、笑いながら言う事かよ・・・ガクン
「まぁ、例え話ですからな、ケミン様が病気になる事は無いですよ。ハハハ」
「何方にしても対策は立てないと同じように癌細胞が出来るって事だろ?」
「そうですな。先ずは他に癌細胞が居ないか探査でしょうな。それに付随して高エナジー結晶を見つけたら回収すると良いのではないですか?」
「近々の対策としてはそれしかないか。明日みんなで手分けして森を探査するか?其れで恒久的な対策って何かあるかな?」
「エナジーがぁ、余ってるなら少し私に欲しいかなぁ?エナジーを移動できないかなぁ?」
「そうかグーは栄養失調だものな、何とか移動できる方法を考えようか」
「恒久的に出来るとは思いませんが、時間稼ぎにはなるでしょうな、移動方法が自動で出来る様に為れば恒久的な移動も可能ですな」
そんな話し合いのもと次の日に探査をする事に為った。
その日の夜、大森林の中央部に初めて雪が降った。中央周辺の温度変化によって初積雪となったのだった。次の日の朝まで雪は降り続いた。
中央の広場は、一面雪化粧して木々にも雪が降り積もっていた。木々に積もった雪は、風に揺られてドサッ・ドサッと所々で地面に落ちていた。枝が跳ね戻るとキラキラと粉雪が舞っていた。
子供達は大燥ぎだった。朝食が食べ終わると一斉に外に出て雪遊びを始めた。雪合戦をしたり雪だるまを作ったり、雪ウサギも作っていたな。
キュリアは怒りを通り越して呆れていた。
「如何したらこんなに雪が降るような事に為るのよ・・・」
「いやー・・・ちょっと面倒だったから液体窒素で全滅させたから・・・」
「貴方、馬鹿なの?ねぇ馬鹿者なの?もう少し考えなさいよ!」
「液体窒素はやり過ぎだったと終わった時に思った・・・」
「まぁ子供達は喜んでるから良いけどね!怪我の功名ってやつね!」
おおーー、パッカーーンが無かったちょと嬉しいかも
「でもここで雪が降っちゃうと僕の山の雪が途切れるかも・・・」
ベルが心配そうに言った。
「大丈夫よベル、もう気温は上がってるし雪が残ってるのも1日くらいだから貴方の所にちゃんと届くわよ。心配しなくていいわ。其れより貴女は、もう生まれそうなんだからそっちを心配してちょうだい」
キュリアが優しい目をしてベルを宥めている。ベルはコクリと頷いて大きなお腹を重そうにしながら部屋に戻って行った。
俺はベルを見送りながら小声で言った。
「ちょっと心配させちゃったな」
「もう何時、陣痛が来るか判らないからちょっと不安定なのよ」
「そうか、ベルをよろしく頼むよキュリア、俺は探査に行ってくるから。またあの黒いのが出たら嫌だからな」
「イヤーーーー、それ言わないでーーー!」
パッカーーンッと殴られた・・・結局、殴るのかよ・・・ガクン
俺はひょいとハニーに抱き上げられた。
「ケミン様、お可哀そう、さあ探査に行きましょう。わたくし達ハニービーが全面協力致しますわ」
「有難うハニー宜しく頼むよ」
「ハニーはケミンを甘やかしすぎ!」
「そんな事有りませんわ!キュリア様が厳し過ぎるのですわ!」
バチバチと目線が火花を散らしている・・・
「まぁまぁ、キュリア行ってくるよ。ラヴォージェ探査隊の編成をよろしく頼むよ」
俺は、ハニーに抱かれたまま言った。
キュリアとハニーは、お互いにフンッと鼻を鳴らしそっぽを向いた。ハニーは、俺を抱いたままスタスタと歩き始めた。4本の腕でガッチリ固定され身動きできないが時折あたるポヨヨンが何となく気持ちいい。
外に出ると雪遊びをしている子供達、そして整列している探査隊が居た。
今回の探査隊は、飛行組が行う様だ。
ラヴォージェが指揮官でエルフ部隊、ハニービー部隊と俺とグーだ。
と言っても殆どがバニービーの部隊なんだけどねぇ、人口比率が違いすぎるわ!
そこで、ハニービーの部隊には、探査専門に行ってもらい、癌細胞を発見したら直ぐにラヴォージェに連絡、俺とグーで撃破する。
エルフ部隊は、高エナジー結晶の発見と回収を行ってもらう事にした。ハニービー部隊にも発見し次第回収してもらう事に為っている。
俺とグーとラヴォージェは、広場に待機して癌細胞発見待ちである。
「それじゃーみんな、此れから探査に向かおう。報告・連絡・相談はしっかり頼むよ。探査開始!」
俺の号令で一斉に飛び立っていった。広場の周りに無数のハニービーが居てブーンという羽音が凄かった。子供達もかなり吃驚していた。
探査まで行けませんでしたorz
後半に続きます。




