大森林の発展
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あれから100年が過ぎた。
森は発展し続けていた。北のドワーフの鉱山集落は、更に西のアレクサンベール山脈の麓にミスリル等の鉱山を発見し鉱山都市に発展していた。
この地域は、ベルの領域だ。ベルにも都市が出来た事に為る。
手前の宝石の鉱山集落は、ジェンナーとの取引の中継街に為って発展している。
宝石もまだまだ埋蔵量が豊富らしく坑道がかなり大きくなっているらしい。
此方ももう都市と言って良い程だろう。
ハニービーの都市は言うまでもない。
池の周りにもジェンナーとの中継の街が出来ている。
此処は、ハニービーの都市とドワーフの街につながる重要な拠点の街になった。
ドワーフの街には、陸の移動なので街道が作られた。
荷馬車も発達した。船外機を作った時に一緒に作った、ベアリングとスプリングによりサスペンションと車軸が、改良されていた。これにより、大幅に輸送量と移動スピードが改善された。
南の方に目を向けると南西にパフィオの実家の集落がある。
ハナカマキリは、蘭の花に擬態する狩猟民族のままで有るが、蚕の養殖も手掛けていてシルクの生産も行っている。人口はそれほど増えていないようだが、シルクの生産量は上がっていた。
然し、貴重であることに変わりはなくシルクの最高級品となっている。
南東の果樹園は倍以上に広げられてはいるが、森を切り開いて作っている訳では無いのでそこまで酷い状態にはなっていない。果樹園の中に存在する樹木に洞が有って其処にフリーゼたちの種族、コボルドが住んでいる。コボルド達も確実に人口は増えているが、其処まで多くは無さそうである。
そしてジェンナーの街である。
もう王都に匹敵する発展を遂げている。街のサイズには制限が掛かっているので、上に住宅が伸びているのだ。
木造住宅から石造りの建物に変わり、10階建て以上のビルが立ち並ぶようになっている。
エナジーを流すと動くエレベーター迄存在しているし、あらゆる人種が集まるようになってきていた。
メゾン・ド・ケミカリーナも御多分に洩れず、石造りの10階建てのマンションに変わっている。
まぁお金を掛ける所が、このくらいしかないのだ。
またジェンナーはすべての種族達の生産品の集荷都市にもなっているので経済の発展も目覚しかったのである。商人達もジェンナーに拠点を持つものが増えていた。
そして毎年4月にジェンナーの郊外で行われているボートレースもカーゴクラスが新設されてさらに賑わうようになっていた。
荷物をたくさん積んだ船がどれだけ早く移動できるか、またどれだけ丁寧に運ぶかを競うレースであり、運送会社の威信が掛かったレースに為っている。
昔は、商人が自前で船を持って移動していたが、大量輸送できるようになった為に輸送専門の会社が出来たのである。
商人達も自前で船を買うよりは数人で纏めて運送して貰う方が安く上がるので、今は運送会社に頼るのが一般的である。
そしてボートレースのカーゴクラスは、その運送会社の技術力をアピールする場所に為っているのだ。そこで優勝した会社は、商人達から絶大な信頼を受け、輸送依頼が殺到する事に為るのだ。
正に会社の命運を掛けた戦いになっていた。
平原の方に目を向けるとグーが手伝うと言っていた街が完成している。それに東の端の海には港町も出来ていた。
海産物も輸入できそうだな!
それと広大な平原には、水田もたくさん存在していた。グーが、白米主義者らしく大量に作らせているのだそうだ。マリ川から農業用水路を引き平原に水田を作らせた。巨大な田園風景が広がっておりそれを管理するための村がいくつも点在していた。
キュリアの所にも水田は有ったけれどそこまで大きくはしてなかったな。小麦が主食だったので、お米を食べる住民が、ほとんど居なかったのだろう。
俺達が食べる分を作っていたって感じだった。
そうそう、平原には新しい獣人がいるらしい。まだ見た事は無いけど、今度グーが来たら聞いてみたいな。
そろそろ暇になる頃だろう。いつ来ても良い様に準備はしておこうかな。
俺達の周りも少しは変わっている。
エルフの人数が増えた。子供達も増えている。総勢で150人程度に為っている。規模は小さいが里の様にはなっている。エルフの隠里って感じかな?隠れてないけどねぇ・・・
林檎酒の取引量も増えているらしい。今は「エルフの里」と言うブランド名のシードルに為っているらしい。
族長夫婦にも子供が出来た。男の子だ。名前はダンバもう成人して100歳になる。ルミナの婚約者だ。
時期族長夫婦になる。
と言ってもまだまだ現役の族長!あと500年くらいは、隠居しないだろうな!てかしなくて良いから!
ルミナを嫁にやりたくないし!
「ケミン!まだそんな事言ってるの!他にもポコポコ子供産ませてるでしょー!ルミナももう良い歳なんだから結婚させてあげないと可哀想じゃないの!」
「そんな事言ったって此処に残ってる子供はルミナしかいないじゃん!」
「それは仕方ないでしょ!みんな成人したら種族に戻って貴方の代わりに頑張ってるのよ!クララの子共のジュリアは王家に嫁いでるし、私やベルの子供達は精霊としての仕事が有るじゃない!貴方子離れしなさいよ!」
「そうは言ってもまだルミナは115歳じゃないか・・・族長だって結婚したのは150歳だって言ってたよ。あと35年位良いじゃないか・・・」
「族長は相手が居なかったからじゃない!奥さんが成人した年が、150歳だっただけでしょ。ルミナにはきちんと相手がいるのだから早く結婚させてあげた方が良いのよ!」
「族長夫婦の歳の差って135歳なのか・・・」
「そんな事は如何でもいいのよ!早くルミナを結婚させなさいよ!エルフは子供が出来難いのだから早く結婚した方が良いのよ!」
「解ったよ・・・考えておくよ・・・」
娘を嫁に出す気分・・・嫁に出したくないよー・・・ガクン
こんな感じで100年経っても変わっていない筈だった。
然し、森全体の変化は確実に起こっていたのである。
森の人口が増えることによってエナジーの自然発生量も増加する。また意図的に使われる魔法によってもエナジーが増えるのだ。エナジーが増えるのは良い事なのだが、許容量も確実に存在しているのだ。
許容量を越えたエナジーは、圧縮されて結晶化する。結晶化したエナジーは基本的に地面の中で出来るのだが、稀に地上でエナジー結晶が出来る事が有る。
其のエナジー結晶を動物が食べると如何なるのか・・・
膨大なエナジーの作用により突然変異を起こす事に為る。強力なエナジーを纏った生物として・・・
その生物が、今生まれようとしていた。
新章開始します。
どんな生物なのか此れから考えます(笑)




