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一話 出会い

投稿主は初心者です。

 そう、これは昔々の物語ーー

 カミサマは、飽き飽きしていました。

 なんでって?

 やることをやり尽くしちゃったからです。

 世界を作ったり、壊したり、遊びを尽くしたり…

 そんな時カミサマは、

 『そうだ、ニンゲン作ろ』

 と、言いました。

 なんでだろう?なんでだろうね。

 そうしてカミサマは、二人のニンゲンを作りました。

 片方には『魔法』を、片方には『科学』の力を与えて。

 そして世界は、現在まで作り上げられたのでしたーー


 「でもね、この話には続きがあるの」

 私は続ける。

 あの時のキセキの話を。

 忘れることのない、あの日の話を。

 

 カミサマはある時また思いました。

 「よし、二つの世界を繋げちゃお!」

 本当に気まぐれ。

 カミサマは行動が早いです。

 早速カミサマは、『科学』を与えた世界から、『魔法』を与えた世界に一人の人を飛ばしました。

 それは誰かって?、それがこのお話ー


 

 「え、ええええええええ!?」

 「え、ええええええええ!?」

 その物語は、二人の悲鳴から始まった。 


 僕は科学者だ。

 眼鏡かけて白衣を着た、よくある科学者である。

 僕は大学で「天才」と呼ばれている。

 なぜなら電気工学に非常に長け、賞をもらうレベルであるからである。

 そんな僕はある日大学で実験をしていたら、目の前が光ってーー


 私は魔法使いだ。

 魔女っ子の帽子と服を着て杖をもった、よくある魔法使い。

 私は、この世界で「天才」と呼ばれている。

 なぜなら魔法学院で、主席を守り続けていたからである。

 そんな私はある日森に薬草採集に来ていたら、目の前に隕石が降ってきてーー


 「え、ええええええええ!?」

 「え、ええええええええ!?」

 そしてこうなった。

 「だ、誰?」

 「だ、誰?」

 声を合わせて二人で驚く。

 

 突然目の前が光ったと思ったら、目の前に魔女っ子の格好をした美少女がいた。

 というかここはどこだ?

 大学…では絶対にない。

 なぜならここは不思議な植物が生えた森だからである。

 どう考えても日本…いや地球じゃない気がする。

 

 目の前に隕石が降ってきたと思ったら、眼鏡をかけた割りとイケメンの男がいた。

 え?どゆこと?

 まず隕石が降ってくること事態おかしい。

 というかこの服はなに?

 白くてワンピース?ではなさそう…


 「ぼ、僕は…」

 「わ、私は…」

 またしても声がそろう。

 この二人、気が合うようである。  

 しばらく二人を沈黙が包んだ。

 「えっと…」

 すると、男が口を開いた。

 「僕は、(りょう)っていいます。」

 「あなたは…?」

 男…陵が聞き返す。

 「わ、私はライト…です」

 少女…ライトがそう返す。

 「えっと…突然ですがここは何処なんでしょうか…?」 

 陵が純粋にそう聞く。

 「へ、変な人ですね。ここはリルの森。知らないんですか」


 リルの森…

 得意の暗記で覚えた世界地図の中に、リルという国はおろか地名は存在しない。

 そして周りに見える普通の世界にない花々…

 そこから導きだされる答えは一つ。

 「これはまさか…異世界転生とかいうやつなのでは…?」

 本屋で見たその言葉を思い出す。

 そして、自分がとんでもない境遇に置かれていることに気づいた。


 おかしな人だ。

 リルの森は、この世界でも有数の巨大森林。

 貴重な草花や動物、中にはモンスター達まで存在する。

 誰もが知るその単語を、目の前の男は知らなかった。

 この服やその知識から考えられることは、

 「まさかこの男、異世界の人間なんじゃ…?」

 目の前にいる男が何者なのか分からないが、そんな気がした。


 『グルルルルル…』

 突然、草木を掻き分ける音と共に、呻き声が聞こえた。

 「「!」」

 二人同時に、その音に反応する。

 「これは…まずいです」

 ライトが口を開き、そんなことをいう。

 「ど、どんな風にでしょうか…?」

 陵が小声でそう聞く。

 「モンスターです」


 モンスター…?

 普通の世界じゃまず聞かないその言葉に疑問を覚える。

 そんなことを考えていたら、声の主が飛び出してきた。

 『グアォ!』

 そして出てきたのは。

 真っ黒の毛皮に覆われた大きい犬…いや狼。

 やはりだ。

 この世界はおかしい。

 普通…僕の知ってる世界では、まずない。

 このような生物はあっちには存在しない。

 が、冷静に分析している暇はなく、それは襲ってきた。


 『開け門よ、力を貸せ』

 私は詠唱を繋ぐ。

 目の前のモンスターを倒すため。

 『獄炎と成りて、敵を討て』

 ゆっくりと、魔法を紡ぎあげる。

 そして、準備は完成する。

 「魔法を撃ちます、離れてください!」

 私はとなりにいる男に忠告をする。

 「ま、魔法?」

 すっとんきょうな顔と声を出すが、しっかりと逃げてくれる。

 そして私は魔法を放った。

 『ヘル・フレイム』


 「うわっ!?」

 目の前で、炎が巻き上がった。

 隣の少女がぶつぶつ言っていたと思ったら、突然離れろと言い出し、隠れた途端炎が狼を包んだ。

 これが、魔法…

 そして僕は確信する。

 ここは、あの童話の中にある、『魔法』の世界であると。

 そう考えたら、合点がいった。


 「ふう、よかった」 

 私は倒せたことに、安堵する。

 「大丈夫ですか?」

 男に手を貸す。

 そして、男が起き上がる。

 「す、凄いな」

 「ふふ、ありがとうございます」

 誉められてすこし嬉しくなった。

 「こいつは一体…?」

 男が狼のことに関し質問する。

 「これは『ヘルハウンド』です」

 そしてそのモンスターのことを教えるも、

 「へ、ヘル…なんだって?」

 「『ヘルハウンド』です。知らないんですか?」

 「…まったく」

 どうやら知らないようだった。

 不思議に思う。

 目の前の男は、本当に何も知らない。

 この世界のことも、モンスターのことも。

 そして私は確信した。。

 彼がこの世界の人間ではないことに。

 

 ヘルハウンドとやらの死体にから、不思議な石が転がった。

 「ん?これは?」

 「これは『魔石』といいます」

 「魔石?」

 彼女は魔力とやらを手に取り、説明を続ける。    

 「魔石とはモンスターを作る核です。膨大な魔力が詰まっているのですが…」

 「使い道がないから、必要とされないんです」

 そう言って、彼女は魔力を投げ捨てる。

 「え…使い道ないのかい?」

 「ええ、下手に扱うと災害が起きます」

 だから、と彼女はいい、

 「必要とされないんです」

 「ヘぇ…」

 と返事をしながら、捨てられたその魔石を手に取ってみる。

 「…ん?」

 そこで僕は、異変を感じた。

 この石、少し電気を帯びている気がする。

 昔から電気工学に触れてきたせいなのか、僕は電気を帯びているものを触るとそれを感じとることができる特性みたいなのがある。

 つまり、この石は帯電性があるということ。

 それが分かれば、あとは試すのみ。ということで、彼女に聞いてみる。

 「あの、雷の魔法とか使えたりしない?」

 僕は少し期待しつつ、目の前の少女に聞く。

 「な、なんですか急に…」

 「いいからいいから」

 と、僕に気圧され彼女は答えた。

 「ありますけど…」

 「じゃあさ、この魔石にそれをぶつけて見て」

 「そ、そんな乱暴に扱ったら壊れちゃいますよ!」

 「いや、大丈夫だと思う」

 そんな確信があった。

 彼女は若干嫌がりつつ、やってくれることになった。


 魔石を拾って眺めていたと思っていたら、目の前の彼から雷の魔法を撃つように言われた。

 何がなんだか分からないが、とりあえずやってみることにした。

 すう、と息を吸い、詠唱を始める。

 『天より出でよ雷神よ』

 『その雷電で敵を貫き焦がせ』

 『トール・サンダー』

 そして、魔石に向かって魔法を放つ。

 やがて雷は魔石を貫き、煙が立つ。

 しかし魔石は焦げ一つなかった。

 どころか、私の魔法を吸収しているようにも見えた。

 そしてその魔石本体は、強く光輝いていた。

 

 よし、成功だ!

 あわよくば電池の代わりにならないかなと思っていたら、なんとそのまま光ると来た。

 実験が成功し、ご満悦である。

 そんな風に喜んでいると、

 「す、凄い…」

 隣の少女が、目を見開いて驚いていた。

 「魔石がこんなに光るなんて…」

 「これは夜の明かりに使えそうですね」

 僕はそうアドバイスをした。

 いつまでも驚いている彼女の顔を見ていると、自然と笑いが込み上げてきた。

 「ふふっ…」

 それに気づいた彼女が、

 「なんで笑ってるんてすか!」

 「驚いている顔が面白くて…」

 そしてお互いに見合って、笑った。

 「改めて、僕は陵。リョウって呼んでください」

 「私はライト。気軽にライトでいいですよ」

 互いに打ち解けた僕たちは、また笑い合うのだったーー


 第一話は、おしまい。

 いま点けてるあのランプだって、あの人が作ったものなんだよ。

 あのあと彼とあれを私の住んでいた村に持って帰ったら、なんと国王様のお目にかかって、瞬く間に国中で大流行。

 火に代わる新しい光だって、大騒ぎだったんだから。

 魔石はその後飛ぶように売れるようになって、ハンター達が大忙しだったなあ。

 おっと、回想もここまで。

 次はどんな話かな?

 お楽しみに。

 いかがでしたか?

 二人主人公とかいう、初心者がやるべきじゃないことに挑戦してみました。

 しかも、過去回想という…

 でも、面白く作りたいと思っているので、ブックマークや感想、宜しくお願いします。

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