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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
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第94話 剣圧と慈悲

「無駄な抵抗は止めて、大人しく投降しろ!さすれば命ばかりは、

助ける事を約束しよう!大人しく縛に付け!」


白の精霊騎士団・団長アイリが、敵である傭兵団に投降を促すが

相手は、聞く耳を持たずに居たのだった。


「姉上、危ない!」


エルナが叫ぶが、アイリには聞こえては居なかった。乱戦で周り中

敵だらけになっているからだ。そんな最中に、アイリを狙って矢が

放たれる寸前であったのだ!


矢を撃とうとしていたのは、誰であろう貴族の甥であるルドルフで

あった。出遅れた馬車は、アイリ達が足止めをしていた傭兵隊長達

に追いついていた。そんな最中に混乱に紛れて、敵将を討とうと企

んでいたのだ!


「死ねい!」


矢が放たれたが、アイリに矢が届く事は無かった!何故ならば放た

れた矢は、途中で叩き落されたからである。誰が叩き落したかと言

うと、エメラルドグリーンの派手な甲冑に身を包んで居る者が、矢

を叩き落したのだった。


女性に対して、飛び道具で背後を狙うとは、貴様に生きる資格は無

いわ!此処で往生せいやぁ!


副団長は、そう言うと若き日から使っている大剣のバスターソード

を馬車に向かって振り下ろしていたのだ!振り下ろされた馬車はと

言うと、御者台に大きな穴が開いていたのだ。


「ルドルフ!?何処に行ったのだ?ルドルフ!」


御者台で馬車を操っていたレオンは、斜め前から派手な色の剣士が

ルドルフに突進してきたのだけは、解ったのだが、その後の衝撃が

起こって馬車が揺れた後に、ルドルフの姿が見えなくなっていた!


「なぁ.....なんなんだ.....」


副団長のヴィクトルは、バスターソードを下から上に掛けて、凄い

勢いで振り上げていたのだ。その剣圧でルドルフは、空高くに飛ん

でしまっていた。


「私の体は、どうなって.....しまったのだ......」


そう言うと、ルドルフは最後の力を振り絞って、自分の下半身を

見たのだが、そこにはルドルフの下半身が無かったのだ。それも

そのはず。大剣のバスターソードを高速で喰らえば、人の体など

脆く崩れるのだ。


ドッサァ.......


乱戦の最中に、鈍い音がした気がしたが、誰も気にも留めては居ない

それど頃では無いから、仕方ないのである!こうしてルドルフの生涯

は幕を閉じてしまったのだった!


「今の衝撃は何だ?馬車に穴が開いてるではないか!レオン何があった

か説明しろ!」


「叔父上、今はそんな暇はありません!此処には化け物が居るのです!

早く逃げないと、我々もルドルフみたいになります!」


馬車は、凄い勢いで町中を疾走して行き、騎士団の包囲を抜けたので

ある!結局、最後まで戦場となった宿屋に居たのは、傭兵団だけだった。


「クソッ!そこを退け!女が戦場に出てくるなど、百年早いんだよ!」


アイリは、傭兵隊長を捕まえようとして居たのだが、相手との力量が

余りにも開きすぎていて、最初から話しにならなかった!


「私は、白の団の団長だ!此処を退く訳に行かない!」


「ならば、死ね!」


傭兵隊長は、アイリの剣を跳ね上げて飛ばすと、アイリに留めを刺そうと

前に出た時だった。


「姉上!」


横からエルナが、アイリを庇う形になり、アイリの盾になって居たのだ。


「ぐはっ.....姉上.....無事ですか?」


エルナは、着ていた甲冑が酷い形になっていたのだが、甲冑のおかげで

命を救われて居た!


「エルナ!エルナ!」


だが、2人の命は、あと少しで消えようとしていたのだ!


「悪いな、これも戦場での暗黙のルールって奴だ。手負いの者は楽にして

やるのが、情けと言うものだ。」


そう言うと、傭兵隊長はエルナに対して、剣を振り下ろそうとしていた時

だった!傭兵隊長の剣を持っている手に、何かが刺さったのだ。


「グッ!何だ!?クソッ!誰だ俺に短剣など刺しやがった奴は!出てきやがれ」


傭兵隊長は、乱戦の最中なのに周りに対して、叫んだのだった。それに答える

人物が、傭兵隊長の前に姿を表すのに、そんなに時間を要さなかった。


その短剣は、俺の物だ返して貰おうか!そして、貴様は弱い者イジメしか出来

ないと見たが、当たっているかな?どうだ....図星であろう?もしも違うのであ

あれば、見事、俺を倒してみよ!


「クッ!貴様は、鬼剣士の2つ名の持ち主のヴィクトル殿と、お見受け致すが、

間違いはないか?」


どうした?何故、急に畏まった話し方をするのだ?何か企んで居るのではない

だろうな?何を企もうと、俺は女性に手を上げた貴様を逃がす気は無い!


「企みなど!そんな気は無いぜ!俺はな1人の剣士として、貴殿に決闘を挑み

そして、俺が生き残る!受けてくれるよな決闘!」


傭兵隊長は、ヴィクトルの返事も訊かないまま、ヴィクトル目掛けて突進を

していた。その突きは、目にも留まらぬ早さとは言いがたかったが、それで

も常人であれば、避けるのに苦労する程の早さの突きだったのだ。


だが、鬼剣士の2つ名は伊達ではなかった!ヴィクトルは、その鋭い突きを

避けもせずに、寧ろ逆に突きに向かって、ヴィクトルも突進していたのだ!

そして、下から掬い上げる様に剣を振り上げると、傭兵隊長の突きを繰り出

していた腕諸共に、剣圧で空中に飛ばされていた!


確か貴様は、戦場の暗黙のルールと言っていたよな?手負いの者には慈悲を

掛けて、苦しまない様に早めに止めを刺すのだったか?ならば俺が、貴様に

慈悲をくれてやろう!


「腕が.....俺の腕がっぁぁぁぁぁぁ」



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