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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
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第89話 予想と想定外

「筆頭執事・エドヴァルドが遣って来て、儂宛の手紙を置いて行った

だと?それは真か?今更に、儂などに何の用が合って来たのじゃ?」


男は、そう言うと手紙の封を切り、丸めてあった手紙を開いてから

手紙に目を通したのだった。


「ほう!北西にある領主様のブドウ園で、新酒の品評会をするとな!

此れは上々!毎年の恒例行事にするとも書いてあるの!うむ、毎年

美味しい新酒をタダで呑み放題と言う事だな!」


男は直ぐに、領主の屋敷に使いを出し、品評会への参加を表明したの

であった。


この手紙には、こう書かれていたのだった。


「親愛なる叔父上殿、此度は変わった嗜好を凝らす事になりもうした

付きましては叔父上達に、行事に参加して貰いたく手紙をしたためま

した。北西の我がブドウ園にて、今年取れた新酒の品評会を開きます

その席で出される酒は、全て無料で振る舞われる様になっております

何卒、叔父上殿の参加をお待ちしております。それと、来られるなら

ば、1番良いお酒をご用意しますので、参加されるのであれば、朝か

らの参加をしてくだされ!そうすれば、良いお酒は叔父上達の物です

ぞ!」


準男爵と準士爵に、同じ内容の手紙を送っており、この2人の叔父は

無類の酒好きでも知られていたのだ。叔父達が酒を好きなあまりに、

叔父達の家族は、その反動でか、酒を呑まない者達だったのだ。これ

は、またとない好機であった。


2人には、辺境伯家から迎えの馬車を送る手はずになっており、その

馬車の御者は、黒の団の団員であったのだ。団員の操る馬車は、路肩

に馬車を寄せて、あの貴族の馬車と離合をする際に、不運にも路肩が

壊れてしまい、叔父上達がのる馬車が谷底に落ちてしまうと言う不幸

な筋書きであった。


後は、寝返った者を使い、あの貴族を上手く誘導する事で、今回の事

が成功するのだが、寝返り者がちゃんと働けば良いが、もしも、怖気

付いたりして、謀の邪魔をするのであれば、寝返り者共に始末をする

段取りになっている。


辺境伯家には、無能を養う程、裕福ではないから仕方のない事である!


そして、とある屋敷の一室にて!


「ほう!辺境伯家からの使者が、儂に手紙を寄越して来たとな!?

さては、儂との結婚を決めたのかも知れの?」


「男爵様、等々この日が遣って参りましたな!これで名実共に、辺境伯家

との縁者になりますな!」


「そうですぞ叔父上!辺境伯家の後ろ盾があれば、王弟殿下派は、更に力

を増して行きます。そうなれば、今の無能な国王など追い落として、王弟

殿下を次の国王に据えれば、叔父上は侯爵も夢ではありませぬぞ!そして

我々は、伯爵の位を頂きたいものですな!」


「ふっふふふふ!まさに此の世の春よの!儂が此の世界に愛されておると

言う事じゃわい!そち達には、それぞれ、伯爵と子爵の位を貰ってやろう

ぞ!楽しみにしておれ!」


《おぉ~!叔父上様!》


手紙の内容は、こう書かれていた。


「此の度、我が北西にあるブドウ園にて、今年取れた酒の品評会を開き

ます。付きましては男爵殿にも、品評会への参加をお願いしたき此の度

手紙をお送りしました。参加されるのであれば、品評会で出される新酒

は全て無料になっておりますので、好きなだけ呑んでくだされ!時間は

午後12時からになっております。そして、食事も用意しております。」


「ほう!午後12時に間に合う様に行かねばなりませぬな!」


「そうじゃな!豪華な食事を楽しみながら、今年取れた新酒を味わう

のも一興じゃわい!ふっふふふふ」


「叔父上!直ぐに辺境伯家に返事を出さねばなりませぬな!私目が返事

を認めて出しても宜しいでしょうか?」


「返事くらいならば、そちでも良かろう!当然、参加とだけ書いて置け

そうでなければ、旨い料理も酒にも有り付けないのだからな!はっはは」


「御意!」


こうして準備は整ったのだった。後は決行当日まで、待たねばならず!

決行日に何が起こるかなど、誰にも解らなかったのである。


そして数日後の昼前の事!


「いやぁ~今回の品評会と言う物は、大変良い物であったな!弟よ」


「そうじゃの兄者よ!大陸では酒や嗜好品の品評会と言う物が、行われて

おるのは知っておったが、まさか、シーランド本島で品評会などが開かれ

るとは、夢にも思わなかったわ!」


「それも、この品評会は無料ときておる!まさに儂等の為に開かれた様な

物であったな!この品評会は、毎年の恒例行事になるそうであるから、

来年も一緒に呑みに来ようぞ!」


「そうじゃの兄者!」


ガッタン!!!


「どうしたのじゃ!?何で馬車を止めるんじゃ?」


「へい!それが馬車が前から遣ってきたので、離合をしないと行けなくなっ

てしまったんで、それで、馬車を一旦停止させてから、路肩に馬車を寄せる

様にしてるんです!」


「ほう!そうか、気を付けてくれよ」


「へい!」


登って来る馬車の中にて!


「何をしておる!早くあの馬車を退かさぬか!」


「へい!向こうの馬車が、路肩に寄ってくれて居るので少しお待ち下さい」


「早くしろ!叔父上を待たせるなど、不届きにも程があるぞ!」


「何をなされるのですか?止めてください」


御者の必死の抵抗も虚しく、御者は叩き落されてしまい、馬車に乗るのは

貴族達だけになってしまったのだ。貴族の側近は、馬車を奪ったが、上手

くは扱えず、無理やり前に進ませようとするが、蛇行しながら前に進むと

言う事を繰り返していたのだ。


「何をされる!?」


下って来た馬車の御者は、自分の目を信じられぬと言った風で、登って来

た馬車が、行き成り蛇行しながら、下りの馬車に体当たりをして来たのだ

此れには、下りの馬車の御者も中に乗っている貴族達も、驚いたと言うだ

けでは済まなかった。


何故ならば!


馬車同士が当たった瞬間に、離合を使用としていた馬車は、谷底に落ちて

言ったのだった。馬車を操る御者諸共に.....


「馬鹿者共め!叔父上の邪魔をするから、こうなるのである!」


《わはははははは!》


登りの馬車を操っていた御者は、全てを目撃していた。


「何って酷い事をするんだ!人間じゃない!同じ人間がこんな酷い事を

するはずがない.....神よ!悪魔を討ち滅ぼしたまえ!」



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