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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
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第85話 思惑と驚き

ヘレナとオレークは、インガの店に向かっていたのだった。それも、

早足になる程に、急ぎ足になっていて、ヘレナの心には一概の不安

が過ぎっていたのだった。何故ならば、インガが辺境伯家との縁を

取り持つ事を嫌い辺境伯家と疎遠になる様に、計らっていた節があ

る事が解ったからである!


インガの旦那は、隣国の侯爵家の出身であるが、シーランド辺境伯

家とも縁戚の関係であったのだ。それなのに、インガの旦那は侯爵

家を追放されており、その事で、王侯貴族との係わりを持つ事を嫌

い、縁戚である辺境伯家とも深くは関わる事はなかったのだ。


でも、インガの旦那は侯爵家を追放された時に、辺境伯家を頼って

この地に身を寄せた事も事実である。それを逆手に取れば、いや...

この手を使ってしまえば、インガは更に辺境伯家と関わることを避

けるやも知れぬな!


ヘレナの受けた辺境伯からの勅命は、それ程までに失敗が許されな

い物であったのだ。もしも、この勅命を失敗してしまったままで、

王弟殿下の側近である貴族を討てば、それはつまり、王族に弓を引

く事を意味しているのだ。そうならない為に、辺境伯家には後ろ盾

となってくれるかも知れぬ、隣国の侯爵家の血を引くオレークを頼

っていたのだ。


もしも、婚姻が成功してオレークと辺境伯家が、血縁関係になれば

隣国の侯爵家も、黙って見ている事は出来なくなるのだった。何故

かと言うと、オレークの父は、侯爵家の長子だったからである。


オレークの父が追放さえされなければ、今現在はオレークが鍛冶屋

ではなく領主をしている事になっていたのだ。侯爵家の一族の中に

はオレークの父との関係が深い者達も、まだまだ残っているので、

現侯爵家の当主と言えども、簡単に無視できる程に軽くは無かった

のだ。


もしも、現当主が良からぬ事を企んで居れば、当主の首を挿げ替え

る事も出来る人物達が、未だに健在であったからである!


遠縁の辺境伯家とて、発言は出来るだけの立場には居るが、隣国と

言う事もあるから、言うだけになる可能性もあった。だが、オレーク

の息子のダニエルを辺境伯家に婿養子に迎えるとなると、辺境伯家の

立場は、今以上に高くなるし発言権も今以上いなるのだ。


それを見越して、辺境伯は今回の事を画策していたのだった。

陰謀は貴族の嗜みとは、善く言った物である!


辺境伯の正妃は、インガの子でありオレークの妹にあたる人物だった

のだが、それだけでは、侯爵家を動かすには至らなかったみたいだ!

やはり、男でないと発言力は増さない事は、今の現状を見ても明らか

である!


インガの一族が、辺境伯家を乗っ取るかも知れないが、この際、そんな

些細な事を言っては居られなかったヘレナだった!自分の娘達の生死が

掛かった状態で、乗っ取りだ何だと言ったとて、娘達の生死が変わる訳

では無いからである!


それを変えるには、ダニエル様とエーヴァ様の結婚を置いて無かったのだ。

もしも、この事態を乗り切ってしまった後に、色々と問題が出たら出たで

その時に考えるしか道は残されて居なかった!


そんな事を考えていたら、インガの店に到着してしまったのだ!

心の準備をして、オレークに頼んで扉を開けてもらうと、ヘレナは

お店の中に入っていった! 


「いらっしゃい!.....何だい!オレークじゃないか!どうしたんだい?」


インガが何時もの感じに、挨拶をオレークにするとオレークも何時もと

変わらない挨拶を返していたのだ。そしてインガがヘレナが居る事に気が

付くと、インガの顔が豹変して行くのが解ったのだった!


「もう1人居ると思ったら、領主様のお屋敷のメイド長さんじゃないかい」


ヘレナの事をインガは知っている様で、顔を見ただけで誰かと言う事が解っ

たのだった。ヘレナはインガと会って自己紹介をした覚えは無かったが、

インガはヘレナの事を知っている様であった!


「何で私が、メイド長の事を知って居るかって感じの顔をしているね!それは

ね、私もね、あんたの亭主と同じ事をしているからだよ!この歳まで生きると

色々なスキルを身に付ける事になるんでね!」


それを訊いたヘレナは、驚いた顔を少しだけ見せたが、インガの噂と武勇伝を

知っていたので、直ぐに納得した顔付きになっていた!


「それで、メイド長さんが私の店に来る程の用件とは、一体なんなんだろうね?」


インガはヘレナが店に来た事を不思議に思い、少しばかり警戒している雰囲気を

醸し出していたのだ!


「母さん、実は....話し難いんだがな、ダニエルと従姉妹のエーヴァが、

どっちも好きだった見たいなんだ.....それでな.....ダニエルとエーヴァの

結婚を許してはくれないだろうか?」


「なっ.....私に取っては、どっちも孫に代わりはないよ!内孫か外孫か

それだけの違いしかない!その2人が好き合っているだって!?えっーー」


此れには流石のインガも、驚くしか出来ない様で、我に帰るのに暫しの間

時間を要するであろう!


「母さん!母さん!もしもし?」


「なんじゃっと~~~~~~!?」


我に帰ったインガが発した言葉は、これであった。



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