第59話 朝食と尾行
一夜明けて、次の日、朝の食堂に向かう途中で、アンジェに呼び止められたのだが、
何かアンジェの様子がおかしい事に気が付いた。何やらそわそわして、落ち着きが
無く、見るからに挙動不審なのだが、本人は気が付いておらず、強引に話しに
持っていこうとしているのだが、俺はアンジェに落ち着くように言うと.......
「なっ.....何を言っておる!あたいは何時も冷静なんだけど!どこが落ち着きがない
と言うのかな?別に昨日の事が原因では無いからね!」
こんな風に意固地になっている始末なのだが、話も進まないので用件だけ訊く事にし
たのだ。そうするとアンジェから思いも由らぬ提案をされた事に、俺は正直に言うと
驚きを隠せないでいた。それもそのはず!
「だから、何度も言わせないでよ!ケット・シー族の回復治療師と薬剤師を今回す
る事に参加させると言ってるの!好成、解ったかな?」
俺は頷くと、アンジェの大きな体を力一杯に、持ち上げていたのだった。アンジェは
持ち上げられた事に、驚いて暴れているが、俺は構わずにアンジェを力任せに振り廻
していた。
「ちょっと!好成.....止めて.....止めてよ.......やめろぉ!」
アンジェが蹴ってきたので、俺はアンジェを放すとアンジェは、直ぐにどっかに行っ
てしまったのだった。尻尾が逆撫でしていたから、本気で怒っていたのだろう
だが、嬉しかったのだからしょうがない!
食堂で、皆に挨拶した後に、飯を食べだしたのだが、朝飯を食べながら今日の予定を
各自で報告する事が、日課になっていた。これはダーンに言われて遣りだした事
なのだが、あると無いとでは仕事の効率が、全然違ってくるので、俺達は日課にな
った朝の報告会を続けていたのだった。
「今日からシーランド銃の取り扱い説明を始めるにあたって、注意して貰いたい事
が何点かある。説明を受けてない者には、決して銃を持たせない事、銃を玩具の
様に扱っている者達がいれば、叩きのめしてでも止めさせる事、それと、此処が
重要な事なのだが、銃の取り扱い説明だけする様に、銃の販売などは今回はしな
くても良い。まだ生産状態が整って居ないからだが、生産状態が整えば、嫌でも
仕事は忙しくなるから、それまで販売や売り込みは、各自しないように!」
≪わかりました!≫
「私は、漁師組合の漁師と建築組合の職人達を担当します。その際に人数が多かっ
たら、誰でも良いので手伝って下さい。」
芳乃は、漁師と職人達を教えるみたいだな!そうだ芳乃にあの事を伝えておかねば
ならなかった!後で伝えておこう。
「私は、御車組合の御車と傭兵団を担当します。ガラが悪そうな人達と聞き及んで
いるので、もしもの時は応援お願いします」
秋は御車と傭兵達を担当するみたいだな、秋より体が何倍も大きから、秋が押し潰
されないかが心配だが、秋も根来衆なのだから心配は無用だろう!
「シーランド銃の製作に使う、木材の確保と加工を今日もします。何かあれば直ぐ
に私が応援に行きますので、それまで踏ん張って堪えて下さい」
静はシーランド銃に使う木材の加工が、主な仕事になっているな!ターニャと2人で
シーランド銃に無くてはならない木材の加工を2人で、行なっているのだが、人数を
もう少し増やせたら、良いのだが今日から来る大工に、加工職人が居ないか訊いてみ
るのも有りだな!
静に大工達の知り合いに、加工職人が居れば、雇ってみたらどうかと提案したのだ
が、静もそれを考えていた様で、ターニャと2人で、大工職人達に聞くとの事だった。
そして、最後は俺の報告だけが残っているだけだった。
「今日の予定としては、防具組合に、防具の製作の依頼と、特注品の発注を午前中
に済ませれるなら済ませて、午後からは、聖職者と会ってから、聖職者の派遣を
お願いする事になっている」
防具組合に特注品を発注すると言ったが、グローブ銃やグローブ剣などに使う、
ケット・シー族用の籠手を揃える為に、外注する事にしたのだ。流石にグローブ
だけでも、外で作って貰えれば、それだけシーランド銃の生産数が、多くなる事に
繋がるからである。流石に短筒銃は、外注する訳にもいかないので、自分達で作る
のだが、外注しても作れる訳ではないのだがな!
こうして俺達は、朝飯を食べ終ったので、各自の仕事に出かけて行ったのだった。
俺の背後から、誰かが見ている気配がするのは、放置してても害は無いだろうが、
何で俺の後を付いて来るのかが、解らずにいたのだ。
付けてくる相手の事は、大体、察しが付くのだが、俺は合えて何にもしないで放置し
たのだった。昨日の事で、何やら俺の事を探っている節があるが、行動で示さば、
ヤツも解ってくれるであろう!
足音が聞えないのだが、刺す様な視線が痛く俺に刺さる。
殺気を発してる訳では無いのだが、兎に角、俺を見続けていた!
気配もなく、足音もなく、音などある訳がなかった!
俺に此処まで姿を掴ませないとは、アンジェも中々に遣り折るわ!
それともダーンなのかも知れぬな!どちらにしても、此処までの事
が出来る者達だった事に驚きを隠せないな!今度、ダーンに訊いて
教えてもらえたら、教えてもらおう!




