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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
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第16話 好成と思い出


ルールモンド村を出発してから、3日目にボーヘフェーンの町に到着

したのだった。


ヤーコブとアンジェ達は、領主の館に行くとの事だったので、俺達は

ダーンと一緒に町の港にある、造船所にきているのだ。此処で新造船

は買っても完成までに、時間が掛かるので中古船を買う事にしている。


船の良し悪し等は、俺達では解らないので、ダーンに任せている!

良い船が見付かると良いのだが、世の中は何が起こるかわからない

6900ベルクだけでは、不安があるとダーンが言っていたので、急遽

造船所に行く前に、毛皮職人組合に行って毛皮を売る事になった。


毛皮職人組合は、港の直ぐ側に建っていたので、そこまで移動に

時間を取られる事も無く、直ぐに毛皮職人組合の建物に着いたのだった。

2階建ての建物で、日ノ本の建物とは明らかに違っている。


村の民家なども、日ノ本のもととは違っていたが、大きな建物になると

違いがはっきりと解る。今までに見た事も無い、四角い建物が2階建て

になっていたのだ。正直に言うと驚いて、腰が抜けそうだ!


城とは言わないが、大名屋敷みたいな立派な建物だと思う。

大名屋敷には入った事は、今までに一度も無いが、この中も

さぞや立派なのだろうな?


芳乃や静に秋の、女子衆も建物に驚いて、色々な事を口々に言っているのだ。

大名屋敷やら、砦やら、お寺ではないのかなど、3人の想像を遥かに超えた

建物だったのだろう!


ダーンが言うには、この建物は町では、一般的な作りだそうだとか言っている!

この立派な建物が、一般的な建物だと言うのだ。信じられなかった。

この建物が、町人が暮らす為の建物なのか?


「いやいや.....町人の家ではなく、毛皮職人組合の建物だよ」


ダーンはそう言っている。


町人が暮らす家は、村で見たのと変わらないと、ダーンが説明してくれた。

町に来てからと言うもの、驚かされてばっかりだ。港に着いた時に船の多さ

等も正直に言うと驚いた。


堺も船は多かったが、境の船の量は此処の半分以下だろうな?その位に船の

量が多かったのだ。大小の船の大きさは、ばらばらだったが、それでも多い

多すぎるのだ。何でも此の町は、町全体に水路があり、陸地が少ないのだと

か言っている。つまりは、海の上に町が出来ていると思えば、良いのだとか!


海の上に町を作るとか、俺は初めて聞いたぞ!海の上に町を作ると言う発想が

凄すぎて、俺の理解力を既に超えているので、此れ以上は何も考えられなくな

ってしまった。特殊な環境なのだろう?そう理解だけし解けばいい。


ダーンは、俺達の驚くのが納まってから、毛皮職人組合に入ろうと促してきた

そうして建物の中に入ると、中には何人もの人が、沢山いるではないか?

何をしているのかダーンに聞くと、ダーンは「奥のカウンター側に居るのが、

組合の職員で、手前に座っているのがお客さんだよ」と説明する。


ダーンは建物の真ん中にある、木札をとると、細長い椅子に座る様に俺達に

進めてきている、待ってる間は此の椅子に腰掛けて、順番が来るのを待つの

だそうだ。座る順番は、ダーンの横に俺が座り、俺の横には芳乃が座った。

芳乃の横には静と秋が座っている。


芳乃も静も秋も、椅子に座るのは初めてだったらしく、俺が座り方を真似する

様にと促したら、その通りに真似して座っている。俺は堺に行った折に、商家

で椅子に座った経験がある。あれは確か橘屋又三郎たちばなやまたさぶろう様のお屋敷だったかな?

橘屋又三郎様のお屋敷に、鉄砲を納めに行った折に、橘屋又三郎様と鉄砲の値段を決める時

にったのだ。毎回、鉄砲を収める度に、様に橘屋又三郎は値段交渉をさせられて、

何回も泣かされたな.....質を落とさずに、大量生産をもっとしてくだされとか

無茶な注文もされた......橘屋又三郎.....今度あったら殺す!


あっ.....あの爺さんって、数年前に死んだか!




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~豆知識~


橘屋又三郎たちばなやまたさぶろうとは


和泉国堺の商人。鋳物師だったが、鉄炮の伝来とともに種子島時尭が複製を作らせた刀鍛冶八板金兵衛清定に弟子入りし、その製法技術を身につける、種子島より鉄砲の技術を堺に持ち帰り堺で鉄炮の製造に着手し「鉄炮又」と呼ばれる大商人となった。


作中では、1578年の数年前に死去した。事になっているが、史実とは違うので、

気にしないで下さい。


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