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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
127/129

第127話 相談とホウレンソウ


オレークさん、インガ婆様、ちょっと来てもらえますか?


俺は2人を別室に手招きすると、さっきヤーコブから齎された

新情報を2人にも話したのだった。


「なんっと!?それは真なのか?渡りに船とは、まさに此の事さね」

「そうだな母上!精霊神様のお導きの賜物じゃな!」


2人は鉄鉱石を積んだまま沈没してしまった。

船の情報を真剣な表情のまま喜んでいたのだが、

俺は嫌な予感がどうにも収まらなかったのだ。


ヤーコブも部屋に同席しているが、俺の表情が険しかった事に

気が付いており、ものを言いたげな表情をしているが、口を挟む

のを躊躇っている。


船が沈没した場所と言うのが、ボーヘフェーンの町から半日程の

場所にある岩礁地帯だと言う事なのだが、どんな場所か判ります?


「岩礁地帯?町から半日の岩礁地帯って言えば、あそこしかないさね

でも、あそこは主が居るって話だし。そんな場所に何で船で通ったん

だかね?」


「んっ!? もしや、その船は密輸船ではないのか?正規ルートを使えば

辺境伯の私設艦隊に見付かるから、危ない場所と知っていて近くを通る

となると、そう考えるのが自然な事だな!」


「密輸船って言うと、最近になって内地から貴族が、何やらしてると言う

話だったが、この前、その貴族が辺境伯の親族を害したとかで、討伐された

と聞いてるさね!」


「そうなれば、沈没船から鉄鉱石を引き上げたとしても、持ち主不明で

辺境伯には届けを出してしまい。輸入税を鉄鉱石で支払えば、残りは

俺達の物にしても、誰からも文句は言われないって寸法だな!」


引き上げ費用だけで、数万ベルクにもなる鉄鉱石を手に入れられると!


「そうだ!まさにその通りだ」


でも中型船のサムブーク船型はダーンが、ハルネフェルド村に戻るのに

乗っていっているから、今ある船だと小型船の輸送用ダウ船型しかない

んですが.......


「小型船か.....そうなると順調に行ったとしても、少なく見積もっても

2~3回は町と岩礁を往復しないと行けないはずだな」


「好成さん!造船所のオヤジに中型船を借りたらどうですか?」


「2隻で運べば、1回で積荷を運び終わる事も出来るかも知れないの?」


んっ.....でもな.....借りるにしても借りる手間賃がな.....


「それは、レンタル代って事かね?それならば、私が造船所・ガレアスの

オヤジに話をしといてやるさね!」


造船所のオヤジさんと知り合いなのですか?


「あぁ~昔にちょっと色々な事があったさね!それ以来の腐れ縁って奴

だわさ!」


出来れば、手間賃を安く済ませたいんですが、その様に出来ますかね?


「んっそうじゃな.....あのケチのターヴェッティが安く貸してくれるか

そこが問題さね!もしも、話が決裂したならば、奴を始末するしかなか

なかろうな?」


《犯罪は禁止です!》


この婆様は時々、凄い発言をするから怖いな!

皆が、反対しなかったら、この婆様は本当に造船所のオヤジこと

ターヴェッティさんを始末するかも知れない.....


「母さん、ターニャが嫁の貰い手が無くなる様な事はしないでくれ!」


「ターニャは、まだ良い人は居ないのか?もう良い歳なのに情けないさね!

これも親のお前が、もっとしっかりしないのが原因なのかもしれないね!」


「いや、いやいやいや!儂のせいではないぞ!結婚相手は.....居ない事

もないが......今はな......」


「何って言ってるか聞こえないさね!もっと確りと喋りな!」


何でこうなった? 今はターニャ達の結婚の話をしてる場合ではないのだが、

この親子ときたら話を変な方向に向かわせてばっかりである。


「母親の私に、《《前もって相談もしないとは》》、さては、お前は何か疚しい

事を企んでいるね?隠しても無駄だよ!さっさと薄情しな!」


「だから.....ダニエルには辺境伯の娘を娶って、ターニャには黒の団の

団長アルヴォが.....」


アルヴォって誰?


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