表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
124/129

第124話 研究資金と研究施設

カティ婆さんの申し出をオレークさんは、真剣な表情のまま

考え込んでいる。


時々オレークさんは、俺の方を見るのだが、少しだけ俺の

顔を見たと思ったら、また考え込むと言う行動を繰り返し

ていたのだった。


「カティさん、研究費用と言うのは、どの位の金額になる

予定なんですかな?」


「ざっと見積もっても、5万ベルク程は掛かるかの?」


「5万ベルク!?」


金額を訊いたオレークさんは、余りの高額な費用の高さに

腰を抜かして驚いてしまった。


「5万ベルクもの大金をシーランド銃組合に出せと、カティ

さんは本気で言ってるのですか?」


「新しく研究する為の施設に、私たちの住居に、材料費や

人件費なども必要になるからの!」


ボーヘフェーンの町で、郊外でも家を借りるとなると、

少なく見積もっても、月に150ベルクから200ベルクは

必要となるだろう、それを考えたら町に拠点を作る事

も無い様に思えるのだが、その事をカティ婆さんに言

って見ても良いかもしれない。


魔力球に必要な材料が、どんな物かと言うのは判らないが、

もしも、材料費が安く抑えられたら、温泉地の集落に拠点

を作っても良いのではないだろうか?


俺は、カティ婆さんに、魔力球の材料は何かと訊いてみた。


そうすると.....


「魔力球を作るのに必要な材料ってのは、魔力鉱石と触媒に

使う為に必要な魔力の木の樹液なんじゃよ!」


魔力の木ってのは、どんな木なのかを俺は、カティ婆さんに

詳しく訊く事にした。


「魔力の木ってのはね。地脈から魔力だけを吸い上げてる。

特殊な木の事でね。その木が近くにあると魔物や魔獣が近く

に、群れで住み着く事で有名なんじゃよ!だから、魔物や魔

獣が生息している森には、必ずと言って良い程、魔力の木が

あるんじゃ!」


温泉地の近くの森に、魔獣が大量に居たのは、魔力の木が原因

なのかも知れないな。その事をカティさんに伝えてみるか!


「なんと!お主達が住んでいる場所の近くに、魔力の木がある

のか?それは上々な事じゃ!町の魔法薬品店で買うと、魔力の

木の樹液は、驚く程の値段になっているからの!それが無料同然

で手に入るとなると、これ以上嬉しい事も無いわな!」


人手の事も、温泉地に住むと言っている。元ベールプコヴァール

ト村の人達に頼めば、お互いに助け合う事になると思う。そうな

れば、カティ婆さん達は、研究に必要な材料や雑用をする人手が

確保できるし。村人達は、作物が育つまでの間、現金収入が入る

見込みが出来るからである。


もうこの際だから、集落が出来る前に、この人達の住居兼研究

施設を温泉地に建てても良いのではないだろうか?


俺は、オレークさんに相談してみると、オレークさんは嬉しそう

な顔をして、俺の案に賛成してくれていた。


俺の話を横で聞いていた老人達も、賃貸物件ではなく、持ち家

が手に入るかも知れないと判ると、皆の不安だった顔に安堵の

表情が現れて行くのが判った。


魔力石と言うのは、俺には判らないので、鉱石に詳しそうな者達

と言うと、俺の中ではアンジェとダーンが頭の中に名前が、思い

浮かんでいた。


この2人に訊けば、何処に魔力鉱石があるか、判るかも知れない

と俺は安易な考えで、納得してしまっていた。


だが、俺は魔力鉱石が、どれだけ危なくて危険な代物かを今は

まだ知らなかった。



「あんたが住んでいる場所に、新しく私達も住める事が出来る

ならば、話は早い。5万ベルクと言う金額は、ここの町で住む

場所や研究施設を建てる為の費用だったからね。それが、無料

同然で住めるのと、研究施設も建てれるのならば、1万ベルクも

あれば十分だよ」


「それでも1万ベルクも、組合が出すのか....」


俺は、オレークさんに生活に必要な物は、今ある物で何とかすれば

1万ベルクも掛からないと、オレークさんに伝えた。そうすると....


「そうだよな!全部の物を新品で買え揃えれば、高く付くが、今ある

物で代用すれば、まだ安く済ませる事は可能だよな」


オレークさんも最近は、何やらお金が掛かる事ばかりが続いていた

から、コレ以上の出費を何としても抑えたいと言う思いが、先に立

ったのだろう。1人で全てを考えているオレークさんは、妙に疲れ

ていた。


だから、俺も出来る事ならば、協力をしたいと思っているが、

全てを請け負える訳ではなかった。


だが、今回の事ではオレークさんの助けにはなったはずだ。


俺達は、新しい町の地図を広げると、何処に住居と施設を

建てるかを話し合ったのだが、中々話が纏まらずに、その日

の深夜まで、話し合いが続いてしまた。


......................................................


~アールブヘイム雑学教室~


魔力鉱石と言うのは、地下に埋まっている岩などに

魔力の地脈から、魔力が流れ出し、長い年月を経て

岩の中に魔力が貯まった物を言います。


この魔力鉱石は、非常に取り扱いが難しく、強い

衝撃などを与えると、大爆発を起す事もあり、

非常に危険極まりない代物なのです。


ピッケルで、採掘した位では爆発はしませんが、

地面に思いっきり叩きつける・ハンマーで力一杯叩く・

などをすると、非常に危険な事になります。


鉱石を採掘する時は、魔力鉱石があるとわかっれば

丁寧に採掘をするのが、一般的な採掘のしかたです。

熟練採掘者になれば、岩を見ただけで直ぐに判る

と言われているので、採掘をする時は熟練採掘者の

判断に従って採掘をして下さい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ