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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
123/129

第123話 新型短筒銃と属性魔法

司祭様から引き受けた格安で大量に、と言う注文を終わらせる事が

出来た俺は、新しく出来上がった格安銃を手に取り、考え込んでいた。


この弾が散って飛び出す銃をどうにか、短筒銃に出来ないかと言う事を

考えていたのである。


短筒銃は、狭い室内や裏路地などで、銃身が建物の壁などに当たらなくて

便利で取り回しも楽なのが、長所であると言えるのだが、短所を言えばだ。

的に命中させる事が非情に難しく、相当な訓練を要する事であった。


その短所を補う為に、俺は精霊教の要請で開発した銃を元に、新しい短筒銃

を作ろうとしていた。


要請したのは司祭様だが、精霊教の要請と言うのは大袈裟かも知れないが

この際は、そう言う事にしておこう。


通常の短筒銃で、魔力球3型を使って試射すると、何故か銃身が弾けてしまい

花弁みたいになってしまっていた。


魔力球3型の撃ち出す力に、銃身が持たないせいのだろう。

そう考えた俺は、銃身部分をオレーク式突撃銃で使っている

物に交換すると共に、銃身が長すぎるので、短筒銃の銃身の

長さまで切って縮める事にした。


銃身が長すぎると、狭い場所での取り扱いが難しくなるのと、同時に

片手で持てなくなるのだ。重くなっては片手で撃つ事は出来ない。


御者達は手綱を持ちながら、銃も持つのだから、ある程度は軽さも

必要だったのだ。


突撃銃の銃身は、非情に丈夫で銃身の厚みも十分なのか、魔力球3型を

試射しても、銃身が花弁みたいになる事はなかった。


そんな折に、俺の所にある人物が遣ってきたのだった。

その人物とは、インガ婆さんだった。


インガ婆さんだけではなく、婆さんの友達と言う魔法使いの婆さん達も

一緒だったのだ。


「この婆達は、(わし)の古くからの友人でな、魔力球の開発などを

昔は手伝って貰っていたんじゃ!でもな、名前が売れ出すと直ぐに宮廷や

組合などに働きに行ってしまった薄情な奴等じゃ」


俺は、古い友人がどうして此処に居るのかを訊ねると。


「宮廷魔法使いの座を若いのに盗られてしまってね.....」


だとか.....


「組合の会長の座を副会長や重役達に追われてね.....」


だとか.......


「孫にお小遣いをあげたくても、あげれるお金がないのさ.....」


などの理由だった。


話を訊くと、魔法と言う物は属性と言う物が有り。その属性に

寄って相性が良かったり、悪かったりする見たいなのだ。


正直に言うと属性とか言われても、俺にはさっぱり判らない。


何でも大陸で過していた婆様連中は、インガ婆さんが新しい組合

に入った事を知り、昔の好で組合に入れて欲しいと懇願してきた

との事だ。


俺は直ぐに幹部を招集する事を決めると、オレークさんに話を

持って行ったのだった。


「なるほど!大体の話は解かった。だがな、魔力球の供給は足りて

いるんだ。悪いがシーランド銃組合には、あなた達の居場所は無い

と思う」


オレークさんが、ばっさりと老人達に不要と告げた。


「インガは火属性の使い手じゃが、あたしは土属性の使い手じゃぞ

それも宮廷魔法使いもしていた程じゃ!」


「そうそう!私は水属性の使い手で、組合で会長をしていたのよ」


「私は、風属性の使い手で、弟子の中には、風魔法の使い手で有名

な、ハッリがおる」


ハッリって誰?


「ハッリって、あの有名なハッリの事か?」


「そうじゃよ」


どうやらハッリ氏は、この世界では有名人なのだろう?


「水魔法使いのカティと言います。私は、組合に居た時に大砲に

使う魔力球を火だけではなく、水でも出来ないかと研究していた

のよ!それが身を結んだと思ったら、組合でクーデターが起こっ

てしまって、私が組合費の殆どを対やして開発した物をゴミだと

言われて追い出されたの!」


このカティと言う婆さんは、下克上にあって組合を追い出された

のだと言っているが、どう考えても、この婆さんが原因を作った

としか考えられない。


「組合を追い出された事で、私は自由を手に入れたのよ!この股と

ない機会を逃す事は出来ないと考えて、昔の知り合いを集めてから

火だけではなく、水・風・土の属性を持つ魔力球を開発させたのよ」


俺はカティ婆さんを険しい顔で見ていたが、本人は何一つ悪い事は

していないと言う顔で話していた。


「そして、あと一歩で完成と言う時に、ある問題が発生したの!?

それが何か判りますか?そうその問題とは.....」


何となくだが、答えが判った。


「お金が無いの!だから私達のスポンサーになって下さい」


やはり、そう言う話か!


オレークさんはインガ婆様を見ているが、インガ婆様は決めるのは

オレークさんだと言いたげな目をオレークさんに向けるだけで、本人

には何一つ言わなかったのだ。


オレークさん......俺を見ないでくれ!



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