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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
112/129

第112話  狩りと強敵

何と、特別組合員でない俺が、1㌧もの鉄鉱石を買うと3万5千ベルク

になるそうだ。流石に、そんな大金は持ち合わせては居なかったので

1度、鉱石組合の外に出て考える事にしたのだった。


「旦那様、早いお帰りですね!もう鉄鉱石は買えたのですか?」


何も事情を知らないニーロは、俺に話しかけてきたのだが、様子が

おかしいと直ぐに気が付いたのだった。


「なるほど!お金が足りないのですね!そうなると大金を稼ぎならば、

やはり、何処かに狩りに行くか、それともギャンブルをする、この2

つの中から選ぶしかないでしょう!」


ニーロは、ギャンブルと言っているが、俺は賭け事には不向きなのだ。

今まで日ノ本で、賭け事をした事はあったが、その事如くが負けていた

のだ。そんな賭け事の才能も無い俺が、賭け事をすれば最後は、どうな

るかなど明らかだった。


ニーロに、俺には賭け事の才能が無い事を説明すると、ニーロも理解

した様で、渋々、狩りに出る様になったのだった。直ぐに黒猫屋に戻

ると、狩りに行く準備を進めたのだが、俺の妖しい行動を見てた人物

が居たのだった。


その人物と言うのは、アントンと漁師頭の妹のイーナだったのだ。

アントンの側近のランメルトは、既にアンジェとダーンと共に、

一足先に村に帰っていた。邪魔者も居なくなった2人は、暇を持て

余してる様で、俺の行動をずっと見ていたのだった。


ヤーコブとアントンは、既にシーランド銃の取り扱い説明する人物

も居なくなり、暇を持て余していたのだった。だが、ヤーコブは他

の者と一緒になって、3人娘達の戦術訓練に参加して、シーランド

銃を使っての戦い方を常に考えていたのだ。


でも、アントンさんは、イーナと熱々なご様子で、今日もデートを

していたのだろうと、俺は予想したのだが、まさにその通りだった。

そんな、アントンが俺に尋ねてきたのだ。


何をしているのかを訊ねなれた俺は、正直に答えるしかなく、それを

訊いた2人は、ずいぶんと仲がよくなっているご様子で、2人ともに

返事が揃っていたのだった。


《一緒に行きたいです!》


こっちは遊びで、狩りに行く訳ではないのだが、2人は気にせずに

俺に付いてくる気のようだ。ニーロ家族と共に狩りに行けば、最悪

危なくなれば、逃げれば済む話だから、そこまで神経質に成らなく

ても良かったのが、救いであったのだ。


こうして俺とニーロ家族とアントンにイーナの3人と5匹は、町の

奥地に向けて出かけたのだった。流石に黙って出る訳にも行かなか

ったので、近くを通りかかったヤーコブを呼び止めると2~3日の間

狩りに行くと伝えたのだった。その事を芳乃達に伝えてくれとも頼

んでいた。


こうして、俺達は鉄鉱石を買う為の資金を貯める為に、狩りに出か

けたのだった。ニーロ達の足で半日進んだ場所に、拠点を設営して

から、近場で獲物を探し出したのだが、シーランド本島が魔獣等が

多いと言っても、人里近い場所だと中々、獲物と直ぐには出会わな

かったのだ。


オレークさん達と狩りに行った場所だと、船で半日行く距離だが、

流石に船を使ってまで、狩りに行く事はできなかったのだ。


何故かと言うと、船には生産したばかりの新品のシーランド銃が

満載されていたからだ。もしも、シーランド銃に何かあれば、俺

は取り返しがつかない失敗をしてしまうのだ。


俺が作った来式銃だけではなく、オレークさんが作ったオレーク

式銃も載せていたので、本当に船に何かあったら取り返しが付か

ないのだ。


もう1隻の中型船のサムブーク船型は、ダーンとアンジェが村に

帰る際に、乗って帰ったので今あるのは、小型船の輸送用ダウ船

型しか町にはなかったのだ。


無い物強請りしても、今は始まらないので、気持ちを切り替えて

俺は狩りに挑むことにしたのだ。


ニーロは狩りの際に、匂いや形跡を辿って狩りをすると言う事を

していたのだ。今回はニーロの狩りの遣り方で大分、助けられて

いた。もしもニーロの狩りの遣り方が無かったら、獲物が少ない

場所では、狩りにならなかっただろう!


ニーロにお礼を言うと、俺は来式銃を構えると、狙いを定めてか

ら撃ったのである。来式銃の特徴である長距離からの狙撃をした

結果、岩場を棲み処としていた。シーランド・シェーヴルと言う

動物を仕留めたのだった。シー・シェーヴルと地元の人間は略し

て呼ぶそうで、シー・シェーヴルの肉は、町では大変に好まれて

いる肉の1つだそうだ。


一頭から取れる肉で、大体の価格が1.000ベルクもするとかアントン

が言っていたので、俺とニーロは、此の辺りに居るシー・シェーヴル

を徹底的に狩る事にしたのだった。


その結果、この近隣のボスをしているシー・シェーヴルの猛攻を受け

逃げ帰る事になってしまったのだ!


あの一際大きなシー・シェーヴルは何なんだ!?俺が狙って撃っても

弾を躱して、俺を目掛けて突っ込んで来るぞ!ニーロあれは一体な

んなのだ?


俺は、狩が終わって野営地の拠点に戻ると、イーナが作ってくれた

魚料理を頬張りながら、ニーロに訊いたのだった!


「旦那様、あのシー・シェーヴルは、此処いらのボスをしている奴

でしょうね!何十年も行き続けているから、大概の攻撃は躱すのも

納得です。あれを倒すとなると、並大抵の事ではないですよ!」


そうなのか!チッ......罠でも仕掛けて仕留めるしかないか?


「罠?罠って何ですか好成さん?」


えっ!?



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