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戦国の鍛冶師  作者: 和蔵(わくら)
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第106話 ジャックの抗議とルートの能力

ジャック提督、貴方には少し用事があるんだけど私の頼み

訊いてくれるわよね?......えっ!そう嬉しいわ!それなら

用件を言うわよ!


「痛い、俺は、まだ何も言ってないですよ!?それなのに、

既に俺が、頼まれた事になってるんですかね?おかしい

ですね.....痛い」


そんな事は、今の状況では、どうでも良くないかしらね?

私の用件を言うのはね、シーランド本島の奥地にある村に

白の団の団員をシーランド私設海軍の軍船で、送り届けて

欲しいのよ!それ位の協力は出来るわよね?


ジャック提督は、辺境伯に目で助けを求めたが、辺境伯は

目を逸らし、我は関与せず!っと、無言で言っていたのだ。

ジャック提督は、辺境伯に見捨てられると、直ぐに違う人物

に助けを求めたのだが、その人物と言うのはエドヴァルドで

ある。エドヴァルドもまた、辺境伯と一緒で目を逸らして、

ジャックの要求を却下したのである!


「そんな、2人とも酷くないですか?俺を助けてくれても罰

は当たりませんよ?それなのに、目を逸らして逃げる何って

酷すぎですよ!」


ジャック提督の抗議の声も、ヘレナに遮られてしまったのだ

こうなってしまえば、残された道はヘレナの要求を全面的に

受け入れるしか残されては居なかった!


あらあら!旦那様に助けを求める何って、とんだ海軍さんも

居たもんですね!でも駄目ですよ!旦那様は私の味方ですか

ら、何を言っても駄目です!諦めて私の出した要求を呑んで

下さいね。


ジャック提督は、諦めたのか大人しくなり、ヘレナの言う事

を素直に訊いていたのだ。そして、直ぐに格村に団員を送り

届けて欲しいとのヘレナの頼みであったが、ジャック提督は

出発は3日後と言ってヘレナの言う事を訊かなかったのだ。


「直ぐに出立したいのは、此方とて一緒ですが、会戦をした

後の艦隊の船を使うのであれば、1度メンテをしてからでな

いと、俺は認めません!此れだけは譲れないです!」


くっ......それもそうね!会戦をした船ですからね!もしも船

が痛んでいて、航海の途中で船が沈む事になれば、目も当て

れないですわね!解りました。3日後に内陸部の村に出立す

る事にします!


「私設海軍は、戦闘に参加させる事はあるんですか?」


各村に船を駐留させれるのならば、あるいは戦闘の機会も

あるかもしれませんが、千人近い人員を格村に運ぶだけで

も凄い時間が掛かるでしょうから、戦闘があるとしても、

それは魔物や魔獣の襲撃でしょう!


「ヘレナよ!町には、500人近くは残して居なければ、もしも

襲撃された時に対処できないぞ!だから、格村に派遣する騎士

は、500人と言った所じゃぞ!」


旦那様、町には300人.....いや200人も居れば問題ないでしょう?

なのに、500人も町に置いとくと言うのは、勿体無い話ですよ!


「そう言うがなヘレナよ!もしも儂が討ち取られたら、そこで

終わりなのじゃぞ!大将の首を守るのは当然の行為である!」


解りました!町には300人程を残し、その警備隊長にはアイリ

に頼んで置きます!これで町の守りは完璧であると自負します

が、もしも心配であるのならば、エドヴァルドを頼って下さい

彼も町に残るはずです!


「えっ!?」


急に話を振られたエドヴァルドは、反応に困りはて、まともな

返事すら出来ないままに、町に残ることが決まってしまった!


「いや.....儂もヴィクトル副団長と一緒に、あの貴族を追うはず

じゃったんだが、そこは完全に無視するのか?」


エドヴァルドは、小さな声でヘレナに抗議をしたのだが、声が

小さすぎてヘレナには聞こえていなかった!それでもエドヴァ

ルドは、必死に町に残りたくないとアピールをしたのだが.......

結局は、町でアイリの補佐をする事になったのだった。


「よし!話も決まったので、1度解散して、再度出立する時に

会う事にしようぞ!よいな?」


辺境伯は、強引に会議を終わらせると、執務室を後にしたのだ。

そして、辺境伯は屋敷の奥にある邸宅へと戻ると、報告を待ち

わびている人物の元へと急いだのだった。


「ルート!そちの父上を殺めた叔父達は、既に無く、そして

叔父達を殺した貴族は、風前の灯となっておる!」


「また、旦那様の悪巧みですか?父上を殺した叔父達を大陸

から遣ってきた。あの貴族に始末させた挙句に、叔父の仇と

ばかりに、貴族達を口封じしているのですね?」


「ルートよ!儂が自ら身内に手を下す事は出来なかったのは

事実であるが、何でそこまで言い当てられるのじゃ?」


「旦那様と結婚してから、何年経っていると思っているのです

か!旦那様の思考は手に取るように解ってしまいます!ですか

ら旦那様のなさる事は、私には簡単に理解出来てしまうのです」


インガの娘だけあって、恐ろしく頭の切れる人物であった。

状況判断能力は、このシーランド本島ではルートだけが他の

者より、格段にずば抜けていたのだ。


辺境伯は、そんな事も知らずに、せっせっと悪巧みをするのだが

ルートに悉くばれてしまうのであった。


「策略は貴族の嗜みじゃ!」



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