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-KAIBUTSU-  作者: 大空
隠された自分
4/4

ー第4撃ー  時間指輪

「....二間(ふたま)...(カラス)...?」


そんな名前聞いたこともないはずなのに、何故かとてもしっくりくる。


「どう?

 何か思い出せそうかな?」


「いや、ま....だなん....と..も.......クッ....」


あれ?

おかしいな、体に力が入んない、、、。

上手く喋れないし、意識がどんどん遠のいていく.........


*************************************

ああ、またあの夢だ。

いつもと少し違うな、ちゃんと夢の中で意識がある。

ここはさっきいた仕事場みたいな場所のようだ。


「よ~しみんな、いよいよ明日だな」


あれは.....夜道とかいう男だよな、少し老けて見えるが確かにそうだ。よく見てみると周りにいる人たちもさっき見かけた人たちのような気がする。

.....ってあれ、俺もいるぞ....。


ーーーそうか、これはあの夢を客観的に見ているんだ



「明日ついに、私たちの研究成果を世に発表する日だ」


.....研究成果??


なんだこれ、こんなのいつもの夢では見てないぞ。

周りを見渡してみると、一見仕事場に見えていたその場所は研究所の一室にも見える。デスクには大量の資料が積まれていて、パソコンは見たことのない形をしている。まるで人造人間を作っている悪の秘密組織みたいだった。

そして夜道が差し出した手には、指にはめるリングが握られていた。


「そしてこれを一番に試してもらうのはクロで~す

 みんな拍手~~~」


そしてそのリングを夜道は俺に渡した。

その瞬間だった........


【ドッガアアァァァァァァァァンン!!!】


大きい爆発音とともに地面が揺れだし、警報が鳴りだす。


《緊急警報です、只今各地域にて未確認生命体に攻撃を受けています。直ちにお近くの地下シェルターに避難してください。繰り返します、只今各ちい...キャァァァアアアア!!!.......プツッ、ザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー.........》


緊急警報が鳴っているのにもかかわらず、夜道たちはそこまで焦っている様子がなかった。


「大丈夫、ここは地下だからそう簡単にはーーーーー」


【ドッッッツガアアァァァァァァァァンン!!!】


さっきの爆発音より大きく、この建物の中から聞こえる。


「おいおい、嘘でしょ~~~

 ここまでこれちゃうのね、未確認ナントカってやつは.....」


『キュルェエエエエエエエエエエエァアァ!!!!』


不気味な鳴き声とともに、爆発音が近づいてくる。

一緒にいた研究者たちは、先ほどの余裕は当然なくなっていて恐怖のあまり腰が抜けて動けなくなっているもの、パニック状態に陥り過呼吸発作を起こしているものもいて、そこはまさに生き地獄と化していた。

その光景はまさにいつも見ている悪夢と同じだった。


「くそっ、なんなんだよ一体!」


「落ち着いてクロ、いい事思いついちゃった

 そのリングを使って過去に行くんだ」


......ッ!?

いま、あいつなんて言った?


「夜道さん何言ってるんですか!!

 アンタやほかのみんなを置いて逃げることなんてできない!!」


おいおい、まさか本気でかこにいこうとしてるのか?あのリングで。


「違うよクロ、逃げるんじゃない

 俺たちを助けに行くんだ、過去の俺たちにこの出来事を伝えに行け」


「でもそんなこと俺にはーーーー」


ーーーーバゴォォォォオオオオオオンン!!!!


ついにこの部屋の扉も破壊され、そこから生物とはとてもいいにくい未確認生命体が地面を這いずるように侵入してきた。そいつから出る異臭はここ全体を一瞬で包み込み、死への絶望感というものが肌で感じられた。


「よく聞くんだ。君は今から10年前、私たちがこの時間指輪(タイムマシン)を作り出そうとする時代に飛ばす。だがこの時間指輪はまだ完璧じゃない、もしかしたら時空を超えていく途中に体が消滅してしまったり何らかのリスクを負うかもしれなーーーーー」


ブシュッ.......


気が付くと周りの人は全員殺されていた。

夜道という男も背後から体を突き抜かれてしまった。


「夜道さんっ!!!!!」


「頼ん....だ..ぞ......クロ.....

 ”人類.....を..、地...球..を救..え”」


**************************************


目が覚めた。

こんなに記憶が鮮明な悪夢は初めてだった。夢にしてはあまりにもリアルで現実と夢の狭間にいるような、そんな感覚だった。


「あ~、やっとお目覚めですか~~」


寝ていたソファから起き上がると夜道がいた。



何故かまた、涙がこぼれた。

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