始まりの風
今回はかなり急いで作ったので文章が甘い所があるかもしれませんが許してください。
《お目覚めください、ご主人様。》
声のままに目を開くとそこは雪国だった。
なんて事はなく、辺り一面に広大な草原が広がっていた。
俺の心には困惑と疑問が湧きあがってきたが、それを考える前にまた声が聞こえてきた。
《お目覚めになりましたか。約100振りに感じる自然は如何でしょうか?何か疑問を感じる事がございましたらこのジェクスディッツに何なりとお聞きください。》
ファ!?なんやお前!?何処から俺に喋りかけてんの!?しかも今とんでもない事言わなかったか!?100年?はぁ!?何言うてんねん!まず第一にお前は誰だよ!
《私は契約者に仕える一般的に従神と呼ばれるタイプの神です。契約者が安心、安全、効率的に神の身へと至れる為のサポートをします。》
は?神?契約?ますます何を言ってるのかわからんのだが、え?お前神なの?俺はいつお前と契約したってんだ?
《それはご主人様が前世で死ぬ時、無意識に契約する事を望み、私が契約を受理した為、契約が成立しました。》
...なんかもう頭痛くなってきた。
で、聞きたい事がまだあんだけど、まず、俺の今喋り方っていうか、...あー、性格?がなんか死ぬ前の俺と全然違うんだけどそれはどういう事なんだ?
《それを理解して頂くには多少の時間がかかりますが宜しいでしょうか?》
あぁ、構わないから話てくれ。
《...まずは私たち従神について話させてください。従神は契約した時点で、契約者の記憶への干渉権が得られます。そして記憶を通して契約者の性格などを知り、その情報を基にして契約者に合った成長の仕方を教えサポートをし、最終的に神へと昇華させます。私もその通りにまずは記憶や感情を巡り、ご主人様の事を知ろうとしました。ですが記憶などを辿っている内にご主人様の魂が崩壊しかけているのがわかりました。原因は恐らくご主人様の過去の経験からでしょう。》
あぁ、確かに心当たりはあるな。心当たりしかないけどな。
《このまま放っておくと転生を果たしても魂が崩壊し、存在が消滅しそうでしたので、まず魂を保護し、回復を図りました。ですが、それだけだと回復をしても精神が持ちこたえられるかが怪しかった為、性格と考え方などを改変させて頂きました。》
はい?性格を改変?
《本来、感情や考え方などは魂の根幹と言っても過言ではないほど強く密接しています。むしろそれらにより魂が形成されていると言ってもいいでしょう。その為、通常ではそれらを改変する事は不可能です。しかしご主人様の魂は不安定な状態だったので強引なやり方でしたがなんとか崩壊を抑える事が出来ました。》
そうなのか...で、具体的にどういう所を改変したんだ?
《ご主人様の前世を鑑みるに、他者からの過度な攻撃や精神的なストレスにより魂が崩壊しかけていたので、精神に対する攻撃への耐性を強化、更に精神への干渉を無効化し、感情を希薄にすることで自死の可能性も無くしました。また、ご主人様は人間に対して恐怖、怒り等をお持ちです。そして死ぬ直前に強く生きたいと望んでおりましたので種族も変えさせて頂きました。》
ん?種族を変えた?いったい何に変えたんだ?
《それはご自身で確認をされた方が宜しいですね。少々お待ちください。...魔鏡生成。》
ジェクスディッツがそう言うと俺の目の前に巨大な鏡が現れた。そこに映っていたのは白いローブのような物を着ていて、長い尻尾、刺々しい翼、透き通っているが濃い紫色の瞳を持った龍がそこに佇んでいた。