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両親

作者: てぃーあい

「なんで…」

「どうしてあの子が…」

私の母は泣いている。

そう私はもうこの世に

生きた魂を置いていない。


――――――――――――――――



4月1日 大学入学式


私は大学の入学式に向かっている途中、

車にひかれて、そのまま

目を覚ますことは無かったのだ。

原因は、運転手のアクセルとブレーキの

踏み間違いだったらしい。


なぜ私は、この世にもういないのに

こんな風に理由を知っているんだろう。

長い間、不思議だった。


その理由に気づいたのは

事故から半年たった時だった。


母は毎日私のお墓へ来て


「今日はこんな事があったよ」

「あなたの友達が来てくれたよ」


とか、毎日毎日なにがあったかなど

伝えに来てくれていたのだった。


忙しいのに毎日。

母は私を愛していた。

その事が、凄く、心に染みた。


けれど、母は私をひいた

運転手のことだけは

全く話してくれなかった。


特に気にしていたわけでは

なかったので聞くことはなかった。


そう言えば、私って、いないはずなのに

何故か毎日大学に行きバイトにもいっている。


あれ?私あの日事故にあって…

いや、事故にあって死んだのは

私じゃなく、母だったのだ。


私は母が亡くなったこと

なかなか信じられず混乱し

鬱のような状態になっていたらしい。


母は私のお墓に話しかけに

来てくれていたのでは無く。


私を元の状態に戻すために

頭の中に出てきてくれていたのだ。


そうだ、私が混乱したのは

これだけが理由じゃない。


私は同時に父も無くした。

この世からではない、

父は刑務所へと、送られたのだ。

人をひいた罪で。

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