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Mavericks1  作者: イシュメール
8/9

平穏という準備期間にて…

よーし始めるぜ。

とにかく、戦いは終わったようだ。

ジャック「さて、夕飯までに戻らないとな…」

どうやったって無理だ500マイルという距離もさる事ながら転移魔法なんて大それたものは使えない。

ジャック「仕方ない…バーン‼︎」

バーン「ギャオオオオ」ドン

なんだかいやな予感がする…確かにマッハで飛べば夕飯までにどころか買い物をする余裕まで出てくる。だがよく考えろマッハで飛んでる乗り物に乗ってみろ。Gで内臓が潰れかね…って聞いてねえぇ!

ジャック「とりあえず城門の前まででいいや。」

バーン「ギャオオオオ」

音速越えのドラゴンにタクシーのノリで乗る大バカジャックは俺を掴んで王国への帰路に着いた。

王国のとある武具屋にて…

グリシャ「さて、フィオ君どれがいいかな?」

フィオ「え?ここのやつ選んでいいんですか?」

グリシャ「そうだが、何か不満かね?」

フィオ「いえ、不満とかではなくここって武具屋の中でも最高級の店じゃないですか。僕なんかがここの武具を使うなんて恐れ多くて…」

キュリア「そんな気負うこと無いわよ。あなたのナックルよりはどれも安物だから。」

確かに竜の牙が着いた装備はまず手に入らない。手に入ったとして値段は騎士団長の一生分の給料でも足りないくらいだ。

フィオ「えーと…」

武具屋のおっちゃん「兄ちゃん何探してんだ?」

フィオ「壊れてしまったナックルの代わりに短剣でも買おうかと…」

おっちゃん「短剣か…これなんてどうだ?」

フィオ「これは、グリップしやすい柄に軽い刀身。しなやかな刃だから折れにくいし研ぎも丁寧で切れ味は抜群。これいくらですか?」

おっちゃん「兄ちゃん中々見る目あるね。そいつは1万シピオさ。」

フィオ「いち、まん…」

ここでの通貨はシピオとリンがある。1シピオが1000リンである。ちなみに王国の騎士団の給与は月100シピオ騎士団長になれば1500シピオである。そこから考えても1万シピオは随分高い。

おっちゃん「安心しなよ。兄ちゃんの見る目に敬意を表して負けてやるよ。7500シピオでどうだ?」

フィオ「どちらにしろ高い…」

グリシャ「よし買った。」

フィオ「え⁈」

グリシャ「これくらい出させてくれ。」

おっちゃん「毎度あり!」

キュリア「よかったじゃない。フィオお兄ちゃん。」

フィオ「その、お兄ちゃんっていうのは固定なんですね…」

おっちゃん「そういえば兄ちゃん、ナックルつってたよな?どんなんだ、よければ見せてくれ。」

フィオ「はい。」

フィオが自前のナックルを渡すとおっちゃんは目を見張って驚いた。

おっちゃん「ほぅ。こんな立派で綺麗な竜の牙はお目にかかったことがねえ。兄ちゃん、こいつどこで手に入れた?」

フィオ「それは、死んだおじいちゃんの形見でして」

おっちゃん「こりゃすごい。おめえさんの爺さんはすごいな…俺の知り合いにいい武器職人がいる。そいつに頼めば最高の出来に仕上がるぞ。」

フィオ「いや、僕は自分で…」

キュリア「せっかくだからおねがしたら?」

グリシャ「そうだな、紹介してもらおう。」

フィオ「え?でもお金が…」

おっちゃん「こんだけ立派なモンにお目にかかれるんだ。職人冥利につきるってタダでも喜んでやるだろうぜ。ちょっと待ってな今そこに行く地図と紹介状を用意してやる。」

そして武具屋のおっちゃんに言われたようにその武器職人の元へと行き、ナックルを見せた。すると

職人「おお!これが竜の牙…これは腕がなるな…」

フィオ「あの、直りますか?」

職人「直るどころか最高のものにしてやる!お代は結構。こんな最高の素材を持ってきてくれたんだ。3日後に取りにきな!」

フィオがナックルを預けた後グリシャは王城に、フィオとキュリアはマーベリックへと戻って行った。

1時間後、ギルドマーベリックに全員無事に帰ってきた。

ネブラ「全員無事だな?まぁ、そう簡単に死ぬとは思ってないがな。」

グラン「あたりめーだ。あんな小娘に殺られてたまるかよ。」

ネブラ「ライズすまなかった。あんな辛い役回りをさせて…」

ライズ「いいんだよ。きっとこれは私にしかできないことだったんだから。」

グラン「てか、そこにいるチビはなんだ?キュリアはどォした?」

フィオ「えっと…」

キュリア「グラン、失礼ね。ここにいるじゃない。」

グラン「は?」

キュリア「だから、私がキュリアよ。サイズ違うからって間違えるかしら?」

ライズ「可愛い。」

キュリア「え?」

ライズ「可愛い〜‼︎ギュー」

キュリア「え?ちょ、ちょっと〜。離れなさいよ〜」

グラン「まんざらでもなさそうに言ってもな…」

ネブラ「ハハハ。それでジャック、そっちはどうだった?」

ジャック「あぁ、ヴェノムファントムはやはりシンの仕業だった。」

ネブラ「そうか、やはりか…」

ジャック「ついでにイルの野郎までいやがった。」

ネブラ「イルか…また厄介なものを…」

ジャック「俺は、また向こうから動くだろうから現状はこちらから責める必要はないと思うんだが?」

ネブラ「そうだな。後手に回るのは(しゃく)だが、目的がわからん以上は下手に動くわけにもいかんからな。」

ジャック「そう言えば、フィオ。お前ナックルはどうした?」

フィオ「はい、武器の職人さん預けてます。」

ジャック「そうか。確かにあれはしっかり仕上げたほうがよかったしな。」

戦いは超人的過ぎて分からなかったかもしれんが、基本的に日に戻ればこんな下らない会話で盛り上がれる奴らなのだ。

ネブラ「じゃあ、飯にするか。」

ジャック「てか、この壁なんでこんなことになってんだ?」

ネブラ「今更か?お前が行った後すぐにシンの勢力の奴らが来たんだよ。」

ジャック「ふーん…」

ジャックは特にこれと言って興味がなさそうだ。

フィオ「あ、そういえばグリシャさんがジャックさんに明日王城に来いと伝えろって言われました。」

ジャック「あー、また説教かな…」

心底面倒くさそうだ。

少し忙しかったが、とりあえず今日も全員無事で乗り切った。明日も明後日も平穏ならいいがそうともいかないようだ。シンが今も動いているのだ。シンという極大のイレギュラー。彼について俺はこう聞いた。

ジャック「あいつは、とにかく相手を口車に乗せるのがうまい。さらに演技というか猫被りというか、とにかく自分が最も疑われにくいポジションを取るのもうまい。その二つのスキルで過去に騎士団長以外にも一国の王になったことだってある。」

それが本当ならかなりやばい。

ジャック「おそらく奴は戦いが終わった後、王国に戦争を仕掛けるだろうな。」

どうやって?いやさっき答えが出ていたか…

ジャック「口の上手さと猫被りが上手いと言ったろ。そこらの小国で選挙にでも参加すれば当選してすぐに国を乗っ取りにかかるだろうぜ。そうなったら一週間もてば大したもんだろな。」

そしてジャックの言ったことはまたしても当たった。それはちょうど一週間後のことだった。

to be continued…


よーし戦闘が終わった後の話だ。とりあえず休憩だ。シンの不穏な動きについて書いたが、もうちょい後かな…ライズのテンションを戻すのに苦労したよ。まぁ、もうちょっと普通の日常を享受してくれ。国を乗っ取るってどうやんだろう…

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