戦いは終わりいつもの日常へと…
ようし、始めよう…え?前書きが短い?別に長々やられるよりいいだろ。
場所は王国から少し離れた場所にある草原。そこに何かとんでもないものが近づいていた。
逢魔が刻、それはこの世とあの世が繋がり異界の魔物が迷い込んでくると言われている時間。悪魔のいるこの世界では、その時間帯は力を解放しやすくなるらしい。
キュリア「ここからが本当の戦いよ。」
ラグナ「おもしろいわね…相手になってあげるわ。」
ラグナはキュリアのボディアーマーから覗く肌に鞭を叩き付けようと構えた。
ラグナ「その綺麗な肌、ミミズ腫れだらけにしてあげる♡」
キュリア「無理ね。デッドロック…」ピキィ
その瞬間キュリアの半径10m以内の時間が停止した。
風や虫、もちろんラグナまでもが完全に止まっていた。
キュリア「チェックメイト…ね。ライフブレイ…キャア!」
キュリアはラグナに死の一撃を放とうとしたが横からの攻撃により失敗した。
キュリア「あぶな〜い。誰よ邪魔したのは?」
シン「すみませんね。ラグナにここで死なれては困るんですよ。」
シンはキュリアの半径10m内を歩きラグナを回収した。
シン「では、失礼します。」
そう言ってシンは消えていった。
フィオ「大丈夫ですか⁉︎」
キュリア「…なんか白けちゃった。よし、街で買い物でもしてから帰りましょう。丁度お財布もいることだし…」
グリシャ「お財布って誰かな〜?こっちみても何も出ないぞ?」
キュリア「やっぱり力余ってるし強盗した方が早いかもね…」
グリシャ「是非、財布役として自分も同行させてください。」
キュリアは満足そうな顔で元に戻…らなかった。
フィオ「え?」
光に包まれて元のの姿にと思っていたフィオは目の前の見た目7歳位に幼女化したキュリアをみて間抜けな声を上げた。
それはグリシャも似たようなものだった。
キュリア「あら、ごめんなさい。私は一度力を解放すると元に戻るまでちょっと、ほんの3日間だけ時間がかかるの。だからその間お世話よろしくね。フィオお兄ちゃん。」
フィオ「は、はぁ…?」
グリシャ「??」
とにかく、状況が飲み込めないフィオとグリシャの二人。キュリアはフィオのナックルが壊れている事に気付いた。
キュリア「あら?お兄ちゃん、ナックルが壊れてるわよ。」
フィオ「え?あ!さっきの鞭で…嘘だろ…」シュン
グリシャ「新しいのを買えばいいだろ?不肖この財布係こと、国王グリシャが新調する代金を出そう。」
キュリアのお兄ちゃん呼びには突っ込まんのか…
フィオ「ありがたいですけど、遠慮しておきます。ギルドに帰って自分で直します…」
グリシャ「遠慮することないのに。じゃあ何か別の装備をプレゼントさせてくれ。命懸けで守ってもらったんだ何かお礼がしたい。」
キュリア「ねぇ、王様?私には?」
グリシャ「はいはい。飴玉買ってあげまちゅよ〜」
姿は子どもだが、キュリアはれっきとした魔神だ。体が縮んだところで力自体は元の姿のときとほんとんど遜色ない。なので舐めた口をきいたグリシャには、死にはしないが死ぬほど痛い雷撃魔法が放たれた。
そしてギルドマーベリックに戻り…
グラン「ぐ…体が…動かねぇ…」
グランは何かに縛られたように動けなかった。
謎の少女「どーしたのぉ?早く倒さないと逃げちゃうよ〜」
グラン「こ、のぉ…」ググググ
グランは気合のみで体を動かそうとした。しかしわずかに動くだけで、戦闘はとても無理そうだ。
グラン「何しやがった‼︎」ググググ
謎の少女「別に、ただちょっとあなたの影を縛らせてもらっただけだよ。」
グランは足元、正確には足元の影を見て驚愕した。自分の影に何かが差し込まれていた。
謎の少女「影杭っていうマジックアイテムなんだけど、まさかこんなに効果があるとはね…」
グラン「だったら、イヌンダシオン‼︎」
グランは地面にに向かって大量の水をぶちまけた。
謎の少女「あはは。何やってんの影杭を押し流そうとしてるの?バカみたい。そんなんで抜けるわけないじゃない。」
グラン「言ってろ。ブロウズショット!」
すると水で緩んだ地面の下から風が間欠泉のように吹き上げ、影杭を全て外へと押し出した。
謎の少女「へぇ、無駄に頭は回るようね。」
グラン「テメェも無駄に口が回るようで…」
一瞬の沈黙、睨み合いの後激突かと思われた。しかしそれは横からの声に断ち切られた。
シン「撤収です。とっとと帰りますよ。」
グラン「な…⁉︎」
謎の少女「えーこれからなのに…」
シン「いいから。一旦引き上げです。」
それは公園から帰りたくない子どもを迎えに来たそれと似ていた。
謎の少女「ちぇー、勝負はお預けだね。」
シン「では、グラン君失礼します。」
グラン「ふざけんな!テメェを生きて帰すと思ってんのかぁ⁉︎イグニート‼︎」ゴオオオオ
グランは二人が合流した直後そこに火炎魔法を撃ち込んだが二人は着弾する前に消えていた。
場所は変わって…
ライズ「う…うぅ…教官…」
首だけとなったヴェノムナイト…いやマルスを抱き抱え泣いていた。
ライズ「ごめんなさい…ごめんなさい…」
何度も何度も繰り返し謝っていた。そこに水を差すようにヤツが現れた。
シン「まさか、マルス隊長がやられてしまうとは…見くびっていたわけではありませんが、なかなかやりますねぇ。」
ライズ「…!シン…」
ライズは明らかに怒っていた。
ライズ「あんたは、絶対許さない…」
シン「いい怒気です。しかし、私はあなたと戦う気はありません。私はそこのマルス隊長を回収しに来ただけなので…」
ライズ「ふざけないで…教官は絶対に渡さない。邪悪を断ち切れ!セイクリッドスラッシュ‼︎」
シンに光の斬撃が襲いかかる。
シン「あなたと戦う気は無いと言ったはずですが?」
シンは腕の一振りのみで斬撃を打ち消した。
シン「それでは、また会う日まで…」
シンはそう言うと消えていった。マルスも一緒に…
また場所は変わって…
ネブラ「さて、こいつはどうしたものか…」
ネブラはとてつもなく困っていた。それはそうだ。よく考えれば最初にマーベリックの壁は吹っ飛ばされたのだ。他にも戦いで出た瓦礫もあるのだ。それは誰が撤去するのか?それはもちろんそのギルドの所有者である。
ネブラ「ったく、余計な事してくれやがって…」
シン「お手伝いしましょうか?」
ネブラ「お前の手伝いなんているかよ。」
シン「私がここに来た理由はわかりますよね?」
ネブラ「どうせ、倒された死体の回収だろ。」
シン「お分かりのようで…」
ネブラ「そこに並べてあるよ。」
シン「他のメンバーのように邪魔しないんですか?」
ネブラ「して欲しいのか?俺は他のメンバーのように強く無いんでな。どうせやっても死ぬだけだ。」
シン「それはかいかぶりすぎですよ。私もあなたが話のわかる人でなければどうしようかと思っていましたよ。」
ネブラ「ふん、それこそかいかぶりってもんだ。」
そんな日常会話のようななんでも無い話。そしてシンは、騎士の死体に手をかざしどこかへと転移させた。
シン「では、また会いましょう…」
ネブラ「もう二度と会いたく無いね…」
それは戦線布告だったのかどうだったのか…それはわからない。しかし、戦いは一旦終結を迎えた。ここから全ては日常へと還る。
to be continued…
戦いは一時休戦のようだ。しかし平和は新しい闘いの準備期間である。ここからは日常に戻るが、決してつまらないものでは無い。なので次の闘いまでの休息とでも思って欲しい。では、この辺で…さて、難しい闘いの描写は終わったぞ〜。